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気がつけばふるさと離れて34年

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風刺画3枚

2020-05-04 14:15:00 | 日記
風刺画を3枚ご紹介します。
初めは新聞に掲載された風刺画です。
ドイツでは今週からロックダウンの一部解除第2弾で学校が部分的に開校、美容室と理容室の営業が許可、美術館と博物館が開館、そして動物園も開園されます。
それで動物園でお母さん象が子ども象に「ビジターはマスクをしているけれど、あまり近寄ってはダメよ。あとで手(前足)をしっかり洗うのよ」と注意しています。
入園者は柵の前の地面に貼られたテープ内にいて、社会的距離を保っています。



次はバナナとハムで表現されたあの話題の人物の肖像画です。



最後はメキシコからです。
あの国にも低脳のリーダーがいるようです。
でもIQとは何のことかもわからなかったらお手上げなのですが。







ベルリン・フィル「ヨーロッパコンサート」

2020-05-02 15:28:00 | 日記
ベルリン・フィルは1882年5月1日に結成されました。
これを記念して1991年以来、毎年5月1日にヨーロッパ各地でコンサートが開かれています。
会場は通常のコンサートホールではなく、美しい街の建物です。
ウィーンの王立馬術場が会場となったこともありますし、



昨年の会場はパリのオルセー美術館でした。



今年はシュタインマイヤー連邦大統領のイスラエル公式訪問に合わせテルアビブで行われる予定でしたが、
コロナ禍でキャンセルされたため、ベルリンのフィルハーモニーで観客なしの演奏会となりました。
公演に先立ち大統領がご挨拶で「我々の生活に芸術と音楽は欠かせない。世界共通の言語である音楽を通じて、一緒に困難な時期を克服しましょう」ということなどを述べられました。



事前に感染症検査を済ませた団員は2メートル間隔で着席しなくてはならなかったため、総勢15名での演奏となりました。



コンサートマスターの樫本大進さんの姿もありました。



マーラーの交響曲第4番は室内楽用に編曲されたということです。



演奏曲の中ではサミュエル・バーバーの『弦楽のためのアダージョ』が一番心に響きました。


この曲は東日本大震災後の復興コンサートでも仙台フィルが演奏しています。

公演は世界80ヶ国に配信されたそうですから、コロナ禍の人々の慰めとなったことでしょう。
そしてこの演奏会では寄付金を募り、国連のユニセフに寄付されることになっています。




第二次世界大戦中、ベルリン・フィルはフルトヴェングラー指揮で空襲警報が出た時も演奏を続け、
聴衆も座り続けたという話を聞いたことがあります。



こんな時代ですが、音楽に耳を傾ける心の余裕は失わないようにしたいと思います。







山本夏彦[翻訳]『年を歴た鰐の話』

2020-05-01 22:24:07 | 読書
この本を購入したのは5年前です。



2014年9月1日の拙ブログ「狼魚、山椒魚、鰐」でこの本について触れました。
当時は絶版になっていると思っていました。
それに対して「最終回文庫」さんが復刻版のことを知らせてくださり、翌年の一時帰国時に購入しました。
それ以来、お礼を述べなくてはと思いながら、何と5年も経ってしまいました。
「最終回文庫」さんのおかげでこの素敵な本を手に入れることができました→本当にありがとうございます。

この本の作者はレオポール・ショヴォというフランス人です。
あまり世間に知られていないということと、山本夏彦さんの翻訳が素晴らしくて、元々日本語で記されているかのような文章なので
当初はレオポール・ショヴォは架空の人物で、これは山本さんの手による本ではないかと思われたこともあったようです。
でも徳岡孝夫さんがあとがきでショヴォは実在の人物だと記しています。

本には次の三つの物語がおさめられています。
ー 年を歴た鰐の話
ー のこぎり鮫とトンカチざめ
ー なめくぢ犬と天文学者

簡単にあらすじを記します。
「年を歴た鰐の話」
この鰐の孫娘は500歳以上にはなっていなかったということですから、いかに年老いた鰐であるかわかります。
年をとって餌をとるのが大儀になったため、曾孫の一匹を食べてしまい、そのため鰐ファミリーから追放されてしまいます。
大海を漂流している時、足が12本もある蛸に出会います。
彼女(蛸)のことを愛しているにもかかわらず誘惑にまけて毎晩1本ずつ彼女(蛸)の足を食べてしまいます。
そしてとうとう一人ぼっちになってナイル河にたどりつき、川辺で休んでいると、強い陽光で赤く変色した鰐を原住民が神としてあがめ、神殿に運ばれてしまいます。


「のこぎり鮫とトンカチさめ」
二匹ともみにくい意地のわるい魚です。
のこぎり鮫は鯨の赤ん坊がお母さん鯨の乳を飲んでいた時、そのお腹をのこぎりで真っ二つに切ってしまいます。
それ以来、お母さん鯨は復讐しようと二匹を追いかけます。
最後はアルカション湾で美味しい牡蠣を夢中で食べていた二匹はお母さん鯨の尻尾でたたかれ平目みたいに平べったくなって、気をうしない、目がさめた時は死んでいて、復讐を果たしたお母さん鯨は南の海に行くのです。

これを読むと昔、アルカション湾で食べた美味しい牡蠣のことを思い出してしまいます(笑)。

「なめくぢ犬と天文学者」
物語は盲目の天文学者につかえるなめくぢ犬がサーカスで働くチョコレート色の厖犬に出会うところから始まります。
さらにピタゴラスという学問のある蛙と首なし女も登場し、最後は天文学者が首なし女に「結婚しよう!」とプロポーズするのです。


私の拙いあらすじだけでは、何とも雲をつかむような物語になってしまいますが、
一度読むと定期的にまた目をとおしたくなるような不思議な魅力のある本です。
足を食べたり、腹を切ったり、首なし女が登場したりとホラー小説のジャンルにはいりそうですが、
読後は何故か穏やかな気持ちになります。

徳岡孝夫さん、久世光彦さん、吉行淳之介さんと当代の文筆家のあとがきもとても良かったです。

最後になりましたが、最終回文庫さんは何と初版本をお持ちなのだそうです!!