2013年10月21日(月)
常南トラベル(株)が主催する日帰りバスの旅「袈裟丸山麓ハイキング」に参加した。
常南トラベル(株)としては、袈裟丸山麓は今回が初の試みだそうだ。
所属する「健康ウォーキング同好会」からは、会長以下有志の3名が参加した。
今回の費用は7,880円であるが、お中元割引券(有効期限10月31日)を利用して、1枚で4人まで一人500円引きとなる。
車内で現金500円玉が直接バックされた。
ちょっとだけ得した気になり、『また行こうっ』という気分にさせてくれる。
6時15分、荒川沖駅前で常南交通本社からの大型バスに乗り込む。
マイクロバスで取手、牛久、竜ヶ崎方面からやってきた参加者と合せて20名ほどになった。
バスに乗ると直ぐにいつもの朝食弁当が配られた。
常磐道に乗ってから食べることにしよう。
バスは土浦駅東口(約5名)、石岡ロードパーク(約15名)へ周り、合計で40名と満席状態になった。
いつも思うことだが、石岡ロードパークから乗り込む人が多い。
このところのバスハイキングはどれも満席で商売繁盛と推測する。
最初の休憩場所は常磐道友部SA。
半年前は改修工事中だったが、既に工事は終わっておりすっきりしている。
朝方は濃い霧に包まれていたが、北関東道に入ると急に晴れてきて抜けるような青空に。
日光連山がはっきりと見える。
これから向かう袈裟丸山からの眺望への期待が高まる。
バスは、常磐道・北関東道と順調に走り、出流原PAで最後の休憩。
この後バスは太田桐生ICで北関東道を降り、一般国道122号線を走って草木湖畔の「サンレイク草木」へ。
添乗員からこの日のコース地図が配られ、コースの詳細説明が行われた。
それによると、当初予定していた塔ノ沢登山口をスタートし、賽の河原を経由して折場登山口をゴールとするルートを
折場登山口からスタートして、賽の河原で折り返すルートに変更するとのこと。
先週の台風26号の強風で倒木などが見られ、また昨日の雨で増水して沢渡りに危険が伴うための判断とのこと。
安全のため地元の山岳ガイド2名も同行するとのこと。
ルート変更は止むを得ない、安全第一である。
草木湖
ダム湖の水量が3年前(2010年11月9日)に来た時に比べて何だか少ないなと思っていたら、
ダムの整備工事のために一時的に水を減らしているそうだ。
10時10分、国民宿舎「サンレイク草木」に到着。
登山の準備をして、昼食の弁当とお茶を受け取り、
マイクロバス2台で折場登山口へ向かった。
30分ほど林道を走り、10時53分、折場登山口に到着。
既にこの辺りの標高は1,200mほどあるとのこと。
林道のおかげで袈裟丸山への日帰り登山が可能になったと地元からも歓迎の声が上がっているそうである。
山岳ガイドの方の掛け声で準備体操をして、
11時2分、折り返し地点の賽の河原目指して出発だ!
先頭と最後尾に山岳ガイドの方が付き、お互いにトランシーバで連絡を取り合うといった体制である。
「サンレイク草木」の支配人も同行するという熱の入れようである。
いきなり急坂の丸太の登山道で始まった。
しばらくつづら折りの登山道が続くが、山岳ガイドのスローペース配分のおかげで息は上がらない。
10分もすると身体が温まってきた。
ガイドの方の助言で上着を脱いで体温調節である。
木の根っ子が張った山道を上る。
まだ紅葉していないこともあり、周りの景色は薄墨のようである。
山道はかなり急登になってきた。
さすがに皆さん息が上がりだした。
登り始めて30分、道がやや平坦になったところで最初の休憩だ。
山岳ガイドの絶妙なタイミングの休憩に感心した。
この辺りは標高1,400mはあるだろうか、白樺の木がところどころに見える。
小さな熊笹も目立ち始めた。
「関東ふれあいの道」の標識が立っていた。
折場登山口から0.7Km地点を通過である。出発して既に35分以上は歩いているのだが・・・
『まだ0.7Kmしか歩いてないのかぁ』
急登の登山は歩いた割には距離が出ないので、距離を知ってちょっとがっくり。
登るに連れてガス(霧?雲?)が濃くなってきた。
先頭を行くガイドの姿は見えない。
『まるで雲の中を歩いてるようだねっ』
まさに雲の中である。
コース案内図には”目を凝らすと滝が見える”とあったが、何も見えない。
ただ、沢を流れるような水の音が聞こえる。滝の音なのだろうか。
11時59分、つつじ平に到着し、最後の休憩を取る。
『賽の河原まであと500mだぁ』
あと500mと聞いて少し元気が出てきた。
ゴールの賽の河原を目指す。
つつじ平を過ぎると道はなだらかになった。
木で組まれた展望塔があったが、当然のように上ってみようという人は誰もいない。
展望塔の脇に袈裟丸山(1878m)の名称について次のように紹介されていた。
名称は弘法大師にちなんだものといわれており、
中国から戻った弘法大師が赤城山に高野山を開こうとしたろころ、赤城山の山神は仏の地となることを嫌い、
一谷を隠して九百九十九谷しか現さなかったそうである。
大師は残り一谷を探して現在の袈裟丸山まで来たが、ここにもなく落胆し、袈裟を丸めてこの山に置いて下りたため、
袈裟丸の名前が付いたという、ことだそうだ。
雲の中に点々と石が積まれた岩が見えてきた。
12時20分、折り返し地点の賽の河原に到着した。
折場登山口を出発して1時間20分、順調なペースだと思う。
賽の河原の中央付近にお地蔵さんが立てられていた。
袈裟丸山中腹のこの場所は、木が生えておらず、大小の石ばかりが転がっているので「賽の河原」と呼ばれている。
その昔、弘法大師が夜この地を通ると、赤鬼青鬼に責められながら、子供達が石を積み上げているのを見て、
三夜看経(かんき)して済渡(さいど)したと云われている。
いまでも子供の新仏を出した人が、ここで石を積むと、その子供に会えると伝えられている、そうだ。
この賽の河原一帯で、昼食を摂ることにした。
我々も適当な石を見つけて腰を下ろして・・・
『いただきまぁすっ』
弁当は焼きおにぎりが3個とコロッケ、唐揚げ、糸こんにゃく、お新香。
「サンレイク草木」のメニューである。
見た目以上にボリュームがあり、お腹はいっぱいになった。
弁当も終わり、後は元来た道を引き返すだけである。
添乗員と山岳ガイドの3人で人数を数えているが、なかなか思うように確認ができない。
人数が多いと数えるのに苦労する。
結局4列に並んで数え直し、ようやく全員揃っているのを確認。
12時51分、いざ下山開始だ!!
展望塔を通過
帰る頃には晴れ間が顔を出すのではないかと少しだけ期待していたが、相変わらず雲の中を進む。
雨にならないだけマシかもしれない、と気持ちを切り替えることにした。
急斜面を下る。
次第に滝の音が雲の下方から聞こえてきた。
下り始めて20分、下りだが身体は温まってきた。
急斜面の途中で一呼吸だ。
ミズナラと熊笹の中を進む。
滑り易いので足元に気を配りながら慎重に下る。
13時47分、折場登山口に到着した。
下り始めてから55分になろうとしていた。
ほぼ案内通りの時間である。
この日は、塔ノ沢登山口からのスタートを折場登山口に変更したため、予定より早く下山したことになる。
山岳ガイドの方が『せっかく時間に余裕が出来たので是非見て行って欲しい』と小中大滝を案内された。
折場登山口から車で15分ほど下ったところで車を降り、案内板に沿って進む。
小中川を渡り、180mばかり上ることになる。
小さなトンネルをくぐったその先に・・・
恐ろしく急な下りの吊り橋が目の前に。
「けさかけ橋」と言い、以下のように紹介されていた。
弘法大師がこの地を訪れた時、源太和尚という悪い和尚がいて、地元の人を苦しめておったので、
弘法大師は戒めのためお経を唱えて反省するように言い聞かせて日光に出発した。
しばらくして戻ってみると、源太和尚はお経を唱えながら亡くなっていた。
弘法大師は申し訳なく思い、源太和尚がお経をあげていた岩に自分のつけていた袈裟をかけてやった、そうである。
袈裟を掛けた角度に合せて作った橋だそうだ。
長さ51m、傾斜は44%もあるため、手摺りに掴まらないと安心して歩けない。
スキージャンプ台の最大角度が35度というからそれ以上である。
『怖いよねぇ』
橋の中央より少し先へ進むと、右手に「小中大滝」が見えた。
山岳ガイドの方によると、落差は45mはあると言う。
なかなか立派で豪快な滝である。
橋の先に観瀑台があるが、こちらからの眺めは木々に邪魔をされてあまり良く見えない。
観瀑台からの眺めをもう少し良くするために少し木々を取り除いてはいかがだろうか。
『自然に手を入れるべきではない』と言う人もいるだろうが、ここではそれぐらいは許されると思うのだが・・・
「けさかけ橋」の下から見上げた吊り橋の状況。
変わった珍しい吊り橋ではある。一度歩いてみる価値はあると思う。
続いて案内されたのが、「小中川砂防堰堤」
山岳ガイドの方によると、全国でもここしかないと云われる自然の岩を刳り抜いた”魚道”とのこと。
イワナやヤマメ、ウグイなどが遡上するそうである。
続いて「わたらせ渓谷鐵道」の「神戸駅」へ。
大正元年の開業当時の駅舎がそのまま使われており、国の登録有形文化財だそうだ。
大正元年(1912)9月5日開業当時は、神戸市の神戸駅との混同を避けるため、「神土駅」と名付けられたが、
「わたらせ渓谷鐵道」への転換時に本来の地名に合せた「神戸駅」に改称された。
山岳ガイドの方によると、神戸駅の他に大間々駅、上神梅(かみかんばい)駅、通洞(つうどう)駅、足尾駅の駅舎が
国の登録文化財に指定されているとのこと。
タイミング良く、トロッコ列車が入ってきた。
渡線橋の上からお出迎えしよう。
平日にも関わらず、かなり大勢の観光客が乗っていた。
大半の人が神戸駅で降りてきた。駅前には大型観光バスが待っていた。
トロッコ列車の雄姿
祝”トロッコ運行開始15周年”が誇らしい。
15時37分、「サンレイク草木」に到着。
急遽観光ガイドに変身した山岳ガイドの方にお礼を述べて、
お風呂へ。
『風呂上がりの一杯は格別だねっ』
「サンレイク草木」の自動販売機の函ビール(500ml)が飛ぶように売れていった。
『今日は大変お疲れ様でしたぁ』
初めての袈裟丸山麓ハイキングだったが、前日の晴れの予報を覆す天気となり、雲中のハイキングとなってしまったのは、
ちょっと残念な気持ちである。
台風26号と前日の雨の影響でコースを変更せざるを得なくなり、袈裟丸山の見所の一つでもある
「寝釈迦」を見ることが出来なかったのも心残りではある。
しかし、コース変更により時間が余った分、本来行く予定のなかった小中大滝や自然の魚道、神戸駅などに案内されて、
渡良瀬渓谷の観光も楽しめたのはむしろ運が良かったのかもしれない。
袈裟丸山はアカヤシオの群生としては関東随一とのこと。
是非一度アカヤシオの咲く頃(5月中旬)に来てみたいものである。
その時は、塔ノ沢登山口から折場登山口へのルートを完歩したい。
”ウマさんの気ままなバスハイキングの目次”に戻る。
常南トラベル(株)が主催する日帰りバスの旅「袈裟丸山麓ハイキング」に参加した。
常南トラベル(株)としては、袈裟丸山麓は今回が初の試みだそうだ。
所属する「健康ウォーキング同好会」からは、会長以下有志の3名が参加した。
今回の費用は7,880円であるが、お中元割引券(有効期限10月31日)を利用して、1枚で4人まで一人500円引きとなる。
車内で現金500円玉が直接バックされた。
ちょっとだけ得した気になり、『また行こうっ』という気分にさせてくれる。
6時15分、荒川沖駅前で常南交通本社からの大型バスに乗り込む。
マイクロバスで取手、牛久、竜ヶ崎方面からやってきた参加者と合せて20名ほどになった。
バスに乗ると直ぐにいつもの朝食弁当が配られた。
常磐道に乗ってから食べることにしよう。
バスは土浦駅東口(約5名)、石岡ロードパーク(約15名)へ周り、合計で40名と満席状態になった。
いつも思うことだが、石岡ロードパークから乗り込む人が多い。
このところのバスハイキングはどれも満席で商売繁盛と推測する。
最初の休憩場所は常磐道友部SA。
半年前は改修工事中だったが、既に工事は終わっておりすっきりしている。
朝方は濃い霧に包まれていたが、北関東道に入ると急に晴れてきて抜けるような青空に。
日光連山がはっきりと見える。
これから向かう袈裟丸山からの眺望への期待が高まる。
バスは、常磐道・北関東道と順調に走り、出流原PAで最後の休憩。
この後バスは太田桐生ICで北関東道を降り、一般国道122号線を走って草木湖畔の「サンレイク草木」へ。
添乗員からこの日のコース地図が配られ、コースの詳細説明が行われた。
それによると、当初予定していた塔ノ沢登山口をスタートし、賽の河原を経由して折場登山口をゴールとするルートを
折場登山口からスタートして、賽の河原で折り返すルートに変更するとのこと。
先週の台風26号の強風で倒木などが見られ、また昨日の雨で増水して沢渡りに危険が伴うための判断とのこと。
安全のため地元の山岳ガイド2名も同行するとのこと。
ルート変更は止むを得ない、安全第一である。
草木湖
ダム湖の水量が3年前(2010年11月9日)に来た時に比べて何だか少ないなと思っていたら、
ダムの整備工事のために一時的に水を減らしているそうだ。
10時10分、国民宿舎「サンレイク草木」に到着。
登山の準備をして、昼食の弁当とお茶を受け取り、
マイクロバス2台で折場登山口へ向かった。
30分ほど林道を走り、10時53分、折場登山口に到着。
既にこの辺りの標高は1,200mほどあるとのこと。
林道のおかげで袈裟丸山への日帰り登山が可能になったと地元からも歓迎の声が上がっているそうである。
山岳ガイドの方の掛け声で準備体操をして、
11時2分、折り返し地点の賽の河原目指して出発だ!
先頭と最後尾に山岳ガイドの方が付き、お互いにトランシーバで連絡を取り合うといった体制である。
「サンレイク草木」の支配人も同行するという熱の入れようである。
いきなり急坂の丸太の登山道で始まった。
しばらくつづら折りの登山道が続くが、山岳ガイドのスローペース配分のおかげで息は上がらない。
10分もすると身体が温まってきた。
ガイドの方の助言で上着を脱いで体温調節である。
木の根っ子が張った山道を上る。
まだ紅葉していないこともあり、周りの景色は薄墨のようである。
山道はかなり急登になってきた。
さすがに皆さん息が上がりだした。
登り始めて30分、道がやや平坦になったところで最初の休憩だ。
山岳ガイドの絶妙なタイミングの休憩に感心した。
この辺りは標高1,400mはあるだろうか、白樺の木がところどころに見える。
小さな熊笹も目立ち始めた。
「関東ふれあいの道」の標識が立っていた。
折場登山口から0.7Km地点を通過である。出発して既に35分以上は歩いているのだが・・・
『まだ0.7Kmしか歩いてないのかぁ』
急登の登山は歩いた割には距離が出ないので、距離を知ってちょっとがっくり。
登るに連れてガス(霧?雲?)が濃くなってきた。
先頭を行くガイドの姿は見えない。
『まるで雲の中を歩いてるようだねっ』
まさに雲の中である。
コース案内図には”目を凝らすと滝が見える”とあったが、何も見えない。
ただ、沢を流れるような水の音が聞こえる。滝の音なのだろうか。
11時59分、つつじ平に到着し、最後の休憩を取る。
『賽の河原まであと500mだぁ』
あと500mと聞いて少し元気が出てきた。
ゴールの賽の河原を目指す。
つつじ平を過ぎると道はなだらかになった。
木で組まれた展望塔があったが、当然のように上ってみようという人は誰もいない。
展望塔の脇に袈裟丸山(1878m)の名称について次のように紹介されていた。
名称は弘法大師にちなんだものといわれており、
中国から戻った弘法大師が赤城山に高野山を開こうとしたろころ、赤城山の山神は仏の地となることを嫌い、
一谷を隠して九百九十九谷しか現さなかったそうである。
大師は残り一谷を探して現在の袈裟丸山まで来たが、ここにもなく落胆し、袈裟を丸めてこの山に置いて下りたため、
袈裟丸の名前が付いたという、ことだそうだ。
雲の中に点々と石が積まれた岩が見えてきた。
12時20分、折り返し地点の賽の河原に到着した。
折場登山口を出発して1時間20分、順調なペースだと思う。
賽の河原の中央付近にお地蔵さんが立てられていた。
袈裟丸山中腹のこの場所は、木が生えておらず、大小の石ばかりが転がっているので「賽の河原」と呼ばれている。
その昔、弘法大師が夜この地を通ると、赤鬼青鬼に責められながら、子供達が石を積み上げているのを見て、
三夜看経(かんき)して済渡(さいど)したと云われている。
いまでも子供の新仏を出した人が、ここで石を積むと、その子供に会えると伝えられている、そうだ。
この賽の河原一帯で、昼食を摂ることにした。
我々も適当な石を見つけて腰を下ろして・・・
『いただきまぁすっ』
弁当は焼きおにぎりが3個とコロッケ、唐揚げ、糸こんにゃく、お新香。
「サンレイク草木」のメニューである。
見た目以上にボリュームがあり、お腹はいっぱいになった。
弁当も終わり、後は元来た道を引き返すだけである。
添乗員と山岳ガイドの3人で人数を数えているが、なかなか思うように確認ができない。
人数が多いと数えるのに苦労する。
結局4列に並んで数え直し、ようやく全員揃っているのを確認。
12時51分、いざ下山開始だ!!
展望塔を通過
帰る頃には晴れ間が顔を出すのではないかと少しだけ期待していたが、相変わらず雲の中を進む。
雨にならないだけマシかもしれない、と気持ちを切り替えることにした。
急斜面を下る。
次第に滝の音が雲の下方から聞こえてきた。
下り始めて20分、下りだが身体は温まってきた。
急斜面の途中で一呼吸だ。
ミズナラと熊笹の中を進む。
滑り易いので足元に気を配りながら慎重に下る。
13時47分、折場登山口に到着した。
下り始めてから55分になろうとしていた。
ほぼ案内通りの時間である。
この日は、塔ノ沢登山口からのスタートを折場登山口に変更したため、予定より早く下山したことになる。
山岳ガイドの方が『せっかく時間に余裕が出来たので是非見て行って欲しい』と小中大滝を案内された。
折場登山口から車で15分ほど下ったところで車を降り、案内板に沿って進む。
小中川を渡り、180mばかり上ることになる。
小さなトンネルをくぐったその先に・・・
恐ろしく急な下りの吊り橋が目の前に。
「けさかけ橋」と言い、以下のように紹介されていた。
弘法大師がこの地を訪れた時、源太和尚という悪い和尚がいて、地元の人を苦しめておったので、
弘法大師は戒めのためお経を唱えて反省するように言い聞かせて日光に出発した。
しばらくして戻ってみると、源太和尚はお経を唱えながら亡くなっていた。
弘法大師は申し訳なく思い、源太和尚がお経をあげていた岩に自分のつけていた袈裟をかけてやった、そうである。
袈裟を掛けた角度に合せて作った橋だそうだ。
長さ51m、傾斜は44%もあるため、手摺りに掴まらないと安心して歩けない。
スキージャンプ台の最大角度が35度というからそれ以上である。
『怖いよねぇ』
橋の中央より少し先へ進むと、右手に「小中大滝」が見えた。
山岳ガイドの方によると、落差は45mはあると言う。
なかなか立派で豪快な滝である。
橋の先に観瀑台があるが、こちらからの眺めは木々に邪魔をされてあまり良く見えない。
観瀑台からの眺めをもう少し良くするために少し木々を取り除いてはいかがだろうか。
『自然に手を入れるべきではない』と言う人もいるだろうが、ここではそれぐらいは許されると思うのだが・・・
「けさかけ橋」の下から見上げた吊り橋の状況。
変わった珍しい吊り橋ではある。一度歩いてみる価値はあると思う。
続いて案内されたのが、「小中川砂防堰堤」
山岳ガイドの方によると、全国でもここしかないと云われる自然の岩を刳り抜いた”魚道”とのこと。
イワナやヤマメ、ウグイなどが遡上するそうである。
続いて「わたらせ渓谷鐵道」の「神戸駅」へ。
大正元年の開業当時の駅舎がそのまま使われており、国の登録有形文化財だそうだ。
大正元年(1912)9月5日開業当時は、神戸市の神戸駅との混同を避けるため、「神土駅」と名付けられたが、
「わたらせ渓谷鐵道」への転換時に本来の地名に合せた「神戸駅」に改称された。
山岳ガイドの方によると、神戸駅の他に大間々駅、上神梅(かみかんばい)駅、通洞(つうどう)駅、足尾駅の駅舎が
国の登録文化財に指定されているとのこと。
タイミング良く、トロッコ列車が入ってきた。
渡線橋の上からお出迎えしよう。
平日にも関わらず、かなり大勢の観光客が乗っていた。
大半の人が神戸駅で降りてきた。駅前には大型観光バスが待っていた。
トロッコ列車の雄姿
祝”トロッコ運行開始15周年”が誇らしい。
15時37分、「サンレイク草木」に到着。
急遽観光ガイドに変身した山岳ガイドの方にお礼を述べて、
お風呂へ。
『風呂上がりの一杯は格別だねっ』
「サンレイク草木」の自動販売機の函ビール(500ml)が飛ぶように売れていった。
『今日は大変お疲れ様でしたぁ』
初めての袈裟丸山麓ハイキングだったが、前日の晴れの予報を覆す天気となり、雲中のハイキングとなってしまったのは、
ちょっと残念な気持ちである。
台風26号と前日の雨の影響でコースを変更せざるを得なくなり、袈裟丸山の見所の一つでもある
「寝釈迦」を見ることが出来なかったのも心残りではある。
しかし、コース変更により時間が余った分、本来行く予定のなかった小中大滝や自然の魚道、神戸駅などに案内されて、
渡良瀬渓谷の観光も楽しめたのはむしろ運が良かったのかもしれない。
袈裟丸山はアカヤシオの群生としては関東随一とのこと。
是非一度アカヤシオの咲く頃(5月中旬)に来てみたいものである。
その時は、塔ノ沢登山口から折場登山口へのルートを完歩したい。
”ウマさんの気ままなバスハイキングの目次”に戻る。
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