年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

タクワン 糠みそ1

2006年01月15日 | タクワン
糠床の糠
現代漬物作り入門 藤澤重明著より
食物繊維摂取量を増やそうという運動のとき、「炒り糠に入っている白いジャリジャリするのは何ですか?」「炒り糠を味噌汁に入れたら、味噌汁の底に白いものが沈殿している。」と言う問い合わせがありました。炒り糠は漬物用と表示してあって,粉末の卵殻入りです。害はないのですが、どうぞ食べてくださいとは言えません。
漬物用米糠の特徴
①信頼できる米屋さんからウルチ米糠を求めてください。モチ米糠は含まれていてはいけません。
モチ米糠はウルチ米糠と含有デンプンの種類が違い、漬物用としては不向きで一般には使用しない。モチ米糠が20~30%以上まじっていると、きゅうりやナスの表皮が破れたり,漬味も舌をさす酸味が出ます。
②ウルチ米糠には約18%の米糠油が含まれています。夏場は特に酸化されやすく臭くなります。酸化が進むと悪臭がする。ビタミンB1が時間の経過と共に分解し、糠が変敗し、独特のにおいがする。
家庭でできる酸化防止法
炒り糠にして保存使用する。
フライパンに米糠を入れ、中火で炒ると糠がキツネ色になった位が丁度良い加減です。絶えずかき混ぜないと黒くなります。燃えることもあります。
③普通のウルチ米糠は水分を13%ほど含んでいます。従って,コクゾー虫(米粒を食害する虫)
等が発生しやすい。
以上の3点がわずらわしい人は市販の炒り糠を買われるのが無難です。
参考 ウルチ米糠 主たる含有デンプン アミロース20%、アミロペクチン80%
   モチ米糠  主たる含有デンプン アミロース0%、アミロペクチン100%
ここで新しい問題が生じる。ウルチ米糠はいわゆる漬物用ヌカ味噌に適しているのだが、江戸時代は調味料としてのヌカ味噌はモチ米糠が適していたらしい。

コメント
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