A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ビッグバンドでは有名でも自分のリーダーアルバムとなると・・・・・SAL NISTICOもその一人

2007-11-26 | MY FAVORITE ALBUM
NEO / NISTICO / Sal Nistico

ウディーハーマンオーケストラというと、セカンドハード時代のクールなサウンドのイメージがあるが実際はそうでもない。ホットな演奏も得意としている。
その要となるのは、やはり3本のテナーリードのサックスセクション。60年代のハーマンオーケストラのサックスセクションを引っ張っていたのはサル・ニスティコ
迫力満点なセッションワークだけでなく、その豪快なソロでも有名だった。
このニスティコはその後のベイシーのオーケストラにも加わったり、ビッグバンド生活が長い。オーケストラではソロの機会も多いが、いざ自分のリーダーアルバムとなると。先日紹介したスヌーキーヤング同様、このニスティコもあまり数が多くあるわけではない。

お気に入りのプレーヤーができると、当然リーダーアルバムを探すわけだが、ビッグバンドのメンバーだとそうそう簡単に見つかるわけではない。ニスティコの名前を見つけて中身も確かめずに買い求めた一枚だ。

「ネオ/ニスティコ」と題されたこのアルバム。心機一転、オーケストラのイメージを払拭して、コンボの演奏での「新・ニスティコ」をアピールしたかっただろう。
付き合っているメンバーは、ハーマンバンドの仲間だったバリトンのニックブリグノラに、トランペットはテッドーカーソン。リズムは、ロニーマシューズのピアノに、ベースがサムジョーンズ、そしてドラムにはロイヘインズ。
初めて聴く前に、果たして「一体どんな演奏が聴けるのか?」といった期待を持たせるメンバー達だ。

一曲目のアンソロポロジー。パーカーの曲だが、演奏もネオ・バップだ。
そのそも、このBEE HIVEというレーベルが、新ハードバップを狙ったアルバム作りをしていたようだが。
A面はお馴染みの曲が続くが、演奏はいずれもメインストリーム。

ニスティコはロリンズやジーンアモンズに通じるテナーだが、本人が言うには、アーネットコブ、イリノイジャケー、そしてベンウェブスターやレスターの影響も受けたとか。さらには、テナーの前にはトランペットを演奏していて、本当はトランペットに憧れていたとか。
そのせいでもないとは思うが、B面の一曲目にはケニードーハムに捧げたブルース。
続いてオリジナルが続くが、演奏もだんだんとバラエティーに富んでラテンのリズムにのって快調に。
そして最後はショーターの曲。ニスティコもここではコルトレーンを意識してのスタイルに。もちろん、コルトレーンの影響も受けたとのこと。

アルバムを通して聴いてみると、ニスティコのバップからコルトレーンまでのショーケースである。ビッグバンドでは羽を伸ばしきれないニスティコが思う存分吹きまくった一枚。
70年代の後半、メインストリームジャズの復活に合わせてニスティコのこんなチャレンジングな演奏もあった。

ANTHOROPOLOGY
YOU DO’T KNOW WHAT LOVE IS
BE MY LOVE
BLUES FOR K.D.
BAMBU
FEE-FI-FO-FUM

Sal Nistico (ts)
TedCurson (tp,flh)
Nick Brignola (bs)
Ronnie Mathews (p)
Sam Jones (b)
Roy Haynes (ds)

Recorded on November 3 , 1978

コメント
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