およそ5年ぶりでMRIを受診した。
あの寝床に転がされて固定されて、前回の検査ではしなかったヘッドホンを被せられて、これが最近のトレンドなのかと感じた。
ヘッドホンから流れるBGM音楽はアフリカンテイストのヴォーカルとパーカッションで構成されたものだったが、
音質の方に問題があって、圧縮率が高めでシュワシュワと聴きづらかった。
MRIマシーンから流れるあの音は相変わらずで、けっこう大音量でせっかくの音楽が聞こえ辛く、これならBGM要らんやろと思った。
ただ、ヘッドホンから時々、
「次のスキャンはおよそ3分かかります」
とか
「およそ1分かかります」
と女性の声のアナウンスがあって、それが気休めになった。
で、どうしてMRI検査はあんなに騒音にさらされるのか?
と、ググってみた。
すると、MRIはスピーカーと同じ原理で音を出しているという解説文がヒットした。
スピーカーはコイルと磁石、振動板(コーン紙)でできていて、そのコイルに電気信号(電流)を流すと、コイルにつながっている振動板が前後に振動して音になり、こうしてスピーカーから音が出る、それは理解しているが、
MRIの仕組みもそれと共通するのだそうだ。
その上、トンネル状の構造なので反響も大きく、どうしても騒音は倍増するらしい。
悪い事にワタクシの場合、地球上の人類としての年齢が増大するにつれて、少しずつ狭い所や高い所が苦手になってきたという傾向がある。
うっかり目を開けてしまった時にすぐ目の前に検査台の天井がせまってくるサスペンスな状況と、遠くから聞こえるようで近くで聞こえるあのMRIサウンドとの相乗作用で恐怖心が頭をもたげそうになる。
恐怖に負けて絶叫しながら機械から飛び出そうとする醜態は、絶対に避けなければならない。
とりあえず今回は、冷静な風を装って検査は完了した。
そうそう、結果に異状は見当たらないとの診断だった。