2016年10月21日(金)
毎週金曜日、主に地元土浦周辺を歩く「健康ウォーキング同好会」が主催する、
平成28年度第20回(2016年第31回)、「西沢渓谷」ハイキングに参加した。
西沢渓谷には、2010年5月25日の常南交通によるバスハイクを始め、
これまで数回訪れているが、ハイキングコースを周回したのはこの時だけで、
後はいずれも「竜神の滝」で引き返している。
早朝6時5分前頃から土浦三中地区公民館に次々に参加者が集まり始め、
6位20分の出発10分前には、全員が揃いバスの到着を待った。
6時17分、常南交通の大型バスが土浦方面の参加者11名を乗せ、やってきた。
この日の参加者は、33名である。
朝食の弁当は、前回「奥の細道」黒羽散策(2016年9月16日)と少し違ったが、
美味しくて皆さんの評価は良かった。
7時2分、守谷SAで最初の休憩を摂り、首都高へ。
外環道への分岐点辺りでは、首都高方面は早くも渋滞になっていた。
ここは運転手さんの判断で、外環道方面へ迂回することに。
バスは、外環道から東北道へ。
埼玉県内の圏央道が平成27年10月31日に全線開通したことから、
常磐道からこのルートへ迂回する車が多くなったそうだ。
一日も早い茨城県内の圏央道全線開通が待たれる。
東北道から圏央道へ廻り、鶴ヶ島JCTを経て八王子JCTから中央道へ。
この間特に渋滞もなく、車はスムースに流れた。
中央道談合坂SAまで4Kmの地点を通過し、
9時ちょうど、談合坂SAに到着
守谷SAから1時間45分が経過していた。
首都高を通ったより早かったと思われる。
9時40分、中央道勝沼ICを降りたところで、昼食弁当を受取り、
道の駅「みとみ」に向けて一般道を走る。
恵林寺の脇の”信玄通り”は、既に紅葉が始まっていた。
『あらぁ きれいだね~っ』
勝沼ICから国道140号(雁坂みち)を走ること凡そ45分、
道の駅「みとみ」手前の広瀬ダムの湖が見えてきた。
10時27分、道の駅「みとみ」に到着。
ほぼ予定した時間である。
昼食の弁当を受取る。
点呼を取るためのグループ分け(3グループ)を行い、
10時37分、Oさんのグループを先頭に西沢渓谷目指して出発!
道の駅「みとみ」を左手に見ながら、
国道140号(雁坂みち)を進む。
『きれいだこと』
雁坂みち沿いの少し色付いた紅葉が美しい。
西沢大橋手前で雁坂みちを横断すると、
西沢渓谷の入口である。
雁坂茶屋の前を通り過ぎて進むと、
西沢渓谷のゲートがある。
ここからは一般の車両は侵入禁止になっている。
なれい沢橋を過ぎ、
11時4分、「ネトリ広場」に到着した。
「ネトリ広場」は、西沢渓谷を周回するハイキングコースの合流点になっている。
ここで、記念撮影を済ませた。
西沢渓谷入口の山之神に安全祈願をして、
11時8分、西沢渓谷終了地点を目指した。
「七ツ釜五段ノ滝」まで1時間30分とある。
11時10分、ヌク沢を通過。
沢には橋脚のようなものが見えるが、これは、昭和28年頃から沢の上流で珪石を採掘して、
トロッコで塩山駅の集積場まで運搬していた森林軌道の橋脚跡である。
安い外国産の珪石が輸入されるようになり、森林軌道は、
珪石の生産が中止される昭和46年頃まで続けられた。
紅葉が始まったばかりの木々の中を進む。
まだ緑が濃い。
11時14分、ヌク沢の少し先の西沢山荘(閉鎖中)を通過。
山荘から「七ツ釜五段ノ滝」まで約80分とある。
渓谷の流れを聞きながら山道を進む。
11時21分、二股吊橋を渡る。
『いやだぁ けっこう揺れるじゃないっ』
東沢上流からの豪快な流れにしばし見惚れる。
笛吹川下流
東沢は、ここで右からの西沢渓谷の流れと合流して笛吹川となる。
ここがちょうど合流点である。
吊橋をわたり、鶏冠山(とさかやま)登山口の分岐点を通過すると、
急坂の上りが始まる。
錦色の紅葉が陽の光を浴びて美しい。
『わ~っ きれいだね~っ』
急勾配のスティール製の階段が始まった。
階段を上り始めたところに小さなスペース(観瀑台)があり、
対岸の「大久保の滝」を観ることができる。
急勾配のスティール製の階段
『急過ぎてちょっと怖いよねっ』
急坂の上りを過ぎると次は急な下りだ。
左手下方に「三重の滝」の観瀑台が見える。
観瀑台を目指して岩場を下る。
『滑り易いから気を付けてっ』
11時43分、「三重の滝」観瀑台に到着。
「三重の滝」を満喫し、観瀑台から引き返す。
沢沿いに上流へ向かう。
足元は瓦礫で歩き難い。
瓦礫の坂道を上ると、
フグ岩、
うなぎの床、
人面洞と奇岩や名瀑が続く。
11時56分、少し広い岩場があったので、ここで一休み。
『お腹が空いてきたわねっ』
弁当は、「七ツ釜五段ノ滝」の先の西沢渓谷の終点まで我慢してもらうことに。
川に沿って上流を目指す。
「七ツ釜五段ノ滝」に次ぐ西沢渓谷の名瀑「竜神の滝」だ。
「竜神の滝」を過ぎると、急勾配の岩場が続く。
鎖を掴みながら慎重に進む。
「恋糸の滝」
「恋糸の滝」を過ぎ、さらに岩場を上る。
ときどき現れる美しい紅葉に目を奪われる。
一段と勾配のきつい岩場を上る。
岩場を上り切り、少し下ると、新たな滝が見えてきた。
「貞泉の滝」である。
滝壺に豪快に流れ落ちる水が碧く澄んでいて美しい。
「吹割の滝」を連想させる。
笛吹川に沿ってさらに上流を目指す。
勾配が緩やかになってきた。
大きな岩の間を抜けると、
「母胎淵」が現れた。
吸い込まれそうな錯覚を覚える。
母胎淵の上流は、
岩場のアップダウンが続く。
「カエル岩」の標識
『これって カエルに見えるっ?』
12時43分、方丈橋を渡る。
方丈橋の上流を見ると、滝がみえた。
「七ツ釜五段の滝」の最下の釜(滝壺)のようだ。
方丈橋を渡り、川沿いの最後の急こう配の岩場を上ると、
12時50分、「七ツ釜五段の滝」の観瀑橋?に到着した。
『凄いわねっ』
「ネトリ広場」の西沢渓谷入口から1時間40分が経過していた。
10分ほど余計に時間を要したことになる。
正面に「七ツ釜五段の滝」の全容が現れた。
『いやぁ これは素晴らしいっ』
「七ツ釜五段の滝」の上部から観る。
「袋田の滝」を思い起こさせる。
さらに上部へ進むと間近に滝壺を見ることが出来る。
碧く澄み切った水が印象的だ。
「七ツ釜五段の滝」を過ぎて、少し進むと、
右奥に西沢渓谷最後の滝「不動の滝」が見えた。
「不動の滝」を過ぎると、この日一番の急登が待っていた。
最後の登りで、一休み。
『今まで参加した中で一番きつい所だったけど、素晴らしい所だったわっ』
表情にはどこか満足感が漂っていた。
”西沢渓谷終点まで100m”からは、木製の階段になっている。
『あと100mだよねっ?』
13時14分、西沢渓谷終点に到着
道の駅「みとみ」から2時間37分、「ネトリ広場」の西沢渓谷入口から
2時間8分が経過していた。
先行グループは、一番眺めの良い場所に陣取っており、
後続組のために場所を確保してくれていた。
前に聳えるのは鶏冠山(とさかやま)だろうか?
始まったばかりの紅葉を愛でながらの、
弁当は美味しい。
この日の弁当は、海苔で包んだおにぎりが2個と、鮭・海老・かまぼこ・
卵焼き・野菜の煮物・焼売など。
隼人瓜の漬物はM子さん手作りで、食欲が一段と増す。
『ご馳走さまで~すっ』
弁当が終わり、13時53分、下山開始!
「三塩軌道」のレールが残っているなだらかな道を下る。
「さわぐるみ橋」(方丈橋)を渡る。
方丈とは歩廊・主桁を支える斜めの部材を呼び、谷間など中間に支えを作れない場合に、
つり橋・アーチ橋とともに多く見られる橋の形状である。
現在の橋が出来る前にあった橋も木の方丈橋であり、この地にとどめるため
その形状を模したデザインとなっている。
橋名は、ここの地名から「さわぐるみ橋」と命名した、とのこと。
沢を渡る多くの橋は、番号で命名されている。
これは43号橋
橋には金網が敷かれてあるが、下が丸見えである。
高所恐怖症の人には向かない。
シャクナゲ橋は、吊り橋の形状をしている。
「三塩軌道」を道の駅「みとみ」を目指す。
14時4分、「ひこいっちゃんころばし」を通過
昭和8年から43年まで「三塩軌道」を馬とトロッコを使い、木材を搬出していた。
その際、「運材夫」(木材を塩山駅まで運搬する係)をしていた”彦一”さんが、
操作ミスで馬と一緒に沢に転落(方言で”ころばりこんだ”と言う)し、
負傷したことから「ひこいっちゃんころばし」と呼ばれている。
(三富村 西沢渓谷歩道管理組合)
続いて14時10分、「いこりころばし」を通過
昭和8年から43年まで「三塩軌道」を馬とトロッコを使い、木材を搬出していた。
その際、「運材夫」(木材を塩山駅まで運搬する係)をしていた”猪虎狸”さんが、
操作ミスで馬と一緒に沢に転落(方言で”ころばりこんだ”と言う)し、
負傷したことから「いこりころばし」と呼ばれている。
(三富村・西沢渓谷歩道管理組合)
『柵も何もない所は怖いねぇ』
目の前は、深い谷になっている。
落ちたら命の保証はなさそうだ。
14時14分、大展望台に到着
前に聳えるのは鶏冠山(とさかやま)だろうか?
しばし、目の前に広がる雄大な景色を楽しんだ。
「三塩軌道」のレール跡が続く。
19号橋を渡ると、
かつて木材を積んだトロッコが展示されていた。
『これで木材を塩山駅まで運んだんだぁ』
9号橋を渡る。
緑と錦色をした葉が陽の光に映える。
道の駅「みとみ」を目指す。
14時38分、西沢渓谷山之神を通過
大嶽山那賀都神社の幟が立てられている。
3号橋を渡る。
「奥悪沢」(おくわるさわ)を通過
昭和8年から43年まで「三塩軌道」の路線延長の際、山の形状等の理由で何ヶ所か
沢を迂回するコースが作られたが、その中でも特に路線施行が困難で、災害等
常に修復をしなければならなかった沢の一つで最も奥に位置したことから、
「奥悪沢」と呼ばれるようになった。
(三富村 西沢渓谷歩道管理組合)
水が流れ落ちているから沢なのかもしれないが、急峻な崖である。
西沢渓谷迂回路入口を過ぎ、カワズ池を経て「ネトリ橋」へ。
「ネトリ橋」を渡る。
沢の上流側に朽ちかけた吊り橋が見える。
『むかしあの吊り橋を渡ったことがあるわっ』とT子さん。
あの吊り橋を渡るとは良い度胸をしている。
ただ、「ネトリ橋」が未だなかった頃、あの吊り橋を渡るしかなかったそうだ。
『あの時はほんとに怖かったわ~っ』
14時57分、「ネトリ広場」に到着した。
西沢渓谷終点を出発して1時間4分が経過していた。
左側に目を向けると、T子さんがかつて渡ったと言う吊橋が見えた。
撤去はせずに朽ちるに任せているようだ。
道の駅「みとみ」を目指す。
西沢大橋を潜り、
西沢渓谷蒟蒻館を過ぎ、
15時18分、ゴールの道の駅「みとみ」に到着した。
西沢渓谷終点を出発して1時間25分かかったことになる。
予定の14時40分を40分ほど過ぎてしまっていた。
バス運転手によると、『ゆっくりと入浴を楽しんでいる余裕はなさそうです』とのこと。
役員で相談の結果、やむなくこの日の入浴は断念することにした。
その分、道の駅「みとみ」で土産物を選び、
それぞれ好みの品を買い求めた。
かみさんに頼まれていた甲州名物「ほうとう」とワインを買った。
帰路のバス車内は、満足そうな笑顔に包まれていた。
談合坂SAに着く頃には、陽も落ちて薄暗くなって来た。
守谷SAでは、真暗になっていた。
『皆さん、今日は大変お疲れさまでしたぁ』
2010年5月25日以来、2度目となる西沢渓谷周回ハイキングだったが、
碧い滝と少しばかり早い紅葉を楽しんだ。
前回は、スタートしてからゴールするまで4時間ほどだったが、
今回はその時より40分ほど余計に時間がかかってしまった。
このため、入浴を断念せざるを得なくなったのは、残念だった。
首都高の渋滞を避けるために外環道・東北道・圏央道へと迂回したことも
時間を要した一因である。
茨城県側の圏央道が全線開通すれば、もう少し時間的な余裕が生まれ、
入浴を断念するようなこともなくなることだろう。
圏央道の一日も早い全線開通を期待したい。
この日の万歩計は、21,000歩を計測していた。
”ウマさんの「健康ウォーキングの会」の目次”へ戻る。
毎週金曜日、主に地元土浦周辺を歩く「健康ウォーキング同好会」が主催する、
平成28年度第20回(2016年第31回)、「西沢渓谷」ハイキングに参加した。
西沢渓谷には、2010年5月25日の常南交通によるバスハイクを始め、
これまで数回訪れているが、ハイキングコースを周回したのはこの時だけで、
後はいずれも「竜神の滝」で引き返している。
早朝6時5分前頃から土浦三中地区公民館に次々に参加者が集まり始め、
6位20分の出発10分前には、全員が揃いバスの到着を待った。
6時17分、常南交通の大型バスが土浦方面の参加者11名を乗せ、やってきた。
この日の参加者は、33名である。
朝食の弁当は、前回「奥の細道」黒羽散策(2016年9月16日)と少し違ったが、
美味しくて皆さんの評価は良かった。
7時2分、守谷SAで最初の休憩を摂り、首都高へ。
外環道への分岐点辺りでは、首都高方面は早くも渋滞になっていた。
ここは運転手さんの判断で、外環道方面へ迂回することに。
バスは、外環道から東北道へ。
埼玉県内の圏央道が平成27年10月31日に全線開通したことから、
常磐道からこのルートへ迂回する車が多くなったそうだ。
一日も早い茨城県内の圏央道全線開通が待たれる。
東北道から圏央道へ廻り、鶴ヶ島JCTを経て八王子JCTから中央道へ。
この間特に渋滞もなく、車はスムースに流れた。
中央道談合坂SAまで4Kmの地点を通過し、
9時ちょうど、談合坂SAに到着
守谷SAから1時間45分が経過していた。
首都高を通ったより早かったと思われる。
9時40分、中央道勝沼ICを降りたところで、昼食弁当を受取り、
道の駅「みとみ」に向けて一般道を走る。
恵林寺の脇の”信玄通り”は、既に紅葉が始まっていた。
『あらぁ きれいだね~っ』
勝沼ICから国道140号(雁坂みち)を走ること凡そ45分、
道の駅「みとみ」手前の広瀬ダムの湖が見えてきた。
10時27分、道の駅「みとみ」に到着。
ほぼ予定した時間である。
昼食の弁当を受取る。
点呼を取るためのグループ分け(3グループ)を行い、
10時37分、Oさんのグループを先頭に西沢渓谷目指して出発!
道の駅「みとみ」を左手に見ながら、
国道140号(雁坂みち)を進む。
『きれいだこと』
雁坂みち沿いの少し色付いた紅葉が美しい。
西沢大橋手前で雁坂みちを横断すると、
西沢渓谷の入口である。
雁坂茶屋の前を通り過ぎて進むと、
西沢渓谷のゲートがある。
ここからは一般の車両は侵入禁止になっている。
なれい沢橋を過ぎ、
11時4分、「ネトリ広場」に到着した。
「ネトリ広場」は、西沢渓谷を周回するハイキングコースの合流点になっている。
ここで、記念撮影を済ませた。
西沢渓谷入口の山之神に安全祈願をして、
11時8分、西沢渓谷終了地点を目指した。
「七ツ釜五段ノ滝」まで1時間30分とある。
11時10分、ヌク沢を通過。
沢には橋脚のようなものが見えるが、これは、昭和28年頃から沢の上流で珪石を採掘して、
トロッコで塩山駅の集積場まで運搬していた森林軌道の橋脚跡である。
安い外国産の珪石が輸入されるようになり、森林軌道は、
珪石の生産が中止される昭和46年頃まで続けられた。
紅葉が始まったばかりの木々の中を進む。
まだ緑が濃い。
11時14分、ヌク沢の少し先の西沢山荘(閉鎖中)を通過。
山荘から「七ツ釜五段ノ滝」まで約80分とある。
渓谷の流れを聞きながら山道を進む。
11時21分、二股吊橋を渡る。
『いやだぁ けっこう揺れるじゃないっ』
東沢上流からの豪快な流れにしばし見惚れる。
笛吹川下流
東沢は、ここで右からの西沢渓谷の流れと合流して笛吹川となる。
ここがちょうど合流点である。
吊橋をわたり、鶏冠山(とさかやま)登山口の分岐点を通過すると、
急坂の上りが始まる。
錦色の紅葉が陽の光を浴びて美しい。
『わ~っ きれいだね~っ』
急勾配のスティール製の階段が始まった。
階段を上り始めたところに小さなスペース(観瀑台)があり、
対岸の「大久保の滝」を観ることができる。
急勾配のスティール製の階段
『急過ぎてちょっと怖いよねっ』
急坂の上りを過ぎると次は急な下りだ。
左手下方に「三重の滝」の観瀑台が見える。
観瀑台を目指して岩場を下る。
『滑り易いから気を付けてっ』
11時43分、「三重の滝」観瀑台に到着。
「三重の滝」を満喫し、観瀑台から引き返す。
沢沿いに上流へ向かう。
足元は瓦礫で歩き難い。
瓦礫の坂道を上ると、
フグ岩、
うなぎの床、
人面洞と奇岩や名瀑が続く。
11時56分、少し広い岩場があったので、ここで一休み。
『お腹が空いてきたわねっ』
弁当は、「七ツ釜五段ノ滝」の先の西沢渓谷の終点まで我慢してもらうことに。
川に沿って上流を目指す。
「七ツ釜五段ノ滝」に次ぐ西沢渓谷の名瀑「竜神の滝」だ。
「竜神の滝」を過ぎると、急勾配の岩場が続く。
鎖を掴みながら慎重に進む。
「恋糸の滝」
「恋糸の滝」を過ぎ、さらに岩場を上る。
ときどき現れる美しい紅葉に目を奪われる。
一段と勾配のきつい岩場を上る。
岩場を上り切り、少し下ると、新たな滝が見えてきた。
「貞泉の滝」である。
滝壺に豪快に流れ落ちる水が碧く澄んでいて美しい。
「吹割の滝」を連想させる。
笛吹川に沿ってさらに上流を目指す。
勾配が緩やかになってきた。
大きな岩の間を抜けると、
「母胎淵」が現れた。
吸い込まれそうな錯覚を覚える。
母胎淵の上流は、
岩場のアップダウンが続く。
「カエル岩」の標識
『これって カエルに見えるっ?』
12時43分、方丈橋を渡る。
方丈橋の上流を見ると、滝がみえた。
「七ツ釜五段の滝」の最下の釜(滝壺)のようだ。
方丈橋を渡り、川沿いの最後の急こう配の岩場を上ると、
12時50分、「七ツ釜五段の滝」の観瀑橋?に到着した。
『凄いわねっ』
「ネトリ広場」の西沢渓谷入口から1時間40分が経過していた。
10分ほど余計に時間を要したことになる。
正面に「七ツ釜五段の滝」の全容が現れた。
『いやぁ これは素晴らしいっ』
「七ツ釜五段の滝」の上部から観る。
「袋田の滝」を思い起こさせる。
さらに上部へ進むと間近に滝壺を見ることが出来る。
碧く澄み切った水が印象的だ。
「七ツ釜五段の滝」を過ぎて、少し進むと、
右奥に西沢渓谷最後の滝「不動の滝」が見えた。
「不動の滝」を過ぎると、この日一番の急登が待っていた。
最後の登りで、一休み。
『今まで参加した中で一番きつい所だったけど、素晴らしい所だったわっ』
表情にはどこか満足感が漂っていた。
”西沢渓谷終点まで100m”からは、木製の階段になっている。
『あと100mだよねっ?』
13時14分、西沢渓谷終点に到着
道の駅「みとみ」から2時間37分、「ネトリ広場」の西沢渓谷入口から
2時間8分が経過していた。
先行グループは、一番眺めの良い場所に陣取っており、
後続組のために場所を確保してくれていた。
前に聳えるのは鶏冠山(とさかやま)だろうか?
始まったばかりの紅葉を愛でながらの、
弁当は美味しい。
この日の弁当は、海苔で包んだおにぎりが2個と、鮭・海老・かまぼこ・
卵焼き・野菜の煮物・焼売など。
隼人瓜の漬物はM子さん手作りで、食欲が一段と増す。
『ご馳走さまで~すっ』
弁当が終わり、13時53分、下山開始!
「三塩軌道」のレールが残っているなだらかな道を下る。
「さわぐるみ橋」(方丈橋)を渡る。
方丈とは歩廊・主桁を支える斜めの部材を呼び、谷間など中間に支えを作れない場合に、
つり橋・アーチ橋とともに多く見られる橋の形状である。
現在の橋が出来る前にあった橋も木の方丈橋であり、この地にとどめるため
その形状を模したデザインとなっている。
橋名は、ここの地名から「さわぐるみ橋」と命名した、とのこと。
沢を渡る多くの橋は、番号で命名されている。
これは43号橋
橋には金網が敷かれてあるが、下が丸見えである。
高所恐怖症の人には向かない。
シャクナゲ橋は、吊り橋の形状をしている。
「三塩軌道」を道の駅「みとみ」を目指す。
14時4分、「ひこいっちゃんころばし」を通過
昭和8年から43年まで「三塩軌道」を馬とトロッコを使い、木材を搬出していた。
その際、「運材夫」(木材を塩山駅まで運搬する係)をしていた”彦一”さんが、
操作ミスで馬と一緒に沢に転落(方言で”ころばりこんだ”と言う)し、
負傷したことから「ひこいっちゃんころばし」と呼ばれている。
(三富村 西沢渓谷歩道管理組合)
続いて14時10分、「いこりころばし」を通過
昭和8年から43年まで「三塩軌道」を馬とトロッコを使い、木材を搬出していた。
その際、「運材夫」(木材を塩山駅まで運搬する係)をしていた”猪虎狸”さんが、
操作ミスで馬と一緒に沢に転落(方言で”ころばりこんだ”と言う)し、
負傷したことから「いこりころばし」と呼ばれている。
(三富村・西沢渓谷歩道管理組合)
『柵も何もない所は怖いねぇ』
目の前は、深い谷になっている。
落ちたら命の保証はなさそうだ。
14時14分、大展望台に到着
前に聳えるのは鶏冠山(とさかやま)だろうか?
しばし、目の前に広がる雄大な景色を楽しんだ。
「三塩軌道」のレール跡が続く。
19号橋を渡ると、
かつて木材を積んだトロッコが展示されていた。
『これで木材を塩山駅まで運んだんだぁ』
9号橋を渡る。
緑と錦色をした葉が陽の光に映える。
道の駅「みとみ」を目指す。
14時38分、西沢渓谷山之神を通過
大嶽山那賀都神社の幟が立てられている。
3号橋を渡る。
「奥悪沢」(おくわるさわ)を通過
昭和8年から43年まで「三塩軌道」の路線延長の際、山の形状等の理由で何ヶ所か
沢を迂回するコースが作られたが、その中でも特に路線施行が困難で、災害等
常に修復をしなければならなかった沢の一つで最も奥に位置したことから、
「奥悪沢」と呼ばれるようになった。
(三富村 西沢渓谷歩道管理組合)
水が流れ落ちているから沢なのかもしれないが、急峻な崖である。
西沢渓谷迂回路入口を過ぎ、カワズ池を経て「ネトリ橋」へ。
「ネトリ橋」を渡る。
沢の上流側に朽ちかけた吊り橋が見える。
『むかしあの吊り橋を渡ったことがあるわっ』とT子さん。
あの吊り橋を渡るとは良い度胸をしている。
ただ、「ネトリ橋」が未だなかった頃、あの吊り橋を渡るしかなかったそうだ。
『あの時はほんとに怖かったわ~っ』
14時57分、「ネトリ広場」に到着した。
西沢渓谷終点を出発して1時間4分が経過していた。
左側に目を向けると、T子さんがかつて渡ったと言う吊橋が見えた。
撤去はせずに朽ちるに任せているようだ。
道の駅「みとみ」を目指す。
西沢大橋を潜り、
西沢渓谷蒟蒻館を過ぎ、
15時18分、ゴールの道の駅「みとみ」に到着した。
西沢渓谷終点を出発して1時間25分かかったことになる。
予定の14時40分を40分ほど過ぎてしまっていた。
バス運転手によると、『ゆっくりと入浴を楽しんでいる余裕はなさそうです』とのこと。
役員で相談の結果、やむなくこの日の入浴は断念することにした。
その分、道の駅「みとみ」で土産物を選び、
それぞれ好みの品を買い求めた。
かみさんに頼まれていた甲州名物「ほうとう」とワインを買った。
帰路のバス車内は、満足そうな笑顔に包まれていた。
談合坂SAに着く頃には、陽も落ちて薄暗くなって来た。
守谷SAでは、真暗になっていた。
『皆さん、今日は大変お疲れさまでしたぁ』
2010年5月25日以来、2度目となる西沢渓谷周回ハイキングだったが、
碧い滝と少しばかり早い紅葉を楽しんだ。
前回は、スタートしてからゴールするまで4時間ほどだったが、
今回はその時より40分ほど余計に時間がかかってしまった。
このため、入浴を断念せざるを得なくなったのは、残念だった。
首都高の渋滞を避けるために外環道・東北道・圏央道へと迂回したことも
時間を要した一因である。
茨城県側の圏央道が全線開通すれば、もう少し時間的な余裕が生まれ、
入浴を断念するようなこともなくなることだろう。
圏央道の一日も早い全線開通を期待したい。
この日の万歩計は、21,000歩を計測していた。
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