演出ノート【15】

「声優A子の犯罪」演出ノート【15】11月30日(月)

　人物列伝(3)
　海幸大介。
　1979年、劇団の旗揚げメンバーである。
　出会いは東京大学駒場生協食堂でアルバイトしている時だった。私が26才、彼は20才だった。　いかにも青い、頼りなく見えた。目の視点がキョロキョロしており、感情が手に取るようにわかった。
　エピソードは山ほどある。ピンク・・・。あっ！

　昔話はもういい。今だ。
　身体が大きいから「壁だ！」と言ったら、本人はたいそう傷ついてしまったようだ。
　彼が前に立つと後ろの者たちが見えなくなってしまうのだ。
　後ろの者たちは壁抜け人ではない。
　集団で立つ時はルールがある。何処にスポットが当たっているかを考えなければならない。フォーメーションを考える。
　壁は悪い意味ではない。
　ゴールキーパーは壁でなければならない。
　彼は舞台でゴールキーパーであることを期待しているのだ。守りに適していると思うのだ。
　脇を固めることも必要だ。彼は３人分の力を発揮できる。

　役名は誘拐監禁犯ということになっている。そして看守でもある。そして・・・もう一つの役は伏せておきたい。見てのお楽しみである。

　通称、大ちゃん。還暦も近い。若い頃の彼は人生そのものが物語になっている。来年の秋には短編小説「壁男」を書くつもりです。

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出演者スタッフのメモ

　模倣犯◎夢現
　昏睡強盗犯◎工藤慎平
　誘拐監禁犯◎海幸大介
　盗撮犯◎太郎ピーチマンション
　横領未遂犯◎東田まなみ
　脅迫犯◎賀久秀之助（劇団仮面工房）
　共謀犯◎大谷豪（劇団仮面工房）
　騒音犯◎タカハシユウジ
　放火犯◎山南純平
　猥褻犯◎肥後丸.
　詐欺犯◎KAREN

　扇動犯（宣伝美術）◎坂本咲希＆太郎PM
　偽装犯（出版）◎ねんねこ舎