A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

1964年はジャズもオリンピックイヤー。名選手ならぬ名プレーヤーが集まった・・

2007-11-23 | MY FAVORITE ALBUM
ONE NIGHT STAND / Harry James Orchestra ’64 in Japan

オリンピックイヤーは、何事につけても何か節目になることが多い。
東京オリンピックが行われたのがこの年1964年だ。首都高速道路も新幹線の開通も、皆この年だった。「三丁目の夕日」で語られている時代の丁度最後の締めくくり。
次の近代化に向けての節目の年。

日本では、この年はジャズの世界も大物ミュージシャンの来日ラッシュ。
まだ、その頃自分ははジャズに興味を持つ直前だったので、世間がそうであったことをまったくと言って良いほど記憶にはないが。
ジャズの方は、節目だからと言って別に新しい物(人)だけが押し寄せたのではない。
スイングからモダンまで、次から次と色々なコンサートが開かれたそうだ。

その中で、アルバムタイトルどおり、スイング系の大御所のたった一回限りのスペシャルコンサートが開かれた。

以前紹介したエディーコンドンのオールスターもその一つ。そのライブもTBSの放送用の収録であったが同じTBSで収録され放送された中にハリージェイムスのビッグバンドもあった。
スタジオをホテルのラウンジのように仕立てお客を入れたライブなので、通常のコンサートホールの演奏と較べるとリラックスしている雰囲気だ。
特にテレビ用の収録なので映像付きでよく分かる。

ビッグバンドは冬の時代と言われていた頃だが、ハリージェイムスのオーケストラは、当時でもラスベガスのホテルで年に40週近く契約があったそうだ。なので、恵まれた環境にあったバンドのひとつだろう。

メンバーにほとんど有名どころはいないが、唯一の例外であり反対に目玉おスタープレーヤーががドラムのバディーリッチだ。自己のオーケストラを立ち上げる少し前。このジェームスのオーケストラに加わりながら、虎視眈々と自分のオーケストラの立ち上げ時期を考えていたのかもしれない。

演奏している曲は、ハリージェームスのテーマ「チリビリビン」で始まるが、スイングナンバーを中心に、スタンダード。オーケストラの演奏で有名な曲が多い。
ビッグバンド名曲集といってもよいかも。エリントンにベイシーに、そしてハリージェームス、各バンドの名曲集の揃い踏み状態だ。

第一部のクロージングが、ホットな演奏のツーオクロックジャンプ。当然ワンオクロックジャンプをもじったスインギーな曲で盛り上がる。最後はバディーリッチのソロで締めくくるが、やはりバンド全体がスイング感に満ちた演奏はバディーリッチの存在が大きい。

後半に入りバラードメドレーでは、ズートシムスの兄の、レイシムスのトロンボーンや、コーキーコークランのテナーがフューチャーされる。
そして思わぬ拾い物が。ボーカルのルースプライスの歌も聞ける。あまり有名ではないがシェリーマンとのアルバムがあった。

サドメルのオーケストラもそうであったが、このように当時の録音が数多く復活してくれるいいものだ。
テレビ放送用なので、映像付で見ることができるのは嬉しい(当然メディアはCDではなくLD)が、まだモノクロ映像。
カラー放送は当時始まっていたが、まだまだ一部の番組だけだった。
そういえば、当時のテレビ欄には番組にカラー放送は明記されていた。丁度、今、ハイビジョン放送に徐々に番組が切り替えられていくように。

慣れは恐ろしいもので、いつの間にかハイビジョンやデジタル放送もカラー放送のように当たり前のものになっていくのであろう。
以前「昔はテレビというものは白黒だった」と息子に言ったが全くイメージが沸かないようだった。レコードは最近自分が良く聴くので興味を示しているが。

CIRIBIRIBIN
DON’T BE THAT WAY
SEPTEMPER SONG
CHEROKEE
I’M BEGINNING TO SEE THE LIGHT
CUBABO CHANT
SHINY STOCKINGS
IF I COULD BE WITH YOU
TAKE THE A TRAIN
TWO O’CLOCK JUMP
CIRIBIRIBIN
SLEEPY LAGOON
IN A SENTIMENTAL MOOD
MY FUNNY VALENTINE
PRELUDE TO A KISS
COME RAIN OR COME SHINE
CARAVAN

Harry James Orchestra

Harry James (tp)
Ray Sims (tb)
Corky Corcoran (ts)
Buddy Rich (ds)
Ruth Price (vol)
etc.

Recorded on April 8, 1964 at Studio G TBS

コメント
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