LONG YELLOW ROAD / TOSHIKO-TABAKIN BIG BAND
先日、ドラマーのChuck Floresのアルバムを聴いて、彼がToshiko-Tabakinのオーケストラにいたことを知る。そして、久々にこのアルバムにたどり着いた。
何度も聴いたアルバムだし、このオーケストラのライブには何度も足を運んだ。
なのに、あまり気にもとめていなかったドラマーだった。
ビッグバンドの魅力は、アンサンブルとソロ、作曲と編曲、バンドカラー、それを実現するためのメンバー達。それらすべてが組み合わさると最高の演奏が聴ける。
ビッグバンドを率いるリーダーは、常にこれを目指して頭の中で試行錯誤していることであろう。
これを実現できるオールマイティーの能力を持つリーダーが現れると、突然素晴らしいバンドが誕生する。めったにあることではないが。
サドジョーンズのオーケストラもそのひとつであろう。彼の場合は曲のイメージが浮かぶと、一気にオーケストラの全体の構成も頭に浮かび譜面になると言われているが。頭の中は一体どのような構造になっているのだろう。だからこそ、彼の指揮ひとつでその時の気分でオーケストラを生き物のように変化させることもできるのだろう。
サド・メルが生まれてから10年近く経ち、同様なバンドがまた西海岸で生まれる。
秋吉敏子のオーケストラだ。
このようなバンドを実現するには、色々な難関を乗り越え実際に誕生させ、さらに活動を続けるには必ずといって良いほどそれを支える協力者が必要だ。
中でも、音楽的にも支える単なる協力者以上の相棒(パートナー)が一緒にバンドメンバーの中にいると、よりよい結果を生むような気がしてならない。
サドジョーンズにとってのメルルイス。
そして、秋吉敏子にとっては、良き伴侶でもあるルータバキン。
バンマスとコンマスの関係。
委員長と書記長。
首相と官房長官。
CEOとCOO。
監督とキャプテン
・・・・・・何の世界でも、この2人の関係が実に重要だ。
このオーケストラが誕生したのは1974年。
レコードのデビューは「孤軍」というアルバムだった。
それに続く第2作が、このアルバム「ロングイエローロード」。
両方は姉妹作といっていいかもしれない。彼女が暖めていた構想を、彼女の過去からの作品を用いて、同じコンセプトで次々とオーケストラの作品に描かれていった。アルバム2枚分の素材は最初の録音時にはすでに用意されていたそうだ。
ジャズの魅力はやはりアドリブを格とした偶発性と意外性。
しかし、オーケストラの場合は、白地のキャンパスにプレーヤー達が勝手に絵をかくのではなく、全体の構成はかなり部分リーダーのイメージが全体の構成力に影響する。
聴きなれた曲だが、何度聴いても新鮮だし、Toshiko-Tabakin Big Bandならではの個性に満ちた演奏だ。
全体的には綺麗なサウンドだが、鋭さもあれば柔らか、そして物悲しさもある。
ジャズの世界の寂しさを感じさせるブルースと一転して明るいハッピーなサウンドとは一味違う。女性らしさという一面もあるが、本質的には日本文化の「ワビとサビ」に通じるものなのだろう。
木管楽器の微妙な音色のハーモニー、意表をつくような楽器の組み合わせ、ソロのアンサンブルのバランス、どれをとっても他のバンドではなかなか聴くことができない。
ビッグバンドを普段あまり聴かない人も、日本人のジャズを毛嫌いする人も、一度は聴いてみる価値があるのがこのアルバムだ。
1. Long Yellow Road
2. First Night
3. Opus No. Zero
4. Quadrille, Anyone?
5. Children In The Temple Ground
6. Since Perry / Yet Another Tear
<Pesonnel>
Bobby Shew(tp,flh)
Don Rader,Mike Price,John Madrid,Stu Blumberg,Lynn Nicjolson(tp)
Charles Loper,Britt Woodman,Phill Teel, Jim Sawyer/Bruce Paulson(tb)
Dick Spencer,(as,fl,cl)
Gary Foster/Joe Roccisano,(as,fl,cl)
Lew Tabackin(ts,fl,piccolo)
Tom Peterson (ts,fl,cl)
Bill Perkins (bs,fl,cl)
Toshiko Akiyoshi(p)
Gene Cherico(b)
Peter Donald /Chuck Flores(ds)
Recorded at Sage & Sand Studio Hollywood on Apr 7 1974 , Feb. 28 ,Mar. 3,4 1975
先日、ドラマーのChuck Floresのアルバムを聴いて、彼がToshiko-Tabakinのオーケストラにいたことを知る。そして、久々にこのアルバムにたどり着いた。
何度も聴いたアルバムだし、このオーケストラのライブには何度も足を運んだ。
なのに、あまり気にもとめていなかったドラマーだった。
ビッグバンドの魅力は、アンサンブルとソロ、作曲と編曲、バンドカラー、それを実現するためのメンバー達。それらすべてが組み合わさると最高の演奏が聴ける。
ビッグバンドを率いるリーダーは、常にこれを目指して頭の中で試行錯誤していることであろう。
これを実現できるオールマイティーの能力を持つリーダーが現れると、突然素晴らしいバンドが誕生する。めったにあることではないが。
サドジョーンズのオーケストラもそのひとつであろう。彼の場合は曲のイメージが浮かぶと、一気にオーケストラの全体の構成も頭に浮かび譜面になると言われているが。頭の中は一体どのような構造になっているのだろう。だからこそ、彼の指揮ひとつでその時の気分でオーケストラを生き物のように変化させることもできるのだろう。
サド・メルが生まれてから10年近く経ち、同様なバンドがまた西海岸で生まれる。
秋吉敏子のオーケストラだ。
このようなバンドを実現するには、色々な難関を乗り越え実際に誕生させ、さらに活動を続けるには必ずといって良いほどそれを支える協力者が必要だ。
中でも、音楽的にも支える単なる協力者以上の相棒(パートナー)が一緒にバンドメンバーの中にいると、よりよい結果を生むような気がしてならない。
サドジョーンズにとってのメルルイス。
そして、秋吉敏子にとっては、良き伴侶でもあるルータバキン。
バンマスとコンマスの関係。
委員長と書記長。
首相と官房長官。
CEOとCOO。
監督とキャプテン
・・・・・・何の世界でも、この2人の関係が実に重要だ。
このオーケストラが誕生したのは1974年。
レコードのデビューは「孤軍」というアルバムだった。
それに続く第2作が、このアルバム「ロングイエローロード」。
両方は姉妹作といっていいかもしれない。彼女が暖めていた構想を、彼女の過去からの作品を用いて、同じコンセプトで次々とオーケストラの作品に描かれていった。アルバム2枚分の素材は最初の録音時にはすでに用意されていたそうだ。
ジャズの魅力はやはりアドリブを格とした偶発性と意外性。
しかし、オーケストラの場合は、白地のキャンパスにプレーヤー達が勝手に絵をかくのではなく、全体の構成はかなり部分リーダーのイメージが全体の構成力に影響する。
聴きなれた曲だが、何度聴いても新鮮だし、Toshiko-Tabakin Big Bandならではの個性に満ちた演奏だ。
全体的には綺麗なサウンドだが、鋭さもあれば柔らか、そして物悲しさもある。
ジャズの世界の寂しさを感じさせるブルースと一転して明るいハッピーなサウンドとは一味違う。女性らしさという一面もあるが、本質的には日本文化の「ワビとサビ」に通じるものなのだろう。
木管楽器の微妙な音色のハーモニー、意表をつくような楽器の組み合わせ、ソロのアンサンブルのバランス、どれをとっても他のバンドではなかなか聴くことができない。
ビッグバンドを普段あまり聴かない人も、日本人のジャズを毛嫌いする人も、一度は聴いてみる価値があるのがこのアルバムだ。
1. Long Yellow Road
2. First Night
3. Opus No. Zero
4. Quadrille, Anyone?
5. Children In The Temple Ground
6. Since Perry / Yet Another Tear
<Pesonnel>
Bobby Shew(tp,flh)
Don Rader,Mike Price,John Madrid,Stu Blumberg,Lynn Nicjolson(tp)
Charles Loper,Britt Woodman,Phill Teel, Jim Sawyer/Bruce Paulson(tb)
Dick Spencer,(as,fl,cl)
Gary Foster/Joe Roccisano,(as,fl,cl)
Lew Tabackin(ts,fl,piccolo)
Tom Peterson (ts,fl,cl)
Bill Perkins (bs,fl,cl)
Toshiko Akiyoshi(p)
Gene Cherico(b)
Peter Donald /Chuck Flores(ds)
Recorded at Sage & Sand Studio Hollywood on Apr 7 1974 , Feb. 28 ,Mar. 3,4 1975
ロング・イエロー・ロード秋吉敏子&ルー・タバキン・ビッグ・バンド,秋吉敏子,ルー・タバキン・ビッグ・バンドBMG JAPANこのアルバムの詳細を見る |