このところ日課になっている森の散歩はいつも夫と一緒に行きます。
時折二人の歩く速度が違って、突然森に独りぼっちで取り残されたような状況になることがあります。
それもなかなか心地良いものです。
これがドイツ・ロマン主義で重要な言葉となっているWaldeinsamkeit (森の孤独)ということなのかなと思ったりします。
「森の孤独」という表現は初期ロマン主義の作家ルートヴィッヒ・ティークの『金髪のエックベルト』(1797年)に登場します。
一部をご紹介します。
森の孤独よ
それは私を喜ばせる
今日も明日も
永遠に
何と私を喜ばせることか
森の孤独よ
以前にも何度かご紹介した『翻訳できない世界のことば』の中でもドイツ語のWaldeinsamkeit が登場します。
やはり森の多いドイツ特有の言葉なのですね。
つくづくドイツ人は森が好きな国民なのだなぁ。
と思ったものです。
ライン川をはさんで、東がガリア、西がゲルマン。
ガリアはローマに征服されて、次第にローマ化していきますが、ゲルマンの人々は森の奥深く暮らしていたと聞きます。
「ローマ人の物語」によると、カエサルはライン川をローマの国境と定め、ゲルマン人がライン川を渡ってこない限り、攻撃はしなかったと聞いています。
しかしながら、長い攻防のあとに、カエサルの親衛隊のように付き従ったゲルマン人も数多くいて
その体躯の見事さ・長い金髪・青い目、なにより
馬を操る見事さは、ローマに住む人々を驚愕させたようです。何しろ、ローマ人は背が低く短髪で
髪の色も黒い、という特徴をもっており、それがしばしばローマ人のコンプレックスになったというから面白い話です。
hibariさんは読書家でらっしゃいますね。
私は塩野七生さんのご著書は『海の都の物語』しか読んでいません。
また「ドイツ旅行」というとノイシュヴァーンシュタイン城とかローテンブルグだけ訪れる方が多い中で、
hibari さんご一家のようにゆったりとドイツ国内を旅された方がいらっしゃること嬉しく思います。