lizardbrain

だらだらぼちぼち

ご近所さん大楽団

2007年12月24日 22時22分45秒 | 音楽

古谷充・ネイバーフッドビッグバンド・リサイタルVol.11
               
(12月8日 アルカイックホール・オクト)

関西ジャズの重鎮、ベテランアルト奏者の古谷充(ふるやたかし)が率いるビッグバンドがNEIGHBORHOOD BIG BAND
アルカイックホールの12月の風物詩となっているらしい、ネイバーフッドビッグバンドの11回目のリサイタル。
今年で11年目になるようだが、ワタクシが足を運ぶようになったのは2001年からだったか2002年からだったか?

んな事はどうでもいい。

コンサートのオープニングからして、いつも楽しくて仕方が無い。
まず、誰もいないステージにリーダーの古谷充ひとりが登場して、一人ずつメンバーを紹介しながら呼び出していくのだが、紹介する方もされる方も関西人である。
単なるメンバー紹介で終わるはずが無く、時にギャグの応酬へと発展していく。
トランペット隊、トロンボーン隊、サックス隊(フルートに持ち替える時もある)が合計14名。
ピアノ、ベース、ドラムス、ギターのリズム隊と合わせて総勢18名のメンバー紹介が終わると演奏がスタートするが、一旦ステージが始まっても曲紹介やソリスト紹介を含めたメンバー持ち回りのMCというかマイクパフォーマンスもあり、全く持って気を抜けない。

何より、18名ものミュージシャンがステージに居並ぶのは、いつもながらとても壮快な景色だ。
きらびやかなのは、ミュージシャン達が奏でる音色だけでない。
ホーンセクションの楽器達がキラキラと照明を反射して光り輝き、マイクスタンドもピアノもベースもギターもドラムスも、金色銀色に輝きながら踊っているのを目に出来るのもビッグバンドならでは舞台風景ではないだろうか。

この日、開演前の客席に、ナニワエキスプレスの敏腕ベーシスト、清水興が座っているのに気付いた。
人違いではない。
安達久美クラブパンゲアライヴの後、目の前で安達久美のCDにサインしてもらったのだから間違いない。
顔見知りらしき人に話しかけられている清水興の声が聞こえてきたので、耳を澄ましてみる。
「前半は客席で座っといてくれ、と言われてるんです。」
とかなんとか言っている。
どうやら後半戦のサプライズゲストらしい。
いや、サプライズである事を隠そうとしていないところを見ると、サプライズとは言えないのかも知れない。
だが、思わず、気付いていないフリをしてしまったのは、何故だろうか?
通路を挟んだワタクシの1列後ろの斜め右方向に座る敏腕ベーシストの存在感の大きさには、なみなみならない物がある。
たとえ客席に座っていたとしても、やっぱミュージシャンというのはワタクシのような一般無名人とは違う、独特の存在感を漂わせるものだ。

第1部の演奏にのめりこんでいるうちに、無性にコーヒーが飲みたくなってきたワタクシ。
休憩時間に入ると同時に席を立ち、観客席を出て右側にあるホワイエに向かおうとすると、観客席に座っていた敏腕ベーシスト清水興も立ち上がり大またで歩き出した。
その気は無いのだが、はからずも敏腕ベーシストを尾行するような距離で後に続く事になってしまった。
おそらく楽屋へ行くのだろうと思っていたのだが、ホールを出て右折していく、つまり、ホワイエに向かって行く。

あらら、、、、、、行き先は同じかい?

ホワイエに一番乗りした敏腕ベーシストは、迷う事無く生ビールを注文している。
2番乗りはワタクシ。
清水興の後ろに並んでいるだけで、妙に緊張してしまった。
紙コップに入ったホットコーヒーを受け取り、離れた所のソファーに座りしばし休憩、ほっ。

第2部早々に、リーダー古谷充のMCで紹介されて、ステージに呼び上げられた清水興がバンドに参加。
ハーフシャッフルの曲調で、、、、、とのMCだったが、なんのなんの。
エレキベースが1本入るだけで、すんごいファンキーなノリの曲が始まった。
ネイバーフッドビッグバンドのベーシスト、西川サトシと白熱のベースソロ交換に圧倒される。
バイオリン族であるウッドベースとギター族であるエレキベース、その楽器構造の違いを密かに感じさせるが、ウッドベースであそこまでのソロを演ってしまう西川サトシというベーシストの威力を存分に引き出しながら盛り上げる、まさしく客演という言葉にふさわしいエレキベースのソロを演ってしまう清水興の凄い事、凄い事。

あれこれと仕掛けを潜ませながら、第2部も大盛況。

清水興は、アンコールのサンバ調の曲でも再びステージに呼び出されて演奏に参加。

しかし、冷静に考えてみると、それまで客席に座っていて前後半で1曲ずつステージに立つというのはどんな感じなんだろう?
中継ぎ投手なら、ブルペンでのウォームアップに余念がないところだが、客席に座っている状態では、あれこれイメージトレーニングなんぞをやっているものだろうか?
それとも、例え肩が壊れても常に剛速球で全力投球するものなのだろうか?

この日の様子は、本人のブログでもリポートされていたが、どうやらリハーサルから付き合っていたらしい。
このブログを読むたんびにほとほと感心するのだが、清水興の文章はとにかく生真面目一辺倒で好感度大。
音楽についてもしかり、スポーツ観戦についてもしかり。

サプライズゲストの清水興の事ばかりに費やしてしまったので、先日のネイバーフッドビッグバンドのメンバーを紹介しておくと。

サックス・・・・古谷充、小林充、里村稔、古谷光広、泉和成
トランペット・・松本浩昭、房原忠広、築山昌広、丸本靖子
トロンボーン・・宗清洋、大迫明、太田健介、前田大輔、丸本晴子
ピアノ・・・・・中島徹
ギター・・・・・池田定男
ベース・・・・・西川サトシ
ドラムス・・・・東原力哉

メンバーのうち、サックスの古谷光広は古谷充の長男で、また、トランペットの丸本晴子とトロンボーンの丸本靖子は双子の姉妹らしい。