A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

コーラスを離れておしとやかな一面を・・・・・

2007-10-16 | MY FAVORITE ALBUM
ANNIE ROSS sings A HANDFUL OF SONGS

いつもコンビやグループを組んで活動しているメンバーが突然ソロ活動を始めた時、何か違和感を感じる反面、新たな発見をすることがある。
グループ自体が特色あるものだと、余計にその違いの度合いは大きくなる。よく言われたのが、MJQのミルトジャクション。
L・H&Rが売りにしていたボーカリースは、自由度がありそうでも所詮作られたもの。自然にメンバーの個性もそのグループの役割の中で決まってきてしまった。

62年、L・H&Rを退団したアーニーロスはイギリスに戻ることになる。健康上の理由もあったらしいが、メンバー間でのストレスもあったようだ。
元々イギリス生まれの彼女であったが、3歳のときにはすでにアメリカに、そしてプロの歌手としての活動はまたヨーロッパに戻ってという経歴の持ち主だ。
1953年クインシーやクリフォードブラウンが加わったあのライオネルハンプトンのオーケストラにも同行して、ヨーロッパを一緒に巡演したそうだ。その後、パリでジェームスムーディーと共演するなど、ヨーロッパで活動を続けながらボーカリストとしての彼女が育っていった。
再度アメリカに渡り、ボーカリーズの元祖の一人キングプレジャーと共演する。これがボーカリーズに目覚めた一因かも。彼女は、L・H&Rの活動中もソロアルバムを何枚か残しているが、コーラスの時と何か違った一面を感じさせる。

イギリスに戻った彼女は、コーラスではなくソロアルバムを残している。
いつもの聞きなれたボーカリーズとは異なり、オーケストラをバックにした正統派のボーカルだ。いつもの高音のトランペットを担当するような「とんがった」歌唱法は影を潜め穏やかな歌い方だ。曲も、今まで彼女が録音したことが無い曲が選ばれている、新旧の名作を取り揃えた唄物である。まさに両手に一杯の名曲揃いだ。
いつものコーラスを聴きなれた耳には、おしとやかな彼女の一面を楽しめるアルバムである。FLY ME TO THE MOONも最近聴いたシナトラと較べるとスローテンポでじっくり聞かせる。
その彼女もすでに70歳の後半。まだ元気に活躍しているらしいがこの秋には来日するらしい。まだ、ライブは聴いたことがない。
元気なうちに一度は聴いておいた方がいいのかもしれない。

1. Handful of Songs         Pratt, Steele, Bart, Maurice 2:31
2. All of You             Chappel, Porter 2:41
3. Fly Me to the Moon        Almanac, Howard 3:09
4. Nature Boy            E.H. Morris & Co. Inc., Ahbez 2:40
5. What's New?           Wilmark, Haggart, Burke 4:08
6. Love for Sale           T.B. Harms Co., Porter 4:20
7. Lot of Livin' to Do        E.H. Morris & Co. Inc., Strouse, Adams 2:05
8. Let Me Love You          Leeds Music Corp, Howard 2:55
9, All the Things You Are       Chappell, Kern, Hammerstein 3:02
10. I'm Gonna Go Fishin'       Comstock Music, Lee, Ellington 3:12
11. Like Someone in Love       Buzvan Music, Burke, VanHeusen 3:29
12. Limehouse Blues         T.B. Harms Co., Braham, Furber 2:46

Annie Ross (vocal)
ARRANGED and Conducted by Johnnie Spence
Produced by John Barry
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