A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

孤高のギタリストといえば・・・・

2007-11-24 | CONCORD
Tal Farlow ’78 / Tal Farlow Trio



新田次郎の小説に「孤高の人」という作品がある。
孤高に生きることができない実社会を離れ、一人雪山にいるときだけが幸せと感じる人生観。世の中が複雑になり、自分を捨てなければ社会生活ができなくなりつつある現在、その意味が分かるような気がする。

ジャズの世界にもこの「孤高の人」がいる。周囲を気にすることなく、ひたすら自分のペースでプレーに没頭する。そんなミュージシャンだ。
ギターのタルファーローも、その一人だろう。
ファーローの本当の人生観を知っているわけではないが、彼の生き方を見ているとそんな感じがしてならない。

20歳を過ぎてから始めたギター。あっというまに、実力的には一流の仲間入りをする。だからといって派手さがある訳ではない。そして、着実に活動の幅を拡げていったかと思ったら、第一線から退いてしまう。
"SIGN PAINTER"を職とするが、けっしてギターを捨てたわけではなかった。
地元ではプレーを続けていた。

そして、Concordで復活した。このアルバムが2作目だ。
一作目は、レイブラウンとハンクジョーンズとの共演。
3人のコラボは素晴らしかったが、これは相手を気にしながらのプレーだったのかもしれない。

今回は、無名の2人のサイドメンを従えての演奏だ。
オリジナル曲のコンビネーションを聴くと、普段一緒にプレーしている仲間であろう。ファーローとの呼吸はぴったりだ。
今回のアルバムは、他のメンバーを気にせずにマイペースで一段とリラックスした演奏に聞こえる。

噛むと一瞬刺激的な味がするものの、すぐに何の味もしなくなるチューイングガムと違って、噛めば噛むほど味が出るのがスルメ。タルのギターに派手さは無いが、スルメのようなものだ。簡単に聞き流せるが、聴けば聴くほど味がでる。

タルファーローに何故ジャズをやるのか?と聞けば、「そこにギターがあるからだ」と答えが返ってきそうだ。

1. Mahoney's 11 Ohms               Farlow 6:59
2. Here's That Rainy Day              VanHeusen, Burke 5:08
3. Autumn Leaves                  Kosma, Prevert, Mercer 6:06
4. With the Wind and the Rain in Your Hair   Edwards, Lawrence 3:28
5. Perdido                       Lengsfelder, Tizol, Drake 5:34
6. Medley: Ill Wind                  Arein          1:31
      Invitation                  kaper          2:06                         
7. Satin Doll                      Strayhorn, Mercer, Ellington 5:57
8. Gymkhana in Soho                Farlow 4:05

Tal Farlow (g)
Gary Mazzaroppi (b)
Tom Sayek (ds)

Originally released on Concord CJ-57

Autumn Leaves
Tal Farlow
Concord Records

このアルバムが入ったCDは

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