A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

デビュー曲の思い出を胸に正統派のギタープレーのすべてを・・・・・・

2007-10-09 | CONCORD
TIN TIN DEO / KENNY BURRELL

Bop誕生の洗礼を受け、それ以来最もコンスタントに演奏し続けているプレーヤーは誰であろうか?
この時代を支えたほとんどのプレーヤーはすでに他界してしまったが。その中で今でも元気に活躍し続けているのがギターのケニーバレル。彼のディスコグラフィーを見るとリーダーアルバムだけでも50年代半ばから現在に至るまで途切れることなく作られている。伴奏で付き合ったアルバムを入れたら何枚あるであろうか。
彼のギターはちょっと聞いただけだとソフトで派手さがない感じがするもだが。ブルースであろうと、唄物であろうと、ラテンだろうと、ボサノバであろうとオールマイーティーだ。そのスタイルもデビュー当時から現在に至るまで大きく変わることなない。

デュークエリントンが一番好んだギタリストはこのケニーバレルだといわれている。しかし、エリントンオーケストラにギターが入ることはなかった。エリントンとバレルの共演はコンボでも実現しなかったように思う。
反対にバレルはエリントンの曲を良く好んで演奏した。この2人の関係は、何か不思議な縁があるようだ。周りの変化に影響されることなく、自分の信念の元ジャズの真ん中を生き続けている。お互いワン&オンリーのミュージシャンなのだろう。

そのケニーバレルがConcordレーベルにも登場した。1977年のことだ。
彼の尊敬するデュークエリントンが亡くなったのが1974年。その後エリントンに捧げたアルバムを2回作った。ちょうどその間に挟まれるように何故かConcordにアルバムを一枚残したのだ。
アルバムタイトルは“TIN TIN DEO”。
これは彼が19歳のときに始めてガレスピーのコンボで吹き込んだ曲だ。ガレスピーがオーケストラの迫力をコンボ編成で実現しようと自己のレーベルを作って取り組んだ時の演奏だ。

今回のアルバムはじっくりと彼のギターを聞かせるアルバムづくり。ピアノも管もない。ベースとドラムだけのトリオ編成。
エリントンの曲は一曲も無い。反対に彼のギタープレーのすべてをエリントンに捧げた一枚かもしれない。

ブルースあり、バラードあり、そしてマンボのリズムもありと、オールマイティーぶりを発揮している。ベースとドラムの相性もバレルにぴったりだ。
カールバーネットのドラムのチューニングも少し乾いた感じでギタートリオには良く似合う。"IHadn’t Anyone Till You"でのブラッシュワークの掛け合いはどこかベイシーの十八番の"Cute"を思い起こす。

ギタリストにとって何故か落ち着いて自分のプレーに没頭できる場所。あまり売らんが為の企画を押し付けられる訳でもない。レコーディングだからといって身構える必要もない。普段着のまま、いつものように自分の好きな曲を自分のスタイルでプレーすればいい。それがコンコルドだったのだろう。

最近の、バレルの様子はこちらで。なんとTake the a trainの歌も聴ける。

1. Tin Tin Deo
2. Old Folks
3. Have You Met Miss Jones
4. I Remenber You
5. The Common Ground
6. If You Could See Me Now
7. I Had’t Anyone Till You
8. La Pette Mambo

Kenny Burrell (g)
Reggie Johnson (b)
Carl Burnett (ds)

Recorded in 1977
Originally released on Concord CJ-45




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