THE GEORGE BENSON COOKBOOK
大きくなるにしたがって名前を変えていく魚。代表的なものはブリ。
ブリの場合、関東地方ではワカシ、イナダ、ワラサ、ブリ、関西地方ではツバス、ハマチ、メジロ、ブリと地域によって名前も違う。最近では養殖物のブリをハマチともいうので、定義自体も時代とともに変わってきているようだ。
ジャズの世界では、長い音楽生活の中で演奏スタイルを微妙に変えながらプレーを進化させていくのが普通だ。この場合は、名前は変わらないが中身が微妙に,
時には大胆に変わっていくことになる。ある種の出世魚のように。
ところが、途中で大きく変身をするミュージシャンがたまにいる。この場合は、出世魚というよりは、さなぎから羽化をして全く別物に変身していく昆虫のようなものである。
プレーヤーからプロデューサーに転じた人物はたくさん居る。クインシージョーンズが代表格。
一方、プレーヤーとして最後まで活躍した例の代表格はマイルス。
他にも、ジャズからクラシックに転じたアンドレプレビン、ピアニストから歌手に転じたナットキングコール・・・・・・・・・。
そして、ギターとVOCALのジョージベンソンもその一人であろう。
CTIにWESの後釜に起用されてからは現在に至るまでその活躍ぶりは飛ぶ鳥を落とす勢いだが、果たしてその前はどうであったのか?
彼の出身はR&Bのバンド。
その経験を生かしてオルガンのジャック・マクダフのグループに参加したしたのがジャズの世界へのデビューだ。1962年のことである。
CBSに移籍したのが1966年。これもオルガンを加えた自己のグループで2枚目のアルバムだ。R&B出身のベンソンとしてはこのオルガンとギターのサウンドが好きだったのかもしれない。彼のプレーの原点はこの辺りにある。
R&Bのソウルフルなプレーを表現するのに、このオルガンとギターの組み合わせに勝るものはないと思う。
このグループのもうひとつの特徴はバリトンのロニーキューバ。ビッグバンドでも彼の名を時々見かける。彼のバリトンの豪快なプレーはこのバンドにピッタリなタイプだ。同じバリトンでも、ジェリーマリガンとは一味違う。
「Bayou」でのソロは圧巻。
さらに、トロンボーンのベニーグリーンのスムースなソロも低音域の魅力に花を添える。
世の中は丁度ジャズロックが流行りだした頃。4ビートもあれば8ビートもある。R&B譲りのサウンドには多少荒っぽいがベンソンのギターサウンドが良く似合う。一転して、「ボサロッカ」ではボサノバのリズムでベンソンのギタースタイルも自然とジャーパス風に。その後のソフィスティケイティッドされた彼のスタイルの一面もすでに顔を覗かせる。
ベンソン自作の曲も6曲。このアルバムでは、ギタープレーヤーとしてだけでなく作曲家としての才能もすでに十分に発揮している。
そして、肝心のボーカルは、スタンダードの「オールオブミー」。これも、その後の飛躍の片鱗を窺わせる。
この頃はまだギターのプレーが中心だが、マイルスとの共演を経て、CTIに移ってからは次のステージがスタート。
そして「ブリージン」のヒットでフュージョンの世界、そしてボーカルの世界の第一人者に大きく脱皮していった。
今、彼の経歴を辿ってみると、このCBS時代のアルバムがジャズの世界に踏み出した第2ステージだが、将来の可能性をこのアルバムでもすでに随所に感じさせる一枚だ。
変身の予兆であり、次なる脱皮に向けての兆しを。
1. Cooker Benson 4:18
2. Benny's Back Benson 4:10
3. Bossa Rocka Benson 4:20
4. All of Me Simons, Marks 2:04
5. Farm Boy 4:40
6. Benson's Rider Benson 5:35
7. Bayou 3:32
8. Borgia Stick Benson 2:40
9. Return of the Prodigal Son Ousley 2:38
10. Jumpin' With Symphony Sid Young 6:33
George Benson (g,vocal)
Ronnie Cuber(bs)
Bennie Green (tb)
Lonnie Smith (organ)
Jimmy Lovelace,Marion Booker(ds)
Produced by JOHN HAMMOND
Recorded on August 1, & October 19, 1966
大きくなるにしたがって名前を変えていく魚。代表的なものはブリ。
ブリの場合、関東地方ではワカシ、イナダ、ワラサ、ブリ、関西地方ではツバス、ハマチ、メジロ、ブリと地域によって名前も違う。最近では養殖物のブリをハマチともいうので、定義自体も時代とともに変わってきているようだ。
ジャズの世界では、長い音楽生活の中で演奏スタイルを微妙に変えながらプレーを進化させていくのが普通だ。この場合は、名前は変わらないが中身が微妙に,
時には大胆に変わっていくことになる。ある種の出世魚のように。
ところが、途中で大きく変身をするミュージシャンがたまにいる。この場合は、出世魚というよりは、さなぎから羽化をして全く別物に変身していく昆虫のようなものである。
プレーヤーからプロデューサーに転じた人物はたくさん居る。クインシージョーンズが代表格。
一方、プレーヤーとして最後まで活躍した例の代表格はマイルス。
他にも、ジャズからクラシックに転じたアンドレプレビン、ピアニストから歌手に転じたナットキングコール・・・・・・・・・。
そして、ギターとVOCALのジョージベンソンもその一人であろう。
CTIにWESの後釜に起用されてからは現在に至るまでその活躍ぶりは飛ぶ鳥を落とす勢いだが、果たしてその前はどうであったのか?
彼の出身はR&Bのバンド。
その経験を生かしてオルガンのジャック・マクダフのグループに参加したしたのがジャズの世界へのデビューだ。1962年のことである。
CBSに移籍したのが1966年。これもオルガンを加えた自己のグループで2枚目のアルバムだ。R&B出身のベンソンとしてはこのオルガンとギターのサウンドが好きだったのかもしれない。彼のプレーの原点はこの辺りにある。
R&Bのソウルフルなプレーを表現するのに、このオルガンとギターの組み合わせに勝るものはないと思う。
このグループのもうひとつの特徴はバリトンのロニーキューバ。ビッグバンドでも彼の名を時々見かける。彼のバリトンの豪快なプレーはこのバンドにピッタリなタイプだ。同じバリトンでも、ジェリーマリガンとは一味違う。
「Bayou」でのソロは圧巻。
さらに、トロンボーンのベニーグリーンのスムースなソロも低音域の魅力に花を添える。
世の中は丁度ジャズロックが流行りだした頃。4ビートもあれば8ビートもある。R&B譲りのサウンドには多少荒っぽいがベンソンのギターサウンドが良く似合う。一転して、「ボサロッカ」ではボサノバのリズムでベンソンのギタースタイルも自然とジャーパス風に。その後のソフィスティケイティッドされた彼のスタイルの一面もすでに顔を覗かせる。
ベンソン自作の曲も6曲。このアルバムでは、ギタープレーヤーとしてだけでなく作曲家としての才能もすでに十分に発揮している。
そして、肝心のボーカルは、スタンダードの「オールオブミー」。これも、その後の飛躍の片鱗を窺わせる。
この頃はまだギターのプレーが中心だが、マイルスとの共演を経て、CTIに移ってからは次のステージがスタート。
そして「ブリージン」のヒットでフュージョンの世界、そしてボーカルの世界の第一人者に大きく脱皮していった。
今、彼の経歴を辿ってみると、このCBS時代のアルバムがジャズの世界に踏み出した第2ステージだが、将来の可能性をこのアルバムでもすでに随所に感じさせる一枚だ。
変身の予兆であり、次なる脱皮に向けての兆しを。
1. Cooker Benson 4:18
2. Benny's Back Benson 4:10
3. Bossa Rocka Benson 4:20
4. All of Me Simons, Marks 2:04
5. Farm Boy 4:40
6. Benson's Rider Benson 5:35
7. Bayou 3:32
8. Borgia Stick Benson 2:40
9. Return of the Prodigal Son Ousley 2:38
10. Jumpin' With Symphony Sid Young 6:33
George Benson (g,vocal)
Ronnie Cuber(bs)
Bennie Green (tb)
Lonnie Smith (organ)
Jimmy Lovelace,Marion Booker(ds)
Produced by JOHN HAMMOND
Recorded on August 1, & October 19, 1966