A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

新しいものにチャレンジするのは「年寄りの冷や水?」

2007-03-26 | MY FAVORITE ALBUM
CLOSER TO THE SOURCE / DIZZY GILLESPIE

ベテランが、若手や新しいサウンドに挑戦しても、お互いによほどしっくり来ないとなかなかいい結果を生まない。もっとも、マイルスやクインシーのように、常に自分から新しいサウンドを追求すると若手といえども頭が上がらないのだが。

ガレスピーも、若い時は自ら先頭をきって“BOP MOVEMENT”を起こした。その後も自分のバンドで若手を数多く育ててきたし、積極性、後輩の育成と協調性は2重丸だ。
しかし、自分のプレー自体はあまり大きく変えてはこなかった。
ラテン音楽などには積極的に取り組んできたガレスピーだが、ロックとか、フュージョンが台頭してきた時どうするのか。興味はあったが、結果的には相変わらずJAZZの王道の上でプレー。
ガレスピーはいつまでたってもガレスピー。それはそれでいいと思う。

ところが1984年、ガレスピーが66歳になってから、突然、スティービーワンダーを始めとしたフュージョン系の若手との競演アルバムを作った。
それも曲ごとにバックのミュージシャンを微妙に変えて、時間をかけてじっくり作られた、贅沢なアルバムを。

ガレスピーが若手のbop推進の急先鋒だった時、スイング派の代表選手で若手達と一緒にチャレンジしたのはコールマンホーキンズだった。40年近くたって、今度は立場が逆転。ガレスピーの若者への挑戦だった。

世の常としてこの手の企画には賛否は色々あるとは思うが。自分としては何の違和感も無く聴くことができた。
“今”風のフュージョンサウンドにガレスピーのトランペットがうまく溶け込んでいるのだ。何事もチャレンジすることの勇気と意欲が大事だと思う。結果はついてくるものだ。

特に、ジャズロックの初期と違って、この頃になるとフュージョンの音作りもこなれてきている。曲想に合わせて多様なサウンドを作ることができるようになっていた。
そういう点では、バックの“音作り”はさすが一流どころが揃っているので完璧だ。

ガレスピーにとっては、今までまったく経験しなかった、”違う水の中“を泳ぐようなもの。いつもは先頭に立っているのに、いつもより遠慮がちのガレスピー。ちょっと勝手は違っても、けっして「冷や水」を浴びたわけではなかった。バックの面々ガレスピーの良さを引き出すように暖かくプレーをしているのが感じられる。
セッションも何日かに分かれているが、後半になるとガレスピーのプレーにも余裕が出てきたように感じるのは気のせいだろうか。とはいうものの、いつものおおらかさはまだ感じられない。そう思うと、続編があっても面白かったかも。

GOOD IT BE YOU
Dizzy Gillespie (tp)
Marcus Miller (b,syn.)
Hiram Bullock(g)
Barry Eastmond (key)
Buddy Williams (ds)
Mino Cinelu (perc)
August 25, 1984

IT’S TIME FOR LOVE
Dizzy Gillespie (tp)
Branford Marsris (ts)
Kenny Kirkland (key)
Thom Barney (b)
Tony Cintron Jr. (ds)
September 1, 1984

CLOSER TO THE SOURCE
Dizzy Gillespie (tp)
Stevie Wonder (harm,syn)
Angel Rogers(vo)
Thom Barney (b)
Buddy Williams(ds)
Mino Cinelu(perc)
August 30,1984

YOU’R NO.1-IN MY BOOK
Dizzy Gillspie (tp)
Kenny Kirkland (key)
Thom Barney (b)
Tony Cintron (ds)
September 1, 1984

ICED TEA
Dizzy Gillespie (tp)
Sonny Fortune (as)
Hiram Bullock (g)
Kenny Kirkland (Key)
Thom Barney (b)
Buddy Williams (ds)
Mino Cinelu (perc)
  August 24, 1984

JUST BEFORE DAWN
Dizzy Gillespie (tp)
Angel Rogers (vo)
Kenny Kirkland (p)
Thom Barney (b)
Tony Cintran Jr.
  September 4, 1984 

TEXYURES
Dizzy Gillespie (tp)
Hiram Bullock (g)
Barry Eastmond (key)
Thom Barney (b)
Buddy Williams (ds)
Marty Bracey (perc)
  August 27, 1984

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2 コメント

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初めまして。 (cocoa tea)
2007-03-27 21:26:18
ご来訪、ありがとうございました!

Dizzyのこのアルバム、良く聴いていました。
全盛期に比べると、
音色はずいぶんと変化していますが、
演奏を常に楽しむDizzyの、
温かい気持ちが伝わってくるアルバムだと思います。
K.Kirkland のハービーばりのsoloも大好きです。

BigBand、特にHornのアンサンブルが大好きです。
ピアノでは出せない音、うねり、厚み、
ゾクゾクします。
最近のアルバムが多いですが、
また遊びに来てくださいネ。
返信する
来訪ありがとうございます。 (YAN)
2007-03-27 22:25:57
はじめまして。
昔のLPとかCDを「たな卸し」がてら、マイペースでやっています。
BIGBAND好きの方はあまりいらっしゃらないようなので、今後ともよろしくお願いします。
少し中身は古めですが。
返信する

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