lizardbrain

だらだらぼちぼち

いよいよ、渡辺香津美ライヴに突入

2007年07月13日 22時30分56秒 | 音楽

小泉八雲記念館を出ると、まだまだ時間に余裕がある。
すぐ近くの松江城を散策するというのが観光客としての正しい基本コースだろうが、この日は、城内を歩き回るほどの体力に自信が持てなかった。

空を見上げると、曇天ながら雨の気配は無さそうなので、クルマで、宍道湖を一周してみたが、曇り空のために、途中で休憩して宍道湖の景色を撮ろうという気にはならなかった。
何よりも、風が強すぎた。
やはり、海とか湖を眺めるのには晴天が一番だという結論を得て、再び松江市内に戻る。

今回のライヴは、アメリカの老舗ギターメーカーであるマーティンのユーザーを会員とするマーティンクラブが主催するもので、昼間の時間帯にマーティンギターの展示・試奏会が、夜にRebirth Tour 2007と銘打ったコンサートが開かれる。
ワタクシは、マーティンギターのユーザーではないが、この機会にマーティンギターの展示・試奏会とやらものぞいてみた。

          

展示・試奏会とライヴの会場は、ボートピア松江の地下にあるライヴハウス。
かねがね、お馬さんや船や自転車のレースには、どうにも興味が湧かないワタクシにとって、たった一人でボートピアのビルに入る日が来ようとは思ってもみなかった。
重大な転換期となるか、それとも重大な危機になるかの瀬戸際である。
ボートピアの周囲、半径300mほどの区域では、さぞや、外れ舟券や怒号が飛び交うアンタッチャブルな気配がプンプン漂う、、、、、、、
という情景を半ば覚悟して近づいたボートピアの正面玄関は、思いの外、静かなたたずまいだったので、とりあえずホッと一安心



会場のライヴハウスに降りる階段では、こんな巨大ポスターがお出迎え。

         
会場に入ったものの、予想していた以上に狭い。
そして、予想していた以上の来客数、という一目でわかる大混雑。
一昨年に吹田で開かれたギター展示会の時とは、随分と雰囲気が違っていたので、腰が引けてしまう。
それでも、グル~っと一周してみたのだが、展示されているギターを試奏させてもらおうにも、座ってギターを弾くスペースも無さそうなので、憧れのマーティンギターに指一本触れる事無く、あえなく退散。
(早い話が、松江市民の前でヘタクソなギターを披露する勇気が無かったわけで、、、、)

マーティンギターの展示・試奏会を早々に切り上げ、ホテルに戻り、夕刻からのライヴ観戦にそなえる。
いよいよ、ここからは、『MARTIN GUITAR SHOW & CONCERT』と銘打たれたライヴについての控えめなレポート


          

さて、マーティンクラブという秘密結社は、実はとても有名な存在でる。
そのマーティンクラブが主催するコンサートの告知も、過去には何度も耳にした事があった。
実際、今年の前半だったか、大阪でマーティンクラブ主催のライヴがあった時には、既に売り切れていたためにチケットを買えなかったという苦い経験もあった。

それが、このところの天候不順が原因となって、今回の松江でのマーティンクラブ・ライヴを観戦する事ができたわけである。
この松江でのライヴの情報を得たのは、この日のゲストである渡辺香津美のオフィシャルHPからであった。
つまり、渡辺香津美がゲスト出演するという以外の情報はほとんど持ち合わせないまま、ライヴ当日を迎えたのだ。

だから、コンサートが始まって、いきなりビックリするはめになった。

最初にマーティンクラブの人が、ステージ袖に出てきてご挨拶。
そして、
「では、今夜のホストは、斉藤誠さ~ん!」
と、メインつまりホスト役を努めるミュージシャンの名前を叫んでステージに呼び寄せたのだが、ワタクシは、その時、自分の耳を疑った。
サイトウマコトって誰よ?
サイトウカズヨシとちゃうんかい、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

つまり、この瞬間まで、この日の渡辺香津美の共演者は、斉藤和義だとばかり思い込んでいたのだ。

「あ、斉藤和義ね。
 CMで流れている、なんとかかんとかウェディングソングを唄っている人ね。
 高い所で、声がひっくり返ってるけど、ヒットしてるみたいやね~」
と、共演者の名前は斉藤なにがしとしか認識していなかったのだ。


「斉藤和義なら、ちょっとは知ってるけど、今、目の前に出てきた斎藤誠って誰や

と、うろたえながらも、第一部の渡辺香津美のライヴに集中する。
今回のライヴに関して、ホスト役が斉藤なにがしであり、共演者が渡辺香津美であるというのが正確なところだが、ワタクシにとってのメインは、あくまでも渡辺香津美であった。

MCから察するに、マーティンクラブが主催するこのライヴの趣旨は、昼間のマーティンギター展示・試奏会に並べたマーティンギターの中から、出演ミュージシャンが何本かのギターを選んで、ライヴ本番で演奏するというものらしい。

つまり、普段使い慣れた手持ちのギターを弾くことは許されないので、使い慣れたギターでしか演奏できないギタリストは出演不可能なのだ。
だが、言い換えると、出演するギタリストにとって、ギャラをもらった上に、心置きなく名門マーティンの最新モデルを弾き倒す事ができるという、千載一隅の機会でもある。

ワタクシは、単独ソロを含めて、渡辺香津美のライヴは過去に何度も目撃しているが、過去のライヴで渡辺香津美がマーティンギターを弾いていたという記憶は全く無い。
おそらく、めったに手にしないマーティンだろうし、使い慣れた自分の手持ちのギターではなく、当日になって初めて手にしたギターを使っての演奏のはずだが、さすがに渡辺香津美
初対面のギターを、何の苦も無く弾きこなしていく。

オープニング曲のアクロス・ザ・ユニバースから、客席の視線は、渡辺香津美があやつるフィンガーボード上に集中している。
ワタクシの周囲の団塊の世代オジサン達が、身を乗り出して火を噴きそうな熱い視線で魅入っている。
ほとんどの人にとって、渡辺香津美というギタリストのプレイを目前にするのは初めてにちがいない。
演奏中の手元に視線を集中させたい気持ちも痛いほどわかるが、そんなのはまだまだ甘い。
かくいうワタクシは、既にそういう時期をとっくに乗り越えている。
どれだけ一生懸命に華麗な指使いに見とれていても、その演奏テクを真似する事など不可能だと悟っているからだ。
と言う事で、フィンガーボード上の動きに目を奪われそうになりながらも、聴こえてくる音楽に集中する事にする。

過去のライヴで聴いた事があるナンバーも演奏されていたが、さすがにジャズに根を持つギタリストである。
聴く度に違う表情を表現して演奏してくれるのが、素晴らしい。
われながら、いかにも突発的な行動だったとはいえ、はるばる松江までやってきた甲斐があった。

天国への階段(「天国への七つの階段」ではない。ツェッペリンの「天国への階段」である。)では、事前に録音済みの自身のギターの音をPAから流しながら、自分自身との共演という、聴く方としては、渡辺香津美の演奏を一度に二人分聴かせてもらえるといううれしい仕掛けをやってくれた。
この曲は、アルバム『ギター・ルネサンス』に収録されたバージョンでは、2本ではなく、3、4本のギターをオーバーダビングしていたので、ライヴで使う音源は、CD音源とは別物のようだ。

ほぼ1時間に及ぶ、渡辺香津美のソロギターによる第1部が終わり、休憩も取らずに、斎藤誠の弾き語りで第2部が始まる。
ワタクシは、斎藤和義が出てくると思い込んでいたなどとは一切顔に出さず、小生意気にも、我らが渡辺香津美を第1部のステージに押しやった、斉藤誠のギターとヴォーカルに聴き入る。
なるほど、初めて聴いた斎藤誠の唄は、ラヴソングが多く、高いところもキレイに出る歌唱で、ふんわりとしたコードを使った曲ばかりで、好感が持てた。

第2部終了後のアンコールでは、再び渡辺香津美が登場して、斎藤誠とのセッションとなる。
たぶん予定に無かったであろうベンチャーズメドレーが、突然始まり、次から次と曲が変わり、なかなか終わりそうになかったのが、観客には大ウケだった。
実は、この二人、25年ほど前に、音楽評論家であり、ギタリストでもある萩原健太の結婚パーティーの余興でベンチャーズナンバーを共演したのだそうだ。

終演後、アンケートに答えると抽選で何やらもらえるという話だったので、アンケート用紙に記入し始めたのだが、斉藤和義と斉藤誠をまちがえてやってきたという事を書きかけたが、やめてしまう。
いくらなんでも、失礼な気がして、、、、、、

狭い会場なので、ごった返している出口で、回収したアンケート用紙と引き換えに、参加賞らしきマーティンクラブのネーム入りコースターを手渡していた。
うむ、、、、、、、、
しまった、、、、、、、、
この場でコースターをもらえるのならば、アンケートを書いておけば良かったかも


松江の人々はほんとに熱心で、ひたすらアンケートを書き続ける人達の波をかきわけて、サイン会が行われるテーブル前に陣取る。
やがて現れた渡辺香津美じきじきに、この日の会場で買ったニューアルバム、『ギター・ルネサンス?』と、家から持って来た『ギター・ルネサンス?』にサインしてもらう。
この日は、珍しくTシャツ姿で通していたが、渡辺香津美のお腹周りがたっぷりしてきたように見えたのは、気のせいだろう


次は、渡辺香津美と吉田美奈子が共演するステージを狙っているのだが、果たして無事にたどり着ける事やら、、、、、