Live from Concord to London
コンコルドのジャズは、アナログ、個性、自然、人間味、・・など、スローライフを表わすよう言葉がぴったりだ。
一方で、コンコルドという技術の粋を集めてスピードを競う社会の申し子のような飛行機があった。
去る10月25日、エアバスA380が初めてシンガポール航空で運行を開始した。久々の超大型機の就航だ。
対抗馬のボーイングは、747の後継機種として大型機の開発を何度か計画しているが実開発には至っていない。現在、開発の中心に置かれているのは、787という中型機。
今後市場が見込める、きめ細かく大量の人を運ぶには中型機がいいという考え方だ。両社の基本的な戦略に違いが明確になっている。「大きいことはいいことだ」、「大は小を兼ねる」という価値観の中での競争は終わりを告げたといってもいいかもしれない。
自動車も環境の問題、エネルギー資源の問題から小型化が進んでいる。ここでも、大きい車はいい車だという価値観が崩れようとしている。果たしてどちらが勝つか、見ものである。
長く主役の座を続けているボーイング747が誕生した‘70年当時は、大量輸送のための大型機747と、高速機であるコンコルドの競争であった。
今回と奇しくも同じ、アメリカ対ヨーロッパの対決だ。結果は、ボーイングの圧勝。ジェット戦闘機並みのマッハ2を超える旅客機は、マーケットにも受け入れられず、受入れの飛行場が制約を受けるなど運行にあたっての障害もあまりにも多すぎた。技術オリエンティッドで作られた商品の失敗作の代表格だろう。
一方で、747ジャンボは、大型機で大量輸送が可能になることによって航空運賃が下がり、旅行客が大幅に増加するという「新たな旅行市場創造」の立役者になった。後で考えれば当たり前のようなことであっても、このような失敗が起こってしまうのが現実である。
この、今は無き「コンコルド」の美しい姿がジャケットを飾っているのがこのアルバム。
このアルバムが発売された時は、まだ就航後まもない時期。まだ夢のあったコンコルドだった。
長く引退生活をしていたアネスティン・アンダーソンをカナダのジャズフェスティバルに出ているのをたまたま見つけたのは、このアルバムでもバックでベースを弾いているレイブラウン。
早速、彼女のマネージャーとして、’76年のコンコルドジャズフェスティバルに参加させ、スタジオでのレコーディングも行った。この時のフェスティバルでのライブの模様が、このアルバムのA面に収められている。
コンコルドジャズフェスティバルのステージは、いつ聴いてもどうしてこんなにアットホームで暖かい雰囲気なのだろうか。本当のファンが集ったコンサートだったのだろう。
バックを努めるのは、ハンクジョーンズ、レイブラウン、ジェクハナのトリオ。その後のスタジオ録音もこのメンバーで行っている。安心して聴けるトリオだ。
B面の方は、復帰を果たしたアンダーソンが翌年イギリスを訪れたとき、地元の有名なジャズクラブロニースコットクラブに出演した時のライブ。地元のトリオをバックにした演奏だ。
エリントンの曲を中心にしたスタンダード曲。ジャズへ世界への復帰には、エリントンが一番取り組みやすいのかもしれない。
彼女は’65年に第一線を退いた時、イギリスに住んだこともあるそうだ。復帰を果たしてステージツアーを開始した時、復帰フェスティバルが行われたコンコルドから、第二の故郷ロンドンに真っ先に駆けつけたのかもしれない。
超音速機“Concorde”コンコルドに乗って?。
コンコルドと同じように将来に夢を持って。そして、復帰を果たしたコンコルドでのステージの熱気を伝えに。さらには、コンコルドで発売されたアルバムを手に携えて。 その後の彼女の活躍を顧みると、復活のきっかけなった記念すべきライブアルバムである。
Concordで「復帰請負人」として活躍したJefferson、そして、その良き理解者としてリクルーティングを行ったBrownの果たした役割は大きい。
1. Don't Get Around Much Anymore Ellington, Russell 3:54
2. Days of Wine and Roses Mancini, Mercer 3:37
3. Stormy Monday Walker 3:25
4. Am I Blue Akst, Clarke 4:21
5. Take the "A" Train Strayhorn 2:12
6. My Romance Hart, Rodgers 3:24
7. Solitude DeLange, Ellington, Mills 2:15
8. I Got It Bad (And That Ain't Good) Ellington, Webster 2:24
9. Do Nothin' Till You Hear from Me Ellington, Russell 1:00
10. Take the "A" Train Strayhorn 3:11
11. Love for Sale Porter 6:21
<PERSONNEL>
Ernestine Anderson Vocals
<SIDEA>
Hank Jones Piano
Ray Brown Bass
Jake Hanna Drums
Bill Berry Big Band (only5)
Recorded live at the Concord Jazz Festival , August 1 1976
<SIDEB>
John Horler (p)
Jim Richardson (b)
Roger Sellers (ds)
Recorded live at The Ronnie Scott’s in London
Producer Carl Jefferson
Originally released on Concord CJ-54
コンコルドのジャズは、アナログ、個性、自然、人間味、・・など、スローライフを表わすよう言葉がぴったりだ。
一方で、コンコルドという技術の粋を集めてスピードを競う社会の申し子のような飛行機があった。
去る10月25日、エアバスA380が初めてシンガポール航空で運行を開始した。久々の超大型機の就航だ。
対抗馬のボーイングは、747の後継機種として大型機の開発を何度か計画しているが実開発には至っていない。現在、開発の中心に置かれているのは、787という中型機。
今後市場が見込める、きめ細かく大量の人を運ぶには中型機がいいという考え方だ。両社の基本的な戦略に違いが明確になっている。「大きいことはいいことだ」、「大は小を兼ねる」という価値観の中での競争は終わりを告げたといってもいいかもしれない。
自動車も環境の問題、エネルギー資源の問題から小型化が進んでいる。ここでも、大きい車はいい車だという価値観が崩れようとしている。果たしてどちらが勝つか、見ものである。
長く主役の座を続けているボーイング747が誕生した‘70年当時は、大量輸送のための大型機747と、高速機であるコンコルドの競争であった。
今回と奇しくも同じ、アメリカ対ヨーロッパの対決だ。結果は、ボーイングの圧勝。ジェット戦闘機並みのマッハ2を超える旅客機は、マーケットにも受け入れられず、受入れの飛行場が制約を受けるなど運行にあたっての障害もあまりにも多すぎた。技術オリエンティッドで作られた商品の失敗作の代表格だろう。
一方で、747ジャンボは、大型機で大量輸送が可能になることによって航空運賃が下がり、旅行客が大幅に増加するという「新たな旅行市場創造」の立役者になった。後で考えれば当たり前のようなことであっても、このような失敗が起こってしまうのが現実である。
この、今は無き「コンコルド」の美しい姿がジャケットを飾っているのがこのアルバム。
このアルバムが発売された時は、まだ就航後まもない時期。まだ夢のあったコンコルドだった。
長く引退生活をしていたアネスティン・アンダーソンをカナダのジャズフェスティバルに出ているのをたまたま見つけたのは、このアルバムでもバックでベースを弾いているレイブラウン。
早速、彼女のマネージャーとして、’76年のコンコルドジャズフェスティバルに参加させ、スタジオでのレコーディングも行った。この時のフェスティバルでのライブの模様が、このアルバムのA面に収められている。
コンコルドジャズフェスティバルのステージは、いつ聴いてもどうしてこんなにアットホームで暖かい雰囲気なのだろうか。本当のファンが集ったコンサートだったのだろう。
バックを努めるのは、ハンクジョーンズ、レイブラウン、ジェクハナのトリオ。その後のスタジオ録音もこのメンバーで行っている。安心して聴けるトリオだ。
B面の方は、復帰を果たしたアンダーソンが翌年イギリスを訪れたとき、地元の有名なジャズクラブロニースコットクラブに出演した時のライブ。地元のトリオをバックにした演奏だ。
エリントンの曲を中心にしたスタンダード曲。ジャズへ世界への復帰には、エリントンが一番取り組みやすいのかもしれない。
彼女は’65年に第一線を退いた時、イギリスに住んだこともあるそうだ。復帰を果たしてステージツアーを開始した時、復帰フェスティバルが行われたコンコルドから、第二の故郷ロンドンに真っ先に駆けつけたのかもしれない。
超音速機“Concorde”コンコルドに乗って?。
コンコルドと同じように将来に夢を持って。そして、復帰を果たしたコンコルドでのステージの熱気を伝えに。さらには、コンコルドで発売されたアルバムを手に携えて。 その後の彼女の活躍を顧みると、復活のきっかけなった記念すべきライブアルバムである。
Concordで「復帰請負人」として活躍したJefferson、そして、その良き理解者としてリクルーティングを行ったBrownの果たした役割は大きい。
1. Don't Get Around Much Anymore Ellington, Russell 3:54
2. Days of Wine and Roses Mancini, Mercer 3:37
3. Stormy Monday Walker 3:25
4. Am I Blue Akst, Clarke 4:21
5. Take the "A" Train Strayhorn 2:12
6. My Romance Hart, Rodgers 3:24
7. Solitude DeLange, Ellington, Mills 2:15
8. I Got It Bad (And That Ain't Good) Ellington, Webster 2:24
9. Do Nothin' Till You Hear from Me Ellington, Russell 1:00
10. Take the "A" Train Strayhorn 3:11
11. Love for Sale Porter 6:21
<PERSONNEL>
Ernestine Anderson Vocals
<SIDEA>
Hank Jones Piano
Ray Brown Bass
Jake Hanna Drums
Bill Berry Big Band (only5)
Recorded live at the Concord Jazz Festival , August 1 1976
<SIDEB>
John Horler (p)
Jim Richardson (b)
Roger Sellers (ds)
Recorded live at The Ronnie Scott’s in London
Producer Carl Jefferson
Originally released on Concord CJ-54
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