A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ジャズピアノを嗜む誰もがソロにチャレンジするが、モダンジャズの師も・・・・・・

2007-10-23 | MY FAVORITE ALBUM
THE GENIUS OF BUD POWELL

ピアノソロ。
ジャズでもクラシックでも、そしてポピュラーの世界でもピアニストが実力が一番試されるのがソロだろう。
メロディー、リズム、そしてアドリブ。すべて自分の10本の指で作り出さなくてはならない。
Concordに遅咲きのレコーディングデビューしたROSS TOMPKINSはいきなりソロでのデビューであった。

いきなりソロでデビューするピアニストも少ないが、何枚かのアルバムを作る中では必ずといってもいいほどソロアルバムを作る。ピアニストであれば一度はチャレンジしてみたい世界なのだろう。

モダンジャズピアノの父、バドパウエルもソロの演奏を残している。
そして、この演奏ほど「ピアノに向かってこれでもか!」といった雰囲気を感じ、プレーヤーの挑戦する姿を思い浮かぶことができるソロ演奏もめったにない。

元々、パウエルはリズムセクションの影が薄くなるほどグイグイと自分の世界で引っ張っていくタイプだ。テクニックがありながらレイブラウンという相棒とのコンビネーションを極めたピーターソン、ベースとドラムのコラボレーションを追い求めたビルエバンスと比較すると、パウエル世界はまたひとつ違う。

このアルバムの10曲中8曲がソロピアノである。
リズムセクション無しで自分の世界を思う存分に披露している。時期も絶頂期ともいえる50年代の初めの録音だ。
ライナーノーツの言葉を拾ってみる、躍動感、荘厳、美、幻想、特異・・・・という言葉が並ぶ。
それは曲に対する賛辞もあれば演奏もある。最初の5曲はオリジナル、後の5曲はスタンダード。持ちうるあらゆるテクニックを披露するが、珍しくストライド奏法を披露するのもソロならでは。

自分の曲であろうと、歌物であろうと、このパウエルのピアノが多くのピアニストにとってお手本になっていったのが覗える。
“TEA FOR TWO”, “HALLELUJAH”の2曲はレイブラウンとベースとバディーリッチが加わる。このリズム感と躍動感は圧巻だ。ソロの対極にあるようなベースとドラムのコンビネーションが聴ける。
ソロ中心のアルバムに、この2曲の圧倒する迫力がパウエルの真髄を語る。

Parisian Thoroughfare
Oblivion
Dusky 'n' Sandy
Hallucinations
The Fruit
The Last Time I Saw Paris
Just One Of Those Things
A Nightingale Sang In Berkeley Square

 Bud Powell (p)
  Recorded in NYC, February, 1951

Tea For Two
Hallelujah!

 Bud Powell (p)
 Ray Brown (b)
 Buddy Rich (d)
  Recorded in NYC, July 1, 1950



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