悲しく喋る。笑いながら喋る。怒った時は大声になる。人間の言葉は感情に支配されている。声の強弱だけでなく顔の表情も感情を表す。そればかりでなく立ち姿すら感情に表れる。舞台では演技術として一定のルールはあるものの、絶対はない。・・・私は舞台での表現は感情を説明したり物語りを伝えるだけではもの足りないと思っている一人です。心のひだは単純ではなく複雑怪奇なものだと思っている。日常では表れにくい「狂気の沙汰」を拡大する場。日常の感情を裏返すことで、つまり非日常の中に人間の本音を出そうとこだわりを持っている。
次回公演「かぐや」では、人間だけでなく内部に棲みついている怪物を表したい!・・・言ってしまった。「ひひひ」の狂笑オンパレードです。
「台詞の時代」はとうに終わっている!台詞は演劇の一部でしかないのです。物語りは肉体で作りかえられる。肉体の中に物語りはある。だから、役者は存在する。舞台が生きているか死んでいるか、ここに全てを集中する。「覚える」ことから「作る」ことへ転換する場が演劇である。
■12月3日(金)熊本市亀井公民館
「かぐや」【32】稽古
今日は公演会場である熊本市現代美術館アートロフトにクドシンとマシマンが潜入してきた。他劇団の仕込みに立ち会ってきたのである。ここで問題発覚。アジャパア。照明吊りバトンに計算違いを発見する。速攻、舞台図面の変更である。・・・会場はフリースペースとしてあり劇場の概念では通用しない。臨機応変!これが広がる。
稽古では一部にこだわる。豹変する各個人が見えてこない。もう少し、あと一押し!そのきっかけを探す。とりわけ、通称、妖怪五人衆に目を配って稽古は進めている。24才~26才の若きエースたち!いきなり海老蔵を超えるチャンスがやって来たーア。睨み、ひ~!・・・正座する。
■役者Do宝シリーズNo.2
本田浩隆(ほんだひろたか)俳優・演技指導
もう古株になった。今回は不思議な登場をする。天国の番人の役。男か女か、モノセックスな存在。言いかえれば三輪明宏さんである。色で例えれば紫。生物で例えれば発光クラゲ。独身。お嫁さん募集中。人格は劇団で保障。趣味、生け花。
南阿蘇のホテルフロントマンとして働いている。劇団では温泉の入浴券(800円)を彼から頂いて好きな時に無料で入浴する。ニューヨークより入浴(ニュウヨク)よねえ。チケットを買って下さった方の中には、この無料入浴券を賄賂として配布することもあります。ひひひ。