A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ジャズの名曲もそろそろ「クラッシク音楽」と化すかもしれないが・・・・・

2007-11-14 | MY FAVORITE ALBUM
Cicero’s Chopin / Eugin Cicero

オイゲンキケロは、「ロココジャズ」と銘打ってクラッシクの名曲をジャズ風に演奏して有名になった。この世界は、バッハの曲をジャズ風に演奏したジャックルーシェが第一人者。その二番煎じの感も無くはなかったが、キケロの場合はバッハに囚われずに色々な作曲家の曲を取り上げた。バッハと較べるとジャズ化が難しい作曲家も多かったであろう。

キケロがデビューした60年代以前の音楽はまだまだ縦割りの社会。
クラシック、ジャズ、POPS、カントリー、そして新興勢力のROCK・・・・のジャンル分けが明確であった。そして、民族音楽に根ざした様々な国の独特の響きも。
60年代に入ると、その垣根があちこちで崩れて融合を始める。
8ビートがジャズの世界にも、そしてブラジルのサンバのリズムに乗ってボサノバが生まれたり。
クラシックとジャズの融合もそのような中の現象のひとつだったのかもしれない。

クラシックといえども、それが生まれた時代に遡ればその当時の流行の音楽。時代を超えて引き継がれている「流行曲」ともいえる。ただし、生まれた当時の音源が残っている訳ではなく、その時代の音を直接聴けるわけではない。残された譜面で再現するしかない。
一方のジャズは、その発生の当初からの悪い音ながら音源がそのまま残されている。発達の経緯を最初から実際の音源で聴くことができるとは素晴らしいことだ。それに、個性あるれるアドリブの世界は、他の人では再現はできないオンリーワンの物だ。
ジャズもそろそろ生まれてから100年になろうとしている。ジャズも現在の音楽から見れば、そろそろ「クラッシク」の仲間入りかもしれない。

先日聴いたベルリンジャズオーケストラのピアノにこのオイゲンキケロの名前が。
懐かしい名前を聞いたので久々にアルバムを引っ張り出して聴いてみることに。
唯一自分が持っているアルバム、ショパンの名曲集だ。
ピアノの音が実にいい。確かに、MPSレーベルのことはある。
しかし、録音のせいばかりとはいえない。
馴染み深い曲が続くが、別れの曲ではアップテンポでいつものショパンの曲の趣とは大分頃なる。クラッシクの良さも感じられ、ジャズの心地よいリズム感も。
2つの世界のコラボレーションは耳に心地よい。
ブルージーなピアノプレーからすれば脂の抜けた感じもするが、ここにはヨーロッパの輝くピアノの別世界がある。
キケロはルーマニア出身のピアニストとのこと。やはりヨーロッパの長い音楽の伝統が根底にあるのだろう。アメリカ生まれの流儀にはしたがっているが、根はやはりヨーロッパ生まれのジャズ。そしてピアノだ。
こんなジャズを聴くのもたまにはいいものだ。

1. 華麗なる大円舞曲
2. 前奏曲 イ長調
3. 円舞曲 嬰ハ短調
4. 前奏曲 ハ短調
5. 練習曲 ホ短調「別れの曲」
6. 前奏曲 ホ短調

Eugin Cicero (p)
Peter Witte (b)
Charly Antolini (ds)

Recorded December 1965

コメント
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