そうすけ漫録

そうすけの一日の型録です。

サイクリング

2008年01月17日 | 日記

天気が良いので自転車に乗ってハローワークにいった。
新年の平日午後は自転車ですれ違うのは老人ばかりだ。

端末機はほぼ埋まっていた。8対2で女性が多い。
端末にて求人票をながめる。どうしようかな、と迷っていた企業は決まったらしく見当たらなかった。
左隣に男が座った。そうすけを挟んで右隣の男が声をかける。
「どうしたの」
「いやぁ~電話したらさ、年齢できられっちゃったよ」
「それで今の時間か。二時から男だな」
(そうか。だから今の時間は男性が少ないのか。男性は朝一番できて目ぼしい求人へ即連絡、面接だよな)
やがて男はぶつぶつ言いながら席を立った。
帰るときに喫煙場所に数人の男がいた。にこやかに求職談義に花が咲いていた。

「あなたって自意識過剰ね」三十年前に或る女にいわれた。
求人票をながめていると自意識があふれてくる。めまいがする。汗をかく。

BOOKOFFに逃げ込む。邪悪な自意識を鎮静させてくれるのは本だ。それも膨大な量の本だ。本をながめていると落ち着く。心に余裕が出てきたので百五円本を三冊購入する。全盛期だったら八冊は買っていた。じっと我慢の中年人であった。

なんとなく荒川を見たくなる。
自転車を走らしながら考えた。人が目的もなく自転車を全速力で走らせるとはどうなんだろうか。
高田渡「自転車に乗って」は軽快なメロディーだけど実は深いめっせーじがあるのだろうか。
北野武監督「キッズリターン」はまだ見てないな。
自転車からみえる世界は現実感がうすれていった。
西へ、西へ。

そこに荒川はあった。橋を渡る。
「なんだかなぁ~ほっとするな。」
橋の真ん中に止まって、トラックが行き交う堤防をながめる。
まだ高くするんだな、百年に一度の災害の為に。今日一日の労働者の生活の為に。

彩湖に到着する。
ベンチで印刷した求人票を読む。顔を上げると夕日がきれいだ。沈むところをみようとおもった。鳥が一斉に飛ぶたつ。やがて雲が夕日を隠してしまった。続0丁目の夕日とはいかないようだ。場内放送が閉門の時刻を告げた。

図書館に寄る。新年早々平日宵の口に本をながめているのは年寄りと女性ばかりだ。
ひとり若い男がいた。落ち着かない。すると求人誌を素早く手に取り去っていった。なんだぁ、ご同輩でありました。
たくさん借りたいがお楽しみは細く長くを心がけて、西条昇著「東京コメディアンの逆襲」を借りる。

やっと夜が来た。


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