A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

亡きエリントンに捧げるアルバムに、多くの仲間が集まり・・・・

2007-10-20 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Ellington Is Forever, Vol. 1 / KENNY BURRELL

エリントンが亡くなったのは1974年。自分が社会人になった年だ。
エリントンは偉大なビッグバンドリーダーだが、一方で偉大な作曲家の一人でもある。
もちろん曲の多くは自分のオーケストラで演奏しているが、エリントンの曲が演奏されることは多い。それも、フルバンドではなく、コンボやソロ、そしてボーカルでも。ジャズを演奏する人であれば誰でも一曲はエリントンの曲をレパートリーに加えているだろう。
ジャズのアルバムの中にも、新旧を問わずエリントンメドレーや、ソングブックも数多くある。ギターのケニーバレルも、エリントンの死後翌年にエリントンに捧げたアルバムを作っている。

エリントンの好んだギタリストはケニーバレルとのこと。エリントンに心酔していて相思相愛の関係のあったバレルの2枚組みの追悼盤。これだけでも意気込みの違いが感じられる。
そもそもは、ピアノのジミージョーンズとこのアルバムの企画が作られたらしい。
そして、ジミースミスが集まり・・・。
そこに、たまたま近くでコンサートを行っていたサド&メルのオーケストラのメンバーが、噂を聞きつけてスタジオに駆けつけた。彼らも、ただ見ているだけではいられなくなったのであろう。
御大のサドジョーンズだけでなく、他のメンバーも次々とセッションに加わる。あっという間に12人編成のバンドが出来上がる。
サド・メルのメンバーも時に仲間内でアルバム作りを行っていたが、こんなセッションにも参加していた。

セッションのスタートを宣言するかのように、バレルのソロで始まる。
続いて、お馴染みのキャラバン。メルルイスもパーカッションで参加。リズミカルなテンポに乗ってサドジョーンズ、スヌーキーヤング、そしてジョンファディスのトランペットが持ち味を生かす。ジミースミスのオルガンも絶妙のソロでありバックを務める。次々に続くエリントンサウンド。そして、ヴォーカルのアーニーアンドリュースが加わり。最後は、エリントンメドレーを皆でブルースを素材に、サドとケニーのDUOに。サドのバラードプレーの真骨頂が聴ける。最後はエリントンのテーマソングのA列車をジミージョーンズのソロで締めくくる。全体の構成も素晴らしい。
サド・メルの参加も突然だったのかどうか分からないいが、こんな素晴らしいアルバムに仕立て上げたプロデューサーとしてのバレルの手腕もたいしたものだ。

単なるジャムセッションではない。参加した面々が、エリントンに対して自分の想いを伝えようとするが如くのショーケースが続く。エリントンコンテストのような様相だ。
ジャズを愛する者が集まれば、誰もが知っているスタンダードとして、そして自分のエリントンに対する想いを込めて演奏できる曲。エリントンはそんな曲をたくさん残した。
エリントンオーケストラは不滅だが、作曲家としてのエリントンも永遠に忘れ去られることは無いであろう。

1. Jump for Joy                   Ellington, Webster, Kuller 1:48
2. Caravan                     Mills, Ellington, Tizol 8:38
3. Chelsea Bridge                  Strayhorn 4:37
4. Mood Indigo                   Mills, Bigard, Ellington 4:33
5. Don't Get Around Much Anymore        Ellington, Russell 3:15
6. C Jam Blues                    Bigard, Ellington 15:31
7. It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)  Mills, Ellington 9:34
8. I Didn't Know About You             Ellington, Russell 5:11
9. My Little Brown Book             Strayhorn 3:28
10. Blues Medley:
  Carnegie Blues
  Rocks in My Bed
  Jeep's Blues
  The Creole Love Call
                       Hodges, Jackson, Miley, Ellington 10:26
11. Do Nothin' Till You Hear from Me       Ellington, Russell 2:53
12. Take the "A" Train                Strayhorn 2:57

<Personnel>
Kenny Burrell (guitar)
Ernie Andrews (vocals)
Jerome Richardson (soprano & tenor saxophones)
Joe Henderson (tenor saxophone)
Jon Faddis (trumpet, piccolo trumpet)
Snooky Young (trumpet)
Thad Jones (cornet, flugelhorn)
Jimmy Jones (piano)
Jimmy Smith (organ)
Stanley Gilbert (bass)
Jimmie Smith (drums)
Mel Lewis, Richie Goldberg (percussion).

Recorded at Fantasy Studios, Berkeley, California on February 4 & 5, 1975.
Includes liner notes by Patricia Willard and Kenny Burrell.


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