山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

幻想と狂笑

2010-11-18 23:39:37 | モノローグ【エトセトラ】
この数日の冷え込みは気力まで及んでいる。・・・人間ではなく熊だったら冬眠に入るところだ。眠い日が続く。
この季節、公演に向けて風邪との戦いになる。風邪は大敵である。寒気に襲われるとアルコールに依存するか風邪薬を飲むかの選択に悩まされる。稽古もなく夜だったら、当然、酒に依存して布団に潜るのだが。
浅い眠りの中で悪夢にうなされる日々。
劇が未完成の内に本番を迎えている夢。こんな夢ばかりを見ている人生だ。
小心者で神経質な人間だったら身がもたない。大ざっぱで無神経だから、こんな恐ろしい夢を見ても笑っていられるのである。

さて、劇の内容は暗黒のメルヘンに傾倒しつつある。稽古場では笑いを堪えるのに必死。ここで笑ってしまうと全体へ感染する。喜劇ではないのだ。必死の姿がいい加減な笑いを拒否する。何だろう?溢れてくる笑いは?狂気である。

■11月17日(水)

札幌から全国30ヶ所をワゴン車で回っている4人芝居ハムプロジェクト「サンタめん」を見に行く。30人も入れば満タンとなる小さなギャラリーである。私たちは5人で行く。予約が3人しかなかったと言うものの大入り満員である。これで、私たちが宣伝していたら入場できないお客さんは必至だったろう。後ろめたさと秘密めいた感覚で芝居を見るのを久しぶりに味わった。
演劇人特有の理屈ぽさがない。気取っていない。無防備である。宇宙人が北海道を侵略する家族の話だった。単純であり、希薄な人間関係の怖さを感じる面白い芝居だった。今の若者たちの笑いのツボを押えている。私たちの劇作りとは違う。これでいいのだ。
終演後、近くの店で飲む。え?ここでも流山児さんの話題が出る。どうやら演出者協会主催の「コンクール」で取り上げられたらしい。
私たちも札幌公演→北方領土→ロシア→北朝鮮→尖閣諸島の旅公演へ出る!一緒に行こう!などとバカ話ができる。札幌、ロシアは夢ではないかも知れない。


■11月18日(木)武蔵ヶ丘教会
「かぐや」【22】稽古


稽古場=教会の礼拝堂に着くとイベントの準備で音響などが運び込まれている。25年前、夢桟敷がライブハウスを経営していた頃の知り合いの人だった。当時はROCKなどのライブをやっていたのだが、元々演劇公演も出来るよなステージになっていたので桟敷席の作りだった。どうやら、靴を脱いでロックが印象深かったらしい。
演劇エクスプレス公演は一ヶ月後に迫っている。演出の方針が固まってきた。役者の身体に天から妖怪が降りて来て憑依する劇。日常ではあり得ないことを劇では見せれる。これが劇の面白いところ。
稽古終了後に劇団員たちとレストランへ行く。バカ話で盛り上がっていたが、私は微熱気味で笑いについて行けず。眠い。明るさをパワーだと思った。