A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

たまには檻を出て雰囲気を変えて鼻歌交じりにのびのびと・・・

2015-04-10 | MY FAVORITE ALBUM
Turn Me Loose ! / Frank Rosolino

歌が上手いジャズミュージシャンは多い。ナットキングコールやジョージベンソンのように、いつのまにか歌が本業になってしまう本格派もいるが、多くは機会を見つけてはその喉を披露してくれる。その中でもボーカルアルバムを作るまでになると、それは余興というより、一歩踏み出してすでに歌手の仲間入りをしたともいえる。
最近で自分が紹介したアルバムでも、ジョージウェインがピアノ同様小粋な歌を披露してくれた。他にも、オスカーピーターソンバディーリッチグラディーテイトなど、「のど自慢」のミュージシャンも結構いるものだが、皆本業の方の腕前も人並み以上の強者ばかりだ。

トロンボーンでは、古くは歌も得意といえばジャックティーガーデン。そしてモダントロンボーンでは、テクニックだけでなく実に歌心のあるプレーを聴かせてくれるのがフランクロソリーノ。自分も好きなプレーヤーの一人だが、そのロソリーノにもボーカルアルバムがある。
60年代に入ってスタジオワークが多くなったロソリーノにとっては、このボーカルアルバムは唯一のリーダーアルバムである。このアルバムを作ったのはシナトラのレーベルであるリプリーズ。シナトラ一家の面々のアルバムとは別に、POPSのアルバムもリリースされたが、その中の一枚だ。後に、リプリーズからはエリントンのアルバムなどもリリースされたが、最初の頃は他にジャズアルバムと思えるのは見当たらない。

このアルバムの制作に一役買ったのは、実はアレンジャーとしてはすでに有名であったニールヘフティーであった。ちょうど1960年にロスに戻っていたが、リプリーズレーベルの立上げと同時にA&Rとして就任した。そして、アレンジだけでなく、タレントの発掘、アルバム制作にも関与することになる。
そこにロソリーノのボーカルがニフティ―の眼鏡にかなったようだ。トロンボーンでは真剣な、生真面目なプレーが売りであったが、クラブのライブなどで時折見せるひょうきんな一面を打ち出すにはボーカルが最適と考えたのだろう。

ロソリーノのボーカルにハイライトを当てたとはいえ、決して並のボーカルアルバムではない。もちろんいつものトロンボーンのプレーも織り交ぜ、バックはドンフリードマンのピアノトリオをバックに、ワンホーンで存分に歌に演奏に大暴れするジャズアルバムといっていいだろう。

トロンボーン同様ボーカルでも滑らかな節回しはスローな曲よりアップテンポが良く似合う。興が乗るとスキャットを交え、時にヨーデルのような裏声も出しながらのスインギーなボーカルが楽しめる。このロソリーノのユーモアを交えた一面は普段のスタジオワークでのトロンボーンプレーでは味わえないのだろう。

ジャケットのトロンボーンの檻に閉じ込められている姿はそれを象徴しているようにも思う。「カルテットに餌を与えないで下さい」と書かれているが、特段餌が無くてもトロンボーンの檻から出ただけで存分に大暴れしている。



このアルバムを作った直後、テレビ出演もしていたようで映像も残っている。しかし、ボーカリストとしての活躍はこのアルバムだけだったようで、再びトロンボーンの檻の中でその後も活動を続けることになる。スタジオワークを離れ今度はソリストとして活動するようになるのは70年代に入ってからだ。

1. Too Marvelous for Words       Johnny Mercer / Richard A. Whiting  2:16
2. Come Rain or Come Shine         Harold Arlen / Johnny Mercer  2:57
3. Whatcha Gonna Do on Monday       Ned Doheny, Hamish Stuart  2:21           
4. Sometimes I'm Happy   Irving Caesar / Clifford Grey / Vincent Youmans  2:37
5. Sweet Georgia Brown     Ben Bernie / Kenneth Casey / Maceo Pinkard   2:22
6. Pennies From Heaven          Johnny Burke / Arthur Johnston  2:53
7. I Cover the Waterfront           Johnny Green / Edward Heyman  3:12
8. You're a Sweetheart           Harold Adamson / Jimmy McHugh  2:40
9. Please Don't Bug Me                   Frank Rosolino  2:20
10. It Had to Be You                Isham Jones / Gus Kahn  2:32
11. That Old Black Magic            Harold Arlen / Johnny Mercer  2:46
12. How Many Hearts Have You Broken             Marty Symes  2:56

Frank Rosolino (tb,vol)
Irving Cottler (ds)
Victor Feldman (p)
Chuck Berghofer (b)

Produced by Neal Hefti
Recorded in Los Angels, on November 26, 1961



Turn Me Loose
Frank Rosolino
Collectables Records
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活きたライブをやるにはそれなりの日々の努力が・・・・

2014-03-24 | MY FAVORITE ALBUM
Jazz Alive / A Night At The Half Note / Zoot Sims & Al Cohn

この前の3連休はお彼岸。墓参りに行かれた方も多いであろう。いつもは閑散としている自宅近くの多磨墓地もこの日ばかりは多くの人でごった返していた。
自分は父の命日が18日、少し早目の墓参りをすませてきた。お彼岸近くが命日だとついつい命日の墓参りと彼岸の供養を一緒に済ませてしまうが、故人の供養と先祖の供養は同じようで違う事。きっとそれではいけないのだろう。
最近では葬儀でも、告別式から初七日の法要までを流れ作業のように一日で片付けてしまう。世の中ある種の合理主義がはびこっているが、世の中の伝統やしきたりのひとつひとつの意味を見直す時かもしれない。

3月23日はズートシムスの命日だった。1985年に亡くなったので、もう30年近く経つ。還暦を目前にした59歳で他界したが、シムスも好きなミュージシャンの一人、もう少し長生きしてほしかった一人だ。
一日にボトル2本を軽く空け、水代わりにビールを飲むほどのヘビードランカーだったようで、お酒に絡んだ逸話はいくつも残されている。あの滑らかなフレーズを繰り出すプレーぶりは酔っぱらってプレーするからこそできる技かと思ったが、プレーの時は案外正気だったそうだ。酒の強さには恐れいる、下戸な自分には想像を絶する。しかし、このきっと深酒が命を縮めたのであろう。何事も程々がよろしいようで。

このシムスだが、15歳でプロ入りし多くのバンドを渡り歩き百戦錬磨で鍛えられてきたが、レスター・ヤングの流れを組むスタイルは晩年まで大きく変わることは無かった。リーダーとして自己のグループを引っ張るというよりは、ビッグバンドやスタジオワークでも色々なセッションに数多く参加していたオールマイティープレーヤーだ。特に、ベニーグッドマンには気に入られていたようで、ツアーがあるとよくオーケストラに加わっていたようだ。

このシムスだが、中堅プレーヤーになってもニューヨークを拠点としてスタジオワークに精を出す傍ら、仲間達とのセッションで技を切磋琢磨することは欠かさなかった。ペッパーアダムスも参加していた、50年代末から60年代の中頃まで続いたLoftでの仲間内での深夜のジャムセッションでは、リーダー格の存在であった

この日々の修行の成果の発表の場がコンボでの活動であったが、その一つが同じテナーのアルコーンとの双頭コンビ。2人のコンビは1952年に始まるが、この2人は有名なウディーハーマンのセカンドハードのサックスセクションに並んで参加していた。この流れで意気投合してコンビを組んだのだろう。2人のコンビは、このLoftが活況を呈していた59年に入っても続いていた。

2人が59年2月にハーフノートに出演した時のライブの演奏が残されている。このアルバムも名盤といわれているが、ライブならではの臨場感の中で2人の熱く流れるようなプレーが楽しめる。単なるバトルでもなく、かといってアンサンブルを売りにするわけでもなく、似たようなタイプの2人のソロプレーを対比させるチームプレーは、テナープレーを純粋に味わうには格好のコンビであった。

B面の曲にはゲストでフィルウッズが加わっているが、こちらも良くスイングするアルトは2人のプレーによく馴染んでいる。「突く」ようなアクセントでメリハリをつけるウッズ独特の節回しはアグレッシブで、グループ全体にも刺激を与えたようだ。このウッズのジーンクイルとのコンビも似たようなコンセプトの双頭チームであった。

このライブを聴くと、観客受けするような派手なパフォーマンスがあるわけでもなく、レコードのプロモーションでもなく、普段仲間同士がLoftで日々繰り広げた実直な演奏を披露しているように思える。このLoftに出入りしていた他のメンバー達、ボブブルックマイヤーやジムホールのその後の活躍をみると、皆、このLoftでの日々の精進がその後の糧となっていたのは間違いないであろう。

1. Lover Come Back To Me
2. It Had To Be You
3. Wee Dot
4. After You’ve Gone

Al Cohn (ts)
Zoot Sims (ts)
Phil Woods (as) #3,4
Mose Allison (p)
Nabit Totah (b)
Paul Motian (ds)

Produced by Jack Lewis
Recorded live at The Half Note on February 6 & 7, 1957
Engineer : Dick Olmsted


Jazz Alive! A Night At The Half Note
Al Cohn & Zoot Sims
BLUE NOTE
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たまには兄弟揃って・・・・

2013-11-08 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Keepin’ Up With The Joneses / The Jones Brothers



兄弟でも別々の家庭を持ちそれぞれの生活をおくるようになると会う機会も減る。忙しさにかまけていと、近くにいても盆と正月に顔を合わせるだけ。ところが一緒に仕事をしていたり、趣味が同じだったりすると子供のころと同様、頻繁に行動をし、よく話をするものだ。

兄弟で音楽に興味を持ち、それぞれがプロの道に入ると当然一緒にプレーすることも多い。日本では日野兄弟、アダレー兄弟のように。2人兄弟は多くいるが、3人となると数が減るが、何といっても3人3様で有名なのはジョーンズ兄弟。

デトロイト出身で若い頃から地元のミュージシャン同士での付き合いは多かった。彼等は地元のメンバーとのレコーディングも結構ある。ペッパーアダムスもその中の一人。兄弟との付き合いはデトロイト時代から長く続く。

さて、この3兄弟一番先に世に出たのは長兄のハンク。エラのバックを長年務めこのアルバムが作られた1958年頃はニューヨークの超多忙なスタジオミュージシャンとして活躍中。サドはカウントベイシーオーケストラに参加して、プレー、作編曲で頭角を表してきた時期。

末弟?(ジョーンズは9人兄弟でミュージシャンになったのは3人だけ)のエルビンとハンクは10歳近く離れていたので若い頃は兄たちと常に一緒にという訳にはいかずワンテンポ遅れてのメイン舞台への登場となった。ニューヨークに出てきたのは1956年。それでも50年代の後半になると色々なレコーディングセッションに登場。JJジョンソンのグループに加わって有名なフラナガンのオーバーシーズを録音したころから表舞台での活躍が始まった。

という状況で、同じニューヨークに住んでもハンクはニュージャージー、サドはアッパーマンハッタン、エルビンはサウスでという状況で住む所も仕事もバラバラ、一緒にプレーするのは唯一Monday night at Birdlandだったそうだ。さらにレコーディングされた物となると、3人がそれぞれ有名になったにも関わらず、このアルバムが初めての一枚になった。

レコーディングの企画をしたのは、先日紹介したミッチェル兄弟のアルバムの企画をしたレナード・フェザー。フェザーの企画したアルバムは色々あるが、なかなかのアイディアマンだ。しかし企画倒れということもよくあるが。

このアルバムは、3兄弟に加えてベースもエディー・ジョーンズを加えてメンバー全員をJonesに仕立てた。
編成はサドのワンホーンなのでサドが中心となる。曲もサドのオリジナルにスタンダード。オーケストラでも良く演奏されるThree and one は三兄弟+ベーシストという設定なのでこの編成はピッタリ。It Had To Be Youは自分も好きな曲だ。
サドのトランペット、フリューゲルホーンはファーガソンのようにハイノートで響き渡るというよりは語り掛けるようなプレーが得意。曲の雰囲気を含めてアルバム全体が和やかなファミリーセッションとなっている。
エルビンのドラミングが兄貴たちを刺激して・・・というよりは、サドジョーンズを中心の気軽な演奏が聴ける。
久々の兄弟揃ってのセッションは、お祭り騒ぎというよりは3人でしみじみと近況を語り合った感じだ。


1. Nice and Nasty             Thad Jones 6:45
2. Keepin' up With the Joneses      Thad Jones 6:11
3. Three and One             Thad Jones 4:57
4. Sput 'N' Jeff             Thad Jones 6:04
5. It Had to Be You       Isham Jones / Gus Kahn 4:48
6. On the Alamo         Isham Jones / Gus Kahn 3:13
7. There Is No Greater Love  Isham Jones / Marty Symes 4:04

Thad Jones (tp,flh)
Hank Jones (p,org)
Eddie Jones (b)
Elvin Jones (ds)

Produced by Leonard Feather

Recorded at Beltone Studios, NYC on March 24,1958


Keepin' Up With the Joneses
クリエーター情報なし
Polygram Records
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アダムスのロスでのライブの模様を知るにはこの一枚が・・・・

2012-06-13 | PEPPER ADAMS
Jazz City Presents Bethlehem Jazz Session

50年代の中頃、ジャズが一番元気のあった時代、ジャズの興隆に合わせてメジャーレーベルだけでなく、ジャズの専門レーベルも数多く生まれた。モードのように短期間で華々しく散ったレーベルもあれば、長く続いたレーベルもあり、それぞれがジャズの歴史の一部となっている。

東の代表格が、ブルーノート、プレスティッジとすると、西の代表はコンテンポラリー、パシフィックジャズといったところか。その中に東と西に拠点を構えたレーベルがあった。ベツレヘムレーベルだ。
とかく黒人中心のイースト、白人中心のウェストと分けがちであるが、このベツレヘムは両方がうまくミックスされた作品が多い。そして、インストだけでなくボーカル物も。
ウェストコーストの白人中心の演奏でも何か一味違った味付けを感じてしまうのは、このレーベルに「このミックス感の先入観」があるからかもしれない。

このベツレヘムから”Jazz City Presents・・”というオムニバスアルバムが出ている。
オムニバスというとすでにリリースされているアルバムからピックアップされたものが多いが、これは個別のセッションを集めた物。ライブなのでJazz Cityという名のクラブのライブだろう。

3つのセッションに分かれているが、3曲目がトロンボーンのハービーハーパー率いる“Swingers”のジャムセッション演奏だ。
このメンバーの中にペッパーアダムスがいる。
1956年から57年にかけてアダムスがロスに滞在している間の録音だ。
アダムスの記録(記憶)によると、この収録は3月。アダムスがクインシージョーンズボブキーンデイブペルハワードラムゼイ・・・・と連日録音に参加している中での演奏だ。アルバムの収録以外にも地元のクラブで連夜gigに参加していたようだが、その側面を知るにはこのアルバムの演奏しか残されていない。

ライブということもあり、ウェストコーストでの演奏だがアンサンブル中心ではなくソロメインの完全なジャムセッション。そのソロの一番バッターがアダムスの豪快で歯切れのいいソロだ。先頭打者がクリーンヒットを打つと後のメンバーも気が楽だ。その延長上で皆が“Swinger”ぶりを発揮する好演だ。

1曲目はトランペットのドンファガキストのストリングカルテットをバックにしたバラードプレー、2曲目はロソリーノとマリアーノが熱っぽいプレーを聴かせてくれる。

アルバムとして寄せ集め感があるのは否めないが、反対に「ウェストコーストでもこんなに熱い演奏のバリエーションがあるぞ」というベツレヘムのプレゼンテーションにはうってつけのアルバムだ。

1. Lady Be Good

Don Fagerquist (tp)
Rickey Mariano (vln)
Bill Kurasch (vln)  
Stan Harris (vla)
Fred Katz (cello)
Howard Roberts (g)
Bob Enevoldsen (b)
Don Heath (ds)

2. It Had To Be You

Russ Garcia(ldr)
Frank Rosolino(tb)
Charlie Mariano(as)
Lou Levy(p)
Max Bennett(b)
Lawrence Marable(ds)

Recorded at "Jazz City", Los Angeles, CA, June, 1957

3. I'm Glad There Is You

Don Fagerquist (tp)
Clora Bryant (tp)
Herbie Harper (tb)
Herb Geller (as)
Bill Perkins (ts)
Pepper Adams (bs)
Claude Williamson (p)
Curtis Counce (b)
Mel Lewis (ds)

Recorded at "Jazz City", Los Angeles, CA, 1957
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こんな感じでDUOをやればノリノリの気分で・・・・悪いわけがない

2011-10-01 | MY FAVORITE ALBUM
On the Road Again / Teresa Brewer & Stephane Grappelli


男にとって女性への憧れは「いい女」と「可愛い女」。人によって好みはあるとは思うが、彼女にするならまずはどちらかがクリアされていればとりあえず合格。
いい女というと、どうしてもお高く留まっていて取っ付き難い。こちらが多少下手に出ると、それに乗じてきつい物言いになることもある。特に、自分の経験では仕事のできる女性は男社会の中で張り合うためにかその傾向が強かった。もっとも最近ではあらゆる職場で女性の進出が当たり前になっているので、また雰囲気も変わっているかもしれないが。
本当は男を立てる凛々しい女性が「いい女」になる条件だと思うが。

反対に可愛い女性というのは、見かけだけでなく、仕草や話い方、性格すべて「可愛さ」を感じることがある。しかし、最近の女性は男っぽい女性が多く、なかなかお目にかかれない。変に男に媚を売ることを可愛いと勘違いしていることもある。
本当は男が可愛がりたくなるのが「可愛い女」だと思うのだが。
それぞれ、なかなか見つからないのに、この2つを兼ね備えた女性というのはめったに見つからない。まあ、「いい女」が可愛さを見せてくれるのは、余程親密にならないと無理な話なので、女性と深く付き合ってみないことには始まらない。中々そのような縁も無いので、しばらくは妄想の世界で「いい女」&「可愛い女」との出会いを楽しむことにしよう。

さて本題に戻って、先日はジョージシアリングとカーメンマクレーのduoを聴いて本物同士のガチンコ勝負を堪能した。男も女もなく2人のコラボレーションは最高だった。それに較べると、このアルバムはジャケットの写真から2人の仄々した感じが伝わってくる。「いい女」が「可愛い仕草」で、こんなキスをしてくれたら、どんな男だってデレデレになってしまう。もちろん、こんな顔になったグラッペリ叔父さんも、彼女の為には大サービス。エレキとアコースティックの2本のギターとベースを従えて、彼女の歌を全面的にサーポート。ドラムもピアノも無い弦のカルテットだが、実にスインギーに、そして軽快にバックを務めている。初顔合わせのレコーディングだったらしいが、2人のコンビネーションはピッタリ。どの曲の2、3回のリハーサルで、後は別録りせずに2人のコンビネーションをそのままに一発録音だったそうだ。もっともレコーディングエンジニアはコンコルドでお馴染みのフィルエドワード。あまり手を加えない自然な録音は大の得意にしているので、この人選も申し分ない。

では、この2人の出会いを企画したのは誰かというとプロデューサーのボブシール。あの有名なImpulse!レーベルのプロデューサーとして、コルトレーンからコールマンホーキンスまで幅広く手掛けたが、どのアルバムもじっくり練られたいい作品になっていた。インパルスを辞めた後は自分のレーベルを作って、引き続き自分の拘りでアルバム作りを続けていた。このアルバムも自分の所有するレーベルDoctor Jazzレーベルでの企画。
実は、このアルバムの片方の主役テレサ・ブリューアーは、当時ボブシールと結婚していた。という訳で、夫婦としてテレサのすべてを知っているボブシールが、自分の女房の良いところを引き出すため、白羽の矢が立って彼女に付き合わされたのがグラッペリだった。
「いい女」&「可愛い女」の代表格のようなテレサを自由に操れるボブシールは男冥利に尽きたであろう。

テレサブリューワーのヒット曲。


これと比較すると、このアルバムでは遥かに「いい女」の歌いっぷりになっている

1. On the Road Again
2. It Had to Be You
3. Come on and Drive Me Crazy
4. Smile
5. After You’ve Gone
6. I Love a Violin
7. Don’t Take Your Love From Me
8. Them There Eyes
9. As Time Goes By

Teresa Brewer (vocal)
Stephane Grappelli (Violin, Piano on smile)
Diz Disley (Acoustic Guitar)
Martin Taylor (Electric Guitar)
Jack Sewing (bass)

Produced by Bob Thiele
Engineer: Phil Edward
Recorded October 20&21, 1981, San Francisco, California
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昔は花形であったクラリネット。あまり聴かなくなったが・・・なかなかいいものだ。

2007-11-19 | MY FAVORITE ALBUM
Mean What You Say / The Eddie Daniels Quartet

ウディーハーマンはアルトも吹いたがメインはクラリネット。最後まで、クラリネットに対するこだわりは捨てなかった。クラリネットの伝承者の一人だった。

元々クラリネットはジャズの歴史の中では主役を演じていた。
1917年に録音された最初のジャズのレコードといわれる、オリジナルディキシーランドジャズバンドの演奏でもクラリネットは欠かすことのできない楽器。ジャズ発祥のニューオリンズジャズでもトランペットと並んで花形であり多くの名プレーヤーを生んだ。スイング時代に入っても、ベニーグッドマンを筆頭にクラリネットが主役であるのは変らなかった。
モダンジャズが流行り出した時に、ジョージルイスなどニューオリンズジャズを生み出した伝説のプレーヤーなどが次々と現役に復帰し元気に往年のプレーを再現したのだが。
しかし、クラリネットは何故かモダンジャズの世界ではマイナーな楽器になってしまった。トランペットがいつの世においてもジャズの世界では花形であり続けているのに対して皮肉なものだ。

モダンジャズでクラリネットを演ずる数少ないプレーヤーの一人にエディーダニエルスがいる。
若手と思っていたらいつのまにか60歳を超えベテランの仲間入りをしていた。
ダニエルスを初めて知ったのはサドジョーンズ&メルルイスオーケストラで。
ほぼ創設時のメンバーの一員だ。ベテラン揃いのメンバーの中に若手として参加していた。
サド・メルの最初の来日の時にも加わっていて、そのプレーをピットインで聴いたのをつい先日のように覚えている。サド・メルのサックスセクションはアンサンブルワークでクラリネットを多用するが、ソロをとる機会はなかったように記憶している。サドメルのテナーセクションは溌剌としたプレーをする若手を起用することが多かった。
そのダニエルスも、サドメルを離れて独自の活動を行うようになると、テナーよりもクラリネットをメインにするようになる。

このアルバムは比較的最近の録音。昔のサドメルの仲間であるハンクジョーンズとリチャードデイビス、それにケニーワシントンのドラムをバックにしたワンホーンでの演奏。
歳をとったせいか円熟味が増してはいるが、相変わらず元気な演奏を聴かせてくれる。

サドジョーンズの作品でサドメルのオーケストラでも有名なMean What You Sayから始まる。他のメンバーも昔良く一緒に演じた曲だ。綺麗な流れるようなこの曲にクラリネットは良く似合う。
続く、It Had to be You。先日、ハリーコーニックのアルバムを聴いて耳に心地よく残っている曲だ。ハーマンのアルバムでもこの曲をタイトルにしていた。この曲もクラリネットには相性がいい。
このアルバムでもクラリネットがメインであるが、My One and Only Loveではテナーに持ち替えている。コルトレーンの有名な演奏があるが、はたしてこれを意識したかどうか。図太い音というよりはゲッツの流れを汲むダニエルスのテナーにぴったりのバラードプレーだ。

晩秋の朝ひんやりしたすがすがしい空気を吸いながら、爽やかなダニエルスのクラリネットを聴いた。モダンなクラリネットもいいものだ。

1. Mean What You Say           Jones 6:24
2. It Had to Be You             Jones, Kahn 7:11
3. Passion Flower              Strayhorn 6:14
4. Nagasaki                  Dixon, Warren 2:49
5. My One and Only Love          Mellin, Wood 7:23
6. Why You...                   Daniels, Jones 3:01
7. Azure                     Ellington, Mills 6:55
8. The Touch of Your Lips         Noble 6:09
9. You and the Night and the Music   Dietz, Schwartz 5:27
10. I'm Getting Sentimental Over You  Bassman, Washington 6:46
11. My Little Suede Shoes         Parker 4:07
12. How Deep Is the Ocean?        Berlin 5:51

Eddie Daniels (cl,ts)
Richard Davis (b)
Hank Jones (p)
Kenny Washington (ds)

Recording Date May 2005

Mean What You Say
The Eddie Daniels Quartet
IPO Recordings

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秋を想い浮かべるアルバムジャケットは・・・・・?

2007-11-07 | MY FAVORITE ALBUM
When Harry Met Sally / Harry Connick Jr.

11月になり秋が大分深まって来た。
遅れ馳せながら冬物に衣替えをしなければ。クールビズでネクタイをしない癖がついてしまったが、最近では流石にネクタイを締めることが多い。だらしなく着る癖がついたが、やはりスーツはビシッと極めたいものだ。
毎週行くゴルフ場も、木々の葉がかなり色づき始め、芝生の緑が大分薄くなってきた。
ゴルフには絶好のシーズンだがあっという間に茶色一色の冬景色になってしまう。四季の変化を楽しめるのはいいが、最近は暑い期間が長くベストシーズンは短い。
先週末のゴルフは久々にいいゴルフができた。少し意欲がめげて最近はブログにゴルフの記事を書くこともなくなっていた。折を見てそろそろこちらも復活したいが、始めるとまた凝り性で深みに嵌りそうだ。

秋に似合うアルバムとなると、ジャケットが印象に残っているものが一枚ある。
ハリーコーニックの“When Harry Met Sally”。
CDになりレコードほどジャケットのデザインを鮮明に印象付けられることが少なくなったが、何故かこれだけは記憶にある。
映画の一シーンだろう、赤く紅葉した木々をバックにした写真が印象的だ。
コーニックが初めてグラミー賞をとったアルバム。映画のサントラではあるが、厳密にはアルバム用にコーニック中心にアレンジされたもの。

もともと、ニューオリンズ出身でピアノを小さい時から弾いていたコーニック。腕前の程は確かだ。それも、歌同様に古き良き伝統を引き継いだストライドピアノ。子供の頃は地元ニューオリンズでウィントンマルサリスの父親エリスにも手ほどきを受けたとか。

このアルバムでは、歌だけでなくピアノも主役だ。ソロあり、コンボあり、そしてオーケストラありで有名なスタンダードが並ぶ。
秋に因んだ有名曲の一つ、“Autumn in New York”は、ストレートな歌を期待したが、左手のリズムの効いたリズミックなピアノで料理している。

彼の飛躍にも繋がった一枚。今の時期に聴くことが多いアルバムだ。

IT HAD TO BE YOU を歌う映像はこちらで。

1. It Had To Be You (Big Band and Vocals)
2. Love Is Here To Stay
3. Stompin' At The Savoy
4. But Not For Me
5. Winter Wonderland
6. Don't Get Around Much Anymore
7. Autumn In New York
8. I Could Write A Book
9. Let's Call The Whole Thing Off
10. It Had To Be You (Trio Instrumental)
11. Where Or When

Harry Connick Jr. (Vocals,Piano)
Frank Wess (ts)
Jay Berliner (g)
Benjamin Jonah Wolfe (b)
Jeff “Tain” Watts (ds)
Big Band arranged and orchestrated by Marc Shalmon

Produced by Mark Shalman & Harry Connick Jr.
Recorded at RCA Studio B in New York City on June 6,12 & 19,1989

恋人たちの予感
ハリー・コニック Jr.,ベン・ウルフ,ジェフ・ワッツ,フランク・ウェス,ジェイ・バーリナー,マーク・シャイマン
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

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「久々に楽しい演奏ができたね」・・・・といった声が聞こえてきそう。

2007-10-31 | MY FAVORITE ALBUM
Ruby and Woody / I had to be us

ラフな格好でリラックスした表情の2人。
「同窓会で久々に会った2人のスナップ」のような何の飾り気もないジャケットの写真だ。
二人とも「好好爺」という言葉にピッタリである。

ビッグバンドの両雄といえば、ベイシーとエリントン。
長い歴史の中で色々な苦難があったが、この2つのオーケストラはレギュラーバンドとして生き続けた。
これに負けていないのがウディーハーマンのオーケストラだ。
ベイシー、エリントンは基本的に自己のスタイルを変えなかったが、ウディーハーマンはメンバーも常に若い新しいメンバーを登用し時代に合わせて変化し続けた。
バップの誕生に合わせるようにスタートした彼のオーケストラ。“Herd”という名前が象徴するように、群れとなってその時代の先端の流れに切り込んでいった。
70年代の始めには、流行ったブラスロック風のハーマンも聴くことが出来る。
そんなハーマンも40周年の記念コンサートを経て、70年代の終わりにはストレートな演奏に戻っていった。

色々と気苦労の多いいつものオーケストラの活動を離れ、普段着で何気ない演奏を。
このアルバムは、ジャケットの写真の印象どおり、そんなアルバムだ。
相手を務めたのは、ルビーブラフのコルネット。
筋金入りのスイング派だ。Concordの初期のアルバムにも登場している
ハーマンもここではクラリネットそしてボーカルで、それに合わせた演奏、そして歌を披露している。いつもは余興で一曲という感じであるが、ここではたっぷりとハーマンの歌を聴ける。
軽快なスイングのリズムに乗って、デビューした頃を思い出していたのかもしれない。
変な気負いもかければ、妙なブローも無い。
同窓会の流れで気の合った2人が、久々に昔を思い出して一丁やってみようかといったノリである。

ハーマンの晩年は、滞納していたバンドのメンバーの税金の支払いに追われていたとか。
必ずしも悠々自適な生活を送っていたのではなさそうだ。
どんなに苦労をしても、面と向かっては笑顔を絶やしたことが無かったといわれるハーマン。
ほっと一息ついた演奏に、これは本心からの笑みがこぼれてるのかもしれない。

東海岸のConcordともいえる“Chiaroscuro”。
なかなかアルバムを残している。

1. I Can't Believe That You're in Love With Me
2. Rose Room
3. Solitude
4. I Hadn't Anyone Till You
5. As Time Goes By
6. Sheik of Araby
7. It Had to Be You
8. There Is No Greater Love
9. Wave/Spain
10. I Cried for You
11. 'Deed I Do
12. Sheik of Araby, No. 2 [*]
13. Solitude, No. 2 [*]
14. It Had to Be You, No. 2 [*]
15. George Avakian Jazzspeak [*]

<Personnel>
Woody Herman (vocals, clarinet)
Ruby Braff (cornet)
John Bunch (piano)
Wayne Wright (guitar)
Michael Moore (bass)
Jake Hanna (drums)

Producer George Avakian

Engineer Jon Bates

Recorded in New York City,12&13,March,1980
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ハーマンオーケストラの卒業生がまた一人巣立っていった・・・・

2007-09-17 | MY FAVORITE ALBUM
ZOOT SIMS QUARTET

ウディーハーマンオーケストラには、いつの時代にも多くの若手ミュージシャンが去来し,
そしてそこから後に有名になるプレーヤー達が巣立っていった。ハーマンオーケストラは、若手がプロとして本格的なデビューするための登竜門のような様相を呈していたのだ。
セカンドハードでフォーブラザースを演じたスタンゲッツを筆頭にしたテナーの3人組も例外ではない。まさに後の時代のオールスターメンバーが、若き日に一緒に席を並べて在籍していたわけだ。もっとも、その頃当の本人たちは駆け出しの新人ばかり。まかさ将来自分達がその世界の第一人者になるとは誰もが思っていなかったかもしれない。

その中の一人にズートシムスがいた。
ベニーグッドマンに気に入られてグッドマンのバンドに加わったりしたが、ハーマンのバンドに加わったのは47年~49年。ちょうどこの間がセカンドハードの絶頂期でもあった。

代表的なジャズレーベルのひとつにPrestigeがある。数多くの名盤があるが、ハードバップの脂の乗り切った濃いジャズのイメージがある。ところがこのプレスティッジレーベルは、1949年の創立期には白人主体のクールなサウンドのジャズ録音も残している。
ハーマンを辞めたシムスは、再びグッドマンのヨーロッパのツアーにも参加し現地で録音も残した。これもプレスティッジに残されているが、帰国後このプレスティッジレーベルにアメリカで初録音したのがこのアルバム。

2つのセッションが含まれているが、アートブレーキーをバックにした演奏と、ハーマンオーケストラの盟友ドンラモンドをバックにした演奏である。
どちらのセッションでも、シムスのレスターの流れを汲むFour Brothers仕込みの軽快な演奏は若々しさの中にも早くもレスター派の後継者としての貫禄を感じる。

中でも特徴的なのは“ZOOT SWINGS THE BLUES”と”EAST OF THE SUN”の2曲の長尺の演奏。
まだこの時期はSPレコードの全盛期。一曲の録音時間は3分前後が多かった。ジャズは本来自由な演奏。演奏時間にも制約がないものだが物理的な制約はいかんともし難い。
録音用の演奏というものは、きっと普段の演奏の実態とは別の物であったのかもしれない。
LPレコードが世に出たのが1948年。この2曲はこの25センチLPで最初世に出たそうだ。
LPレコードの登場とともに一曲の時間の制約が広がったこと、そして録音のクオリティーが格段に良くなったことと、モダンジャズが興隆を極める時期はちょうど一致する。
やはりジャズの歴史にアナログレコードの歴史は切っても切れない縁がある。
CDもいいがアナログレコードがいつまでも人気があるのは、この歴史を背負っているからなのかもしれない。
このアルバムもけっして大作ではないが、その歴史の一ページであることは間違いない。

<Session1>
My Silent Love
Jane-O
Dancing In The Dark
Memories Of You

 Zoot Sims (ts)
 John Lewis (p)
 Curly Russell (b)
 Don Lamond (d)

  NYC, September 16, 1950

<Session2>
Trotting
It Had To Be You
Swingin' The Blues (aka Zoot Swings The Blues)
Zoot Swings The Blues (alt. take)
East Of The Sun
I Wonder Who

 Zoot Sims (ts)
 Harry Biss (p)
 Clyde Lombardi (b)
 Art Blakey (d)

  NYC, August 14, 1951
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もうひとつのオールアメリカンリズムセクション。

2007-05-18 | CONCORD
RHYTHM WILLIE / Herb Ellis & Freddie Green

オールアメリカンリズムセクションといえば、言わずと知れたカウントベーシーのリズムセクション。
そのキーマンは、ギターのフレディーグリーン。
生涯の大部分をベイシーバンドと共に過ごし、すべてをベイシーに捧げたと言っても過言ではない。
普段は裏方に徹していることもあり、彼の名を冠したアルバムはほとんど聞かない。

Concordレーベルは、設立当初からギタリストにこだわっていたが、10作目にして、このフレディーグリーンにも白羽の矢をたてた。
ひょっとして、フレディーのソロプレーでも聴けるのかと妙な期待を持って聞いたが、そのようなことは無かった。
いつもと同じ。フレディーのギターは普段どおり確実で完璧なリズムを刻んでいる。

ジャズのギターはクリスチャンの登場以降、ソロ楽器としての地位は確立していったが、リズム楽器としての役割は反対に低下していった。
もちろんバックに廻った時、ドキッとするようなリズムの使い方をするプレーは多いのだが、全編リズムに徹するとなるとフレディー以外はなかなか思い浮かばない。

フレディーの相棒となる今回のリズム隊は、コンコルドが誇るスイングコンビ。
レイブラウンとジェイクハナ。
これに、プレディグリーンが加わればリズムセクションは鬼に金棒だ。
本家、ベイシーのリズム隊に負けない、「オールアメリカンリズムチーム」が編成された。

そして、ピアノのロス・トンプキンス。
よくスイングするオールマイティーのピアニストだがConcordには初登場。
AL&ZOOTに加わっていたりしたが、70年代はロスでスタジオ入り。
この時もテレビのTonight Showの、Doc Severinsenのオーケストラにレギュラーで加わっていたそうだが、表舞台からは遠ざかっていた。

しかし、この機会を期に一線に復帰。その後、Concordに何枚もアルバムを残すようになる。Concordレーベルが、その後もこのように埋もれていたプレーヤーを再発掘した功績は大きい。
もしこのレーベルが無ければ、当時、西海岸のどこかで行われた話題にもならないような正統派の楽しいセッションを、今、このように聞くことはできなかったであろう。

そしてこの、リズム隊を引っ張るのは、初期のConcordレーベルのスター”Herb Ellis”。
これだけ役者が揃えばSwingしないわけが無い。
最後の、アップテンポでのOrange, Brown and Greenで、エリスのソロを支えるフレディーのリズムは圧巻。

究極のリズムギターだ。

1 .It Had to Be You  Kahn,Jones 4:05
2 .Rhythm Willie Ellis&Brown 5:52
3 .Gee Baby, Ain't I Good to You, Razaf, Redman 3:34
4 .Smooth One Goodman,  Christian 5:05
5 .When My Dreamboat Comes Home Friend,  Franklin 4:19
6 .Conversations ,    Ellis 4:03
7 .I Want a Little Girl Mencher, Moll 4:21
8 .Orange, Brown and Green Brown 5:38

Herb Ellis (g)
Freddie Green(g)
Ross Tompkins (p)
Ray Brown (b)
Jake Hanna (ds)

  Recorded in 1975
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