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山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

凸凹OK

2008-11-14 23:40:53 | モノローグ【エトセトラ】
 小劇場だからと言って小さくまとめようとは思わない。今日のこころの色は赤だ。燃える夕焼け。 

 今日は午後から村上精一と俵山(西原村:卓さんの倉庫)に行く。次回公演で使う照明器具、木材、カーペットなどを事務所へ運ぶ。
 快晴である。南阿蘇へ向かう道中、このコースは観光気分に浸れる。県外から来られる友人やお客さんには空港へ送りに行く途中、必ずと言って良いほどこのコースから南阿蘇を案内する。時間に余裕があれば温泉にも入る。
 仕事で走る時も、このコースは快適である。走っているだけで幸せになれるところ。

 さて、夜の稽古。中盤の場面を細かくあたることができた。
 田中幸太とクドシンの凸凹コンビに危険が見える。事件(危険)を解説するところが劇になり難いが、ここをクリアーできれば面白い世界が広がる。苦労は今。一本筋を通しておこう。熱狂の裏側には冷狂がある。二つを使い分ければかっこよくなる。とりわけ冷狂!大人になれる。大人の役だ。
 咲希と優香ちん。彼女たちも凸凹である。肯定する。
 凸凹のコンビネーションが劇団夢桟敷の特徴でもあり、ミスマッチがはまれば大きな器にみえる。役者が劇を作るものだと心底思う。

 明日の午前中は笠戸丸制作会議、午後から笠戸丸稽古、夜が夢桟敷稽古。ぱんぱんである。

かわいがり稽古

2008-11-13 23:27:15 | モノローグ【エトセトラ】


 稽古はなまもの。・・・言ってはならぬことまで言ってしまうことがある。
 「おまえ、足が短いのだから、うんぬん。」「その顔はなんだ、うんぬん。」「オーラがない、うんぬん。」・・・理不尽である。
 追い詰めているのに笑ってしまう。息だけは密着している。
 なんだかんだと、劇の形は見えてきた。
 ところで、各人各様の演出ができるようになっていた。それぞれの得意とするところは見えている。
 
 「信頼、この字だけがこころに広がる。」(無茶の工事、種やす)

一番大切なもの

2008-11-12 23:32:46 | モノローグ【エトセトラ】
 祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり。娑羅雙樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。

 最近、持っているものを人にあげる癖がついた。
 考えてみれば、汗水たらして働いて得たものではない。人の施しで得た富である。・・・劇団員たちから「デーサービスに行きなさい。」とよく言われます。
 ■
 次回公演「夢の下張り」では卓草四郎(58)が「金ならナンボーでもある!」と客席に一万円札をばら撒きます。
 命だけはお助けください。

田母神!

2008-11-11 23:45:30 | モノローグ【エトセトラ】
 脇目もふらず演劇に集中しておりますが、今日はちょっと一服します。・・・微熱と鼻汁が出ています。風邪にはパブロン。この手の薬を飲むと軽く酔った気分になる。安上がりで酔い。
 
 ☆ 
 自衛隊(軍)も幹部が本音を言ったようで、・・・。
 本人は全く事の重大さを理解していない。国際感覚と歴史認識ゼロなんだなぁ。
 本人とは田母神のこと。俊雄ちゃん、子どもの頃から反省したことがないのだろう。
 自民も「気持ちはわかる。」と言っている。国民の過半数もそんなもんだろう。
 
 青年劇場の瓜生先生も「オールドバンチ」で言っていた。「あったことはあったんだ。それをなかったことにするのはおかしい。」・・・戦争の話である。
 
 歴史認識に自虐的とは何だろう。歴史から「戦争」を学ぶ。学ぶ気持ちがなければ何回も同じ事を繰り返すだけだ。恐ろしい気運を感じる。
 
 ☆☆
 私の住んでいる自宅事務所の目と鼻の先には陸上自衛隊八師団がある。クーデターでも起こったら自衛隊に突っ込む。絶対に軍事政権は認めません。過去から学ぶ。ドンキホーテと言われても!・・・注)ショップのドンキーとは関係なし。
 
 ☆☆☆
 こら、何人もの田母神たち!
 俺に政治を語らせるな。怖いことになるぜ。
 もっと怖いのは次回公演「夢の下張り~梅川事件'79」である。
 怖さに「情」なる虚構を企てた。劇だ。夢がへばりつく。

和太鼓と劇

2008-11-09 23:28:29 | unit劇団「笠戸丸」


 田中幸太、石崎優香と私の三人で星のまつり「全九州和太鼓フェスティバル」(福岡県・星野村)に行く。
 
 イベント会場である星野村は盛り上がっていた。会場では優香ちゃんのお父さん、横溝さん(太鼓の先生)が待ってくれていた。山奥にある星野村は九州各県からの来場者も多く、このイベントが村を上げての取り組みであることがわかる。
 「和太鼓」の人気に圧倒された。
 屋台の肉うどん、やまめの塩焼き、ブルーベリーのジュースの美味しいこと。横溝さんは美味しそうに濁り酒を飲む。う~、ワン!と吠えたくなる。人が美味しそうに飲む表情を見るのも幸せな気分。
 
 次回の劇団笠戸丸ブラジル公演では和太鼓とタップダンスのセッション、音の見せ場としてパーカッションを生で劇へ導入する予定。
 注)デーサービスと思われないようにしなければ!←禁句である。
 今日のフェスティバルでは演奏者の見せる形を目に焼き付けてきた。単純に言うと、「和太鼓はかっこいい!」のである。音波が内臓まで響く。
 太鼓を叩く役者=田中幸太を想像した。
 今のメンバーたちを絵になるようにしなければ!

 夕方の5時からの稽古に1時間遅れて3人は稽古場に着く。
 タップでメンバーたちは汗を流していた。
 私は未来完成された場面を想定して部分を見つめる。太鼓パフォーマンスをタップと融合させる方法はあるのか。一歩ずつ演出方針が固まる。今はバラバラに見えるが、劇の焦点が浮き彫りにされれば音と身体は統一されるだろう。

=ご案内①=

2008-11-06 23:23:19 | 「夢の下張り~」vol.50
公演ご案内
旗揚げ30年企画(第一弾)
劇団夢桟敷 第50回公演
「夢の下張り~梅川事件'79」

【時】11月26日(水)/11月27日(木)/11月28日(金)●夜8時開場開演
11月29日(土)●昼3時~(パーティーのみ実施!!)
【場】Jaran Jaran【地下特設劇場】熊本交通センター裏

 早いもので劇団夢桟敷(旧名:劇団ブラックホール/1979-1984 in 東京)は30年目に入りました。
 これまでに10周年、20周年もあったのだろうが、まったく意識したことがなかった。振り返ってみれば、もう十年、二十年やってきたのか・・・それで良かったのだ。
 30周年?・・・時間の長さと日々追われた劇作りに狼狽している。・・・地域(熊本)では「はぐれ雲」のような演劇集団になっていたように思う。それは「アングラ劇」あるいは「新劇批判」なる小劇場の運動として劇団を主張してきたからだろう。・・・時は流れている。演劇は進化してきたのだろうか。
 この機会に、30年前の旗揚げ台本を使って公演してみようと思った。劇団としての初志=原点だからだ。メンバーは何度も入れ替わり立ち代り、いつまでも若き俳優たちに囲まれていた。世代交代はこの期間で3回4回。旗揚げからの生き残りは座長の夢現と山南のみ。
 30年で、この劇団に入団してきた者は百人以上になる。時間の長さに関係なく一定期間は演劇を共有した者たち。そして、協力者や観客として関わってきた人々は如何ほどいるのだろうか。
 それを想うと、この小劇団が気の遠くなるような数の人々との関わりがあったことを痛感する。



 昔の台本を読み返すと「恐ろしいことをやったもんだ。」と震えた。それは、30年前に私(山南)が書いた「四畳半夢の下張り~梅川の死のような微笑み」である。上演は1979年11月(東京)/12月(熊本)。私と夢現のふたり芝居。・・・全面的にアジテーションだった。観客を監禁状態にした。つまり、「ここから一歩も出てはならぬ!」と脅迫した。役者は犯人であり、観客を人質としていた。役者による独裁を劇で表現しようとした。
 「発想が幼稚だった」と今思えば反省しきりである。演劇は「そんなに甘いものではない。」と思うようになる。その後、何度か「改訂版」として上演した。悲劇は喜劇と表裏一体にもなってしまう。この劇は危険なブラックジョークで包み込まれる。リアルとは何か?それはクソ食らえ!だと思う。劇は虚構化する原動力だ。虚構化には勇気が必要。それが30年の劇団夢桟敷の伝統芸であり個性として培われてきた。虚構の中に真実を見せたいと思い続けている。それが劇だ。小劇場の得意技でもある。シュールさに癒される人々と出会いたい。
 ☆
 1979年1月。三菱銀行大阪北畠支店、銀行員を監禁して警察に撃ち殺された梅川事件を題材にした犯罪劇である。密室で何がおこなわれていたのだろうか?を妄想したのだった。
 あれから30年。妄想は現代を暗示していたように犯罪自体が劇的になってきた。いわゆる劇場型犯罪の日常化。
 この劇は長い年月をかけて発酵した。それを新しい若い俳優たちとの感性で共同作業する。
 「狂気と凶暴さの中に優しさが垣間見られる。」劇作りとなってきた。
 ☆
 そして思う。若い俳優(劇団員たち)にとっての30年(生まれる前からの)も他人事ではない。劇団に所属することの共犯。・・・お客様との共犯関係を劇場の密室の中で味わいたいと思っています。

二つの劇団+新事業

2008-11-05 23:31:19 | モノローグ【エトセトラ】
 今年に入ってから二つの劇団を同時進行的に取り組んでいる。
 
 一つは30年目に入った劇団夢桟敷。
 この8月に「寺山修司没後25年企画・疫病流行記」公演を終え、11月26日~28日は「夢の下張り・・・」公演。
 これは30周年として行われる。30年前の復刻改定版!
 稽古中に「これが小劇場なんだ!」と口を突いて出る作品になる。

 二つは今年から立ち上げたユニット劇団。
 ブラジル移民百周年を記念して移民船笠戸丸から命名した「劇団笠戸丸」。熊本の学生たちが主に集まっている。若い演劇集団。
 今年の4月に「ボクノフルサト。」公演を終えたが、一発のつもりが来年2月にブラジル公演(4都市)へつづく。

 二つの劇団を同時進行的に稽古しており、スイッチの切り替えにも慣れてきた。
 一日24時間。寝ている時以外は全て演劇のことばかりで過ごしている。

 ☆ 

 稽古終了後に北九州市から稽古見学に来た海幸大介君(30年前の旗揚げメンバー)と来年春からの事業計画の打ち合わせをする。
 演劇とは関係ない事業計画だが、劇団の経済的基盤を生み出す機動力と位置づける。
 事業内容は運送業。・・・小型トラックでのネットワークで全国展開になりそうである。
 彼(海幸君)は北九州市から熊本に拠点(事務所)を移してくる。運送業のキャリアは充分ある。私は熊本の運送会社とパイプを作ることが主な仕事になる。つまり営業。
 運転免許を持っている劇団員たちも、何人かはここで経済基盤を作り出すことを望みながら計画が弾んだ。

 演劇のパトロンが現れなければ、自分たちでパトロンになる挑戦である。
 多角的な方向で考えたい。

新☆ブログ(はじめに)

2008-11-04 23:59:17 | モノローグ【エトセトラ】
 山南ノート(3) http://blog.goo.ne.jp/yamanami3_2005/から続きます。

 実は10月9日よりパソコンが壊れまして、旧「山南ノート(3)」の編集ができなくなりました。パスワードやgooへの事務的な契約メモを失いまして新たに作成しました。これまでの記事は見ることはできますが、新たに記事を入れることができなくなりました。そう言う訳で「新☆ブログ」であります。

 ただ今、11月公演「夢の下張り~梅川事件’79」とユニット劇団「笠戸丸」2月ブラジル公演に向けて奔走中。
 このノートの記事もこの話題が中心になるでしょう。
 この30年、とことん個性的な劇世界を追求してきたつもりです。
 そろそろ時代がこちらになびいてきたように思います。混沌として来た現在、「小劇場」の力を発揮しましょう。

 倒れても笑って起き上がる不屈の魂とは。
 簡単ではないから演劇を辞めることができない。


 このノートは一服のため息である。吐き出す煙草の紫である。