A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

6年ぶりの一本の電話が、クインシーに新しい人生のスタートを・・・・・

2007-10-11 | MY FAVORITE ALBUM
It Might As Well Be Swing / Frank Sinatra & Count Basie Orchestra

1964年当時マーキュリーレコードの副社長を務めていたクインシーは、会社では「売れるアルバム作り」を求められていた。その結果、自らのビッグバンドを含めてだんだんジャズアルバムの制作からは遠ざかっていってしまう。
アレンジャーとしての仕事は相変わらず多忙を極め、歌手のバックだけではなく、映画のサウンドトラックへの取り組みも始めた頃だ。初期の作品「質屋(THE PAWNBROKER)」のスコアと取り組んでいたのもこの頃である。

そんなQuincyに大物歌手から突然編曲の依頼の電話が入る。フランクシナトラからである。この電話がその後のクインシーの人生を大きく変えることになったと自伝に記されている。
起用するオーケストラはカウントベイシー。クインシー自身も、かって在籍し編曲を提供した古巣のオーケストラだ。シナトラとベイシーの共演は、その前にも一枚あるがそのアレンジを担当したはNiel Hefti.。クインシーにとってはベイシーとクインシーは今回が始めての組み合わせであった。

ちょうどハワイで映画の新作を撮影中だったシナトラからの直々の呼び出しに応じ、クインシーはこのアルバムの制作の構想にとりかかったそうだ。
缶詰状態でスコアを仕上げたらしいが、シンプルに良く決まったアレンジだ。ベイシーのピアノも随所に散りばめられ、アクセントの効いたアンサンブルはさすがベイシーでありクインシーだ。ハリーエディソンのトランペットのオブリガードも彼ならではの絶妙さだ。さらにストリングスも曲によって加わっているが、あまり大げさになることもなくその効果も実にツボを得たアレンジである。
シナトラもこの出来に気を良くしたのか、ベイシーとクインシーを大変気に入る。その後、ラスベガスのサンズホテルのショーにこの組み合わせで出演することになる。
クインシーにとっても飛躍のきっかけとなる一枚のアルバムになった。

自分にとっても、ビッグバンドが好きになりはじめた頃、エリントンやベイシーの比較的新しいアルバムを買い求めた頃に入手した思い出深い一枚ではあるが。
クインシーの音楽生活の中の節目の一枚であったことは最近知った次第。

1. Fly Me To The Moon (In Other Words)
2. I Wish You Love
3. I Believe In You
4. More (Theme From "Mondo Cane")
5. I Can't Stop Loving You
6. Hello Dolly!
7. I Wanna Be Around
8. Best Is Yet To Come, The
9. Good Life, The
10. Wives And Lovers

<Personnel>

Frank Sinatra (vocals)
Count Basie (piano)
Quincy Jones (conductor)
Frank Foster, Charles Fowlkes, Marshal Royal, Frank Wess, Eric Dixon (reeds)
Al Porcino, Don Rader, Wallace Davenport, Al Aarons, George Cohn, Harry "Sweets" Edison (trumpets)
Henry Coker, Grover Mitchell, Bill Hughes, Henderson Chambers, Kenny Shroyer (trombones)
Emil Richards (vibes)
Freddie Green (guitar)
George Catlett (bass)
Sonny Payne (drums).

Gerald Vinci, Israel Baker, Jacques Gasselin, Thelma Beach Bonnie Douglas, Marshall Sosson, Erno Neufeld, Lou Raderman, Paul Sure, James Getzoff (violins)
Virginia Majewski, Paul Robyn, Alvin Dinkin, Stu Harris (violas)
Edgar Lustgarten, Ann Goodman (cellos)

arranger/conductor Quincy Jones

Producer Sonny Burke
Recorded in LA Jun 9, 1964 (on 1,3,7,8)
Jun 10, 1964 (on 2,6,9)
Jun 12, 1964 (on 4,5,10)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする