A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

1967年はBIGBANDの当たり年?

2007-03-25 | PEPPER ADAMS
INTRODUCING DUKE PEARSON’S BIGBABD

60年代、Rockをはじめとして新しい音楽の流れに押されてJAZZは様々な影響を受けたが、中でも大きく影響を受けたのがBIG BANDだろう。
“Will big bands ever come back?” という声が、ジャズファンから常に寄せられたが答えは“No”と言わざるをえないと。このアルバムのライナーノーツを書いているARAN GRANTは言っている。

エリントンもそんな声が聞こえたのか、まさにそのままをタイトルにしたアルバムを残している。

40年代、50年代のBigBandは基本的にダンスミュージック。
ダンスがバンドを支えていたが、聴くためのBIGBANDとなると、それを継続的に維持するはほんの一部のバンドを除いて経済的にも難しい。それも、いつもやりたい演奏だけをするわけにはいかないのが現状だった。
よい音楽を聴きたいというファンは、数は少なくとも耳は肥えてきていたし、演奏するほうも、よい演奏をするにはセッションワークであり、ソロであれ、日々鍛錬する場が必要だ。しかし、その場が少なくなると、双方にとってよい演奏に巡り合える場が減っていってしまう。

そこで生まれたのが、リハーサルバンドとMonday nightのセッション。
定期的に集まって練習はしても、聴衆の前で演奏をする機会を作るのは、それはそれで難しい。サドメルの、Village Vanguardの月曜日の夜のセッション(ユニオンの休日)の場は、ミュージシャンにとっても仕事が無く集まりやすかったのだろう。また、聴く方にしても僅かな金額で、素晴らしい演奏が聴けるので一挙両得な仕組みだった。

1966年、サドメルのオーケストラが編成され、ファーストアルバムを出したのに刺激されたのかどうかは知るすべも無いが、翌1967年に新結成されたBIG BANDはいくつかある。
ある意味では、BigBandが復活した年かもしれない
このピアソンのビッグバンドもそのひとつ。

このアルバムのリーダー格、DUKE PEARSONは、名門BLUE NOTEレーベルのディレクター的な役割。もちろん自分でプレーもするが、新人やセッションの発掘も仕事だった。
それまでに、ピアノトリオでもいい演奏を残しているが、自ら編曲もするピアソンにとっては、コンボ編成そして、大きなBigBandもやりたいことのひとつだったのであろう。

1967年の2月に、サックスのJerry Dodgionと、トロンボーンのGarnett Brownに声を掛けて、他のメンバーを集めてこのアルバム録音にこぎつけた。

この声を掛けた2人のメンバーは、サドメルのレギュラーメンバー。
奇しくも丁度同じ時期に、サドメルも活動を開始していた時期だ。単に偶然ではないであろう。
集まったメンバーもPepper Adamsなど、どちらのグループにも顔を出している者も多い。
前年の、Adamsのアルバムには、Personがピアノで参加しているので、相互乗り入れといった感じだ。
他にも、Randy BreckerやLew Tabackinなど、次の世代の主役たちも参加している。

演奏内容はというと、これは少しサドメルとは趣が違う。
たぶんピアソンの頭の中にはやりたいことがたくさんあったのかもしれない。まさにBIGBAND顔見世興行として色々な側面を見せている反面、サドメルのように何ともいえぬバンドカラーの統一感があるわけではない。

最初の3曲はピアソンのオリジナル。
いきなり今風(といっても、40年前のだが)のリズム。ラムゼイルイスのTHE IN CROWDの乗りだ。続いて、正統派の4ビートをブラスセクションの凝ったアンサンブルを聞かせかと思うと、異国情緒漂う音作りをしている。
B面に入ると、曲目どおり、いきなりベイシーサウンド。何となくジャダのイントロのようなフレーズで始まり、ピアソンのピアノはエンディングまでベイシーそのもの。
次にJoe Sampleの曲で、演奏もジャズクルセイダーズのフルバンド版かと思えば、次はいきなりWatermelonmanの焼き直しのような演奏。さらに、Taste of haneyはFrank Fosterを前面に出した正統派BIG BANDで、締めは、昔懐かしいダンスミュージックという具合にバラエティーに富んでいる。というか、まとまりがないか?
まあ。色々聴けるのは悪くはない。

Ground Hog
New Girl
Bedouin
Straight Up And Down
Ready When You Are C.B
New Time Shuffle
Mississippi Dip
A Taste Of Honey
Time After Time

Randy Brecker, Burt Collins, Joe Shepley, Marvin Stamm (tp)
Garnett Brown, Benny Powell, Julian Priester (tb) Kenny Rupp (btb)
Jerry Dodgion (as, fl, picc) Al Gibbons (as, fl, bcl)
Frank Foster, Lew Tabackin (ts)
Pepper Adams (bars, cl)
Duke Pearson (p, arr)
Bob Cranshaw (b)
Mickey Roker (d)

Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, December 15, 1967


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