日刊
鹿島小笠原見納めの26日広島戦
鹿島のW杯日本代表MF小笠原満男(27)が、26日の広島戦(カシマ)後にセリエAのメッシーナへ移籍する可能性が高まった。不正問題でセリエB(2部)に降格するユベントスに代わり、メッシーナの今季1部残留が正式に決まり次第、移籍の契約を交わす予定。21日、鹿島幹部は「25~26日にも残留が決まると聞いている。それまではJで出場すると思う」と話し、ホーム開催の広島戦が小笠原にとって国内最終戦となる可能性を示唆した。
小笠原は移籍期限の今月31日までに渡欧して、現地でメディカルチェックと契約に臨む。日程が詰まっているが「鹿島の選手として、まだ試合がありますから。向こうに行くならスパイクだけ持っていけばいい」と気合十分。移籍直前まで鹿島に貢献するつもりだ。
[2006年8月22日8時52分 紙面から]
報知
小笠原移籍25日以降に
鹿島MF小笠原満男(27)のイタリア・メッシーナ移籍の正式決定が25日以降にずれ込むことが21日、分かった。メッシーナのセリエA残留が「25、26日くらいに」(鹿島関係者)決まる見込みで、その後に正式オファーが届き、移籍が決まる流れになる。
鹿嶋市内のクラブハウスでサイン会に臨んだ小笠原は、移籍の正式決定が長引くことに「ここにいるときはここの選手。まだ試合もありますし」とコメント。現状を考えると、26日の広島戦(カシマ)が鹿島でのラストゲームとなりそうだ。
(2006年8月22日06時06分 スポーツ報知)
この報道では、正式決定かのように受け取れてしまう。
だが、未だに正式オファーすらない状態である。
そこを勘違いさせてしまうメディアの力は恐ろしい。
大手スポーツ新聞とはいえ、文責も何もない文章なのである。
この報道の圧力が及ぼす影響を何も考えずに情報発信をしている。
子供に鉄砲を持たせるようなモノである。
その責任はどこに求めればよいのであろうか。
この疑問の答えを、おそらくこの国で見つけ出すことは難しいであろう。
報道の自由を保障しているからではなく、責任の所在を不明瞭にする文化が染みついているからである。
これは今始まったことではなく、永き歴史の上で培われたもの故、この場で論じきるのは更に難しいことである。
閑話休題。
今季の場合、小笠原満男の移籍に関してはクラブとして予想して動いている。
日本代表としてチームを離れることも多かった為、その準備は怠っていない。
昨季とは大きく異なるのである。
その背景があり、移籍容認という報道も、それを歓迎する周囲もあることは容易に理解できる。
しかし、レンタルという移籍の方法で移籍して成功するとはとうてい思えないのである。
十代のハナタレの頃からバックアップしてきた我等にとって、この男が如何に悪態をついても小僧であることには変わらないのである。
出来ることなら、海外でもサッカー選手としての成功を収めて欲しい。
となると、今回に関しては前向きに後押しする気にはならないのが現実である。
当初の半年レンタルの話も半年後に契約が切れることを見透かしてのオファーであることは火を見るより明らか。
ただの商品として連れ去られるのは忍びない。
その心情を察して欲しいのだ。
とはいえ、この報道にはもっと簡単で明瞭な裏があると踏んでいる。
それは観客動員である。
浦和戦の後のスタジアムは閑散としている。
それは隠しようのない現実である。
小笠原満男がスタジアムで呼びかけてはいるが、動員に貢献しているとは思えない。
そこで、この報道により、最後の勇姿を観ようとする観客を呼び込もうとする苦肉の策であると断言できよう。
我等は良い、毎回聖地に赴くのであるから。
しかし、観戦を選り好みする輩も少なくは無い。
この報道で少しでもスタジアムが埋まればそれはそれで良いことでは無かろうか。