山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

演劇エクスプレス☆今、ここに居る

2010-11-25 23:48:22 | モノローグ【エトセトラ】
TVニュースはワイドショー化されている。お茶の間の井戸端会議のようにコメンテーターによる解説付きで流されている。これが自由な国ニッポンの日常報道として定着してきた。北朝鮮が行った11月23日の韓国・延坪(ヨンビョン)島への砲撃についても然り。
私たちはお茶の間の安全な場所に居ながらにして東アジア、世界の事件や戦争を対面しているのである。安全な場所であろうか?私たちはどこに居るのだろう。

公演まで1ヶ月を切っている。連日、稽古場にいることが全てに思えたりする。劇団員たちは職場にいても家にいても四六時中、演劇のことが支配してくる公演前である。演劇の現場に居ることで世界の見え方が変わることがある。演劇には国境がないことにも気付く。昨年の韓国との交流演劇から“国”ではなく“人の顔”として見えてくるようになった。情報としてではなく、演劇は人間を描き時代と対面するもの。・・・稽古の日々を繰り返している。

(写真がデカッ。見辛くて申し訳ありません。)


以上のチラシを配布中です。
大阪の劇団☆流星群さんとの交流公演です。「小劇場の現在」を熊本ー大阪の点を結んで皆さまにお届けします。
新幹線開通記念イベントではありません。個人的かつ民間レベルでの友情公演です。
演劇と言う名のエクスプレスが大阪ー熊本の距離を縮めます。自分たちに出来る方法です。
一日限りの贅沢な公演になっております。是非、演劇の豊かさをご覧ください。

■11月24日(水)熊本市清水市民センター
「かぐや」【26】稽古


サキ!オープニングは裸で出ろ。・・・言ってしまった。台本にはないことが舞台で起こる。生まれる時はみんな裸だ。かぐやは黄泉の世界から生き返った妖怪である。天女である。
演出的に天女の裸を見せることが目的ではなく、「かぐや」には「はごろも伝説」とは違う負の「はごろも」がある。この「はごろも」が問題だ。これを舞台化するとは!

今年に入ってから、この稽古場(清水市民センター)はセカンドハウスになった。
通常は茶室、日本舞踊などで使われているようですが、この畳の部屋は演劇の稽古場としては使いやすさがある。ドカッと座って見れる。椅子に座っているよりも心地良い。

演劇エクスプレスで夢桟敷は「かぐや」公演となる。座長=夢現(ゆめうつつ)のオリジナル台本。はっきり言って私が書く台本よりは丁寧で解りやすい。しかも、夢桟敷の歴史も染み込んでいる。女性が書く狂気はやさしさに溢れている。

■11月25日(木)武蔵ヶ丘教会
「かぐや」【27】稽古


午後6時からの稽古が定着しているが、この時間帯は腹が減る。腹が減るとこの世も終わりなのかと不安になる。だが、演劇は違う。神経が研ぎ澄まされる。満腹では気付かないことに気付く。月ー妖怪ー胎児の幻想劇が形になっている。悲しみの中に人間の強い姿が浮かび上がって見えるのは何故だろう。
キリスト信者ではないが、この教会=稽古場は神様に見守られているような気分である。

本田君の一場。男41才、俳優は年齢が見えなくなる見本のようなオトコオンナ役どころとして登場する。彼は高校生の頃入団したが、暫くの間、東京で演劇経験もしており、劇団内では良きお兄さんでもある。
稽古終了後のファミレスで食事することも恒例化してきた。