lizardbrain

だらだらぼちぼち

Uターン

2020年11月25日 12時26分51秒 | 無駄話

すっかりとひきこもり生活が定着してしまったが、以前からカメラをぶら下げて散策してみたいと思っていた場所がある。
ワタクシの居住地よりもさらに田舎だし、屋外だし、そこに辿り着きさえすれば密なスペースではない。
そこに至るまでの道路状況を考えると、クルマよりも原チャリで行く方が楽と思われるのだが、ただ、先延ばしにしているとどんどん寒くなって原チャリでは辛くなるのは間違いない。
つまり、今を逃すと来春まで待たなければならないわけで、のんびりしてはいられない。

こうして、10月のとある晴れた日に出かけたら、その日、思いもよらない事件が起こったのだ。

デイバッグにカメラと昼メシのメロンパンを放り込んで、気分よく自宅から片道30分ほど走行して目的地に到着した。
駐輪場に原チャリを置いて、シートの下のメットインスペースにヘルメットを収納した時、何やら違和感を感じた。
シートの下にはこんな景色があった。

あれれ、、、、、、、、
ガソリン給油口のキャップが無くなっているではないか、、、、、、

本来なら、こういう風にしっかり給油口を塞いでいるはずの給油キャップが無くなっているのだ。

 

ど、

ど、

ど、

ど、

どうしてなのだ?


だ、

だ、

だ、

だ、

誰が盗んだのだ?


い、

い、

い、

い、

いつの間に盗んだのだ?


疑問ばかりが果てしなく素早くエンドレスに沸き上がってきた。

 


あ、そうだ
たぶん、そうだ
そうだ、そうだ、そうに違いない

 

この日、出かける前に自宅近くのセルフのガソリンスタンドに立ち寄って給油したぞ。
あの時に外した給油キャップを給油機のどっかに一旦置いて、ガソリンを補給したのだ。
間違いなく、その時にミスが発生したのに違いない。
認めたくは無いが、おそらく、給油機のどっかに一旦置いた給油キャップを元に戻さずにそのままシートを閉めてしまったのだろう。
釣銭とレシートだけを回収して。
いや、しかし、まさか、そんなミスをするような人間ではなかったはずだ、ワタクシは、、、、、、、

そして、目の前の給油キャップの無いむき出しの給油口の近くを呆然と眺めていると、ここまでの走行中にガソリンが少しこぼれて気化した形跡がある。
それはそうだ、ついさっき満タンにしたばかりなのにキャップをしていないので、加速減速時に原チャリが揺れたりカーブで傾いたりして走行中にこぼれる事はあり得るだろう。
シート下の給油口とメットインスペースとの間には仕切りがあるので、幸いにもメットインスペースにまでガソリンが漏れ出た様子は無いが。
せっかく来たのでこの日の目的である散策というやつをしてからとも思ったが、いやしかし、このままの状態にしておくには忍びない。
キャップの無い給油口からガソリンが気化して減ってしまう可能性もあるし、すぐさまUターンするべきだと決断を下した。
今、やってきたばかりの道のりを逆行して、さっきのガソリンスタンドに戻る事にした。

しかし、まさか原チャリのシートの下で給油口のキャップが無いという事態が発生しているなどとは思いもしなかったので、往路には何の心配も無かったのだが、復路を走行していると色んな心配事が浮かんできた。

もしも今、この原チャリが傾いたり転倒したりすると、キャップの無い給油口からガソリンが漏れ出してしまうのではないか?
さらに、漏れたガソリンがエンジンとかマフラー部分の熱に触れたらば発火爆発するのではないだろうか?
そうなると大変だ、どうしよう?
このまま走行を続けるよりも、原チャリを安全な場所に停車して、他の交通手段でさっきのガソリンスタンドに戻るべきではないだろうか?
おそらくそれが安全策だろうが、どうしよう?
この地点で考えられる他の交通手段というとタクシーしか思い浮かばないが、タクシーで往復するといくらかかるのだろうか?
この非常時にタクシー代をケチっている場合ではないが、どうしよう?
いやいや、それよりも、いっそ、今のうちにどっかの派出所に出頭して自首するべきではないだろうか?
映画やドラマで学習した知識によると、自首すると罪は軽くなるらしいし、もしかすると派出所のおまわりさんは前日抽選発表されたロト6で久々に5等の¥1,000が当選して、その日は朝から妙に機嫌が良くて、あっさりと許してくれるかもしれない。
でも、近くの派出所までタクシーで行くといくらかかるのだろうか?
いや、この非常時にタクシー代をケチっている場合ではないが、どうしよう?
しかし、もしもこの事件が公になって、SNSというやつで拡散されて大炎上する心配はないだろうか?
その大炎上騒ぎを嗅ぎつけたネットのまとめサイトなどに、大々的にコピペして掲載されたりしないだろうか?

すると、

何一つコロナ対策を取らないくせに、

GO TOなんちゃらで私腹を肥やしてふんぞり返っているヤツらが存在するというのに、
世界中の笑いものになりながらも例のゴミだらけカビだらけの布製のなんちゃらマスクを、国民から吸い上げた税金から莫大な金額を勝手に使って恥ずかしげもなく強制配布したというのに、

まるで国民を殺す事が目的なのではないかと疑わざるを得ない、明らかな失政を続けるお国に対しては何の批判もしないどころか、ひたすら忠実に隠ぺいに加担している会食三昧のマスコミに追い回されたりしないだろうか?

引退したはずの元知事だか元市長だかが連日のようにゲスト出演して、でかい顔でホラ話を垂れ流す、さらに大して売れてもいないヨシモト芸人がデカい顔で恥ずかしげもなくコメンテーターとか名乗ってレギュラー出演して台本通りに発言する関西のワイドショーで、でっかいパネルにイラスト化されて、一斉に叩かれるのではないだろうか?

と、どんどん膨らんだ妄想に締め付けられてワタクシの胸が破裂する前に、さっき給油したセルフのガソリンスタンドに着いてしまった。

怪しげなヤツだと思われないように、近くにいたガソリンスタンドのスタッフに事情を話してから給油キャップの捜索を始めた。
幸運にもその時は、さっき給油した給油機は誰も使っていなくて、恐る恐る周辺に視線を送って捜索を始めると、給油キャップはすぐに見つかった。
おそらくさっき給油した時に置いたであろう場所に、給油した時の装いのままでポツンと取り残されていたのだ。
ワタクシが給油した後に、いったい何人がクルマやバイクの給油に訪れたのかの想像はつかないが、とにかく後から来た人はここに置き去りにされた給油キャップを目にしてどんな事を思ったのだろうか。
ともかく、ゴミと間違われて後から来た人に捨てられたり持ち去られたりしなくてホントに良かった。
見つけた給油キャップに一人ぼっちにしてすまなかったと謝罪しながら、給油口にねじ込んだ。

そこからもう一度目的地に向かう気力は、ワタクシの心身のどこにも残ってはいなかった。
つまり、あそこに行くのは来春以降のテーマとして持ち越す事になったのである。

 

 


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