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二重ローン対策

2011年05月14日 | Weblog
 今週は、財政金融部門会合、復興ビジョン・チーム会合、原発問題PT等多くの会合が同時に動いてブログをアップデートする時間が中々ありませんでした。
 昨日の金曜日は、福岡地下鉄七隈線延長の予算陳情の件で福岡市長が状況され陳情対策本部副本部長として要望を聞きました。また復興ビジョン・チームの中に二重ローン対策プロジェクトが立ち上がり、主査の一人として早急に対策を練る予定です。東日本大震災の津波等により家や工場が流され、ローンのみが残っている方々は少なくありません。災害からの復旧・復興のためには、新たに家や工場を新築する必要があります。そのための銀行等からの借り入れは現在の制度では容易ではありません。国が法律改正、予算措置、金融機関等への指導で何をどの程度まで行なえるか早急に詰める必要があります。
 被災者の救済という至上命題がある反面、誰がどのようにしてその負担を分かち合うかがポイントです。銀行の休眠預金を預金保険機構が一定程度吸い上げ、それを原資に銀行に債権放棄を促すような資本贈与(公的資金投入するも銀行経営者の責任を問わず、ADR等の公正な手続きを経て被災者に債権放棄をした合計金額は、返済不要とする。金融庁は公的資金で全額債権放棄を行なうことを踏まえて、事後的に金融検査で債権放棄が適切に行なわれたかチェックし、違反の場合には罰則を設ける。)や被災者向けファイナンシャル・リース債権の買取枠を預金保険機構の中に設けることなども提案したいと思います。モラルハザードを防止し、効率よく債務者救済の枠組みを作るには、これまで実績がある預金保険機構、債権回収機構、そしてADRによる債権放棄などを活用すべきと思います。
 今年に入り休眠預金の活用のあり方が様々なところで議論されておりますが、先ずは預金者全体の利益に活用するのが筋です。現在は、睡眠預金の管理をしている銀行の雑益として処理され、時効期間を過ぎても預金者やその正当な相続人が現われた場合には、銀行勘定に雑損を立てて支払っております。個別銀行で雑益処理と雑損処理を行なうことを止めて、毎年預金保険機構にこれまでの雑益金と雑損金の差額を支払う(払い戻す)ように預金保険法を改正してすることを提案します。このことにより預金保険機構は、年間数百億円収入が増えることになります。この資金は、預金者保護のための金融システムの安定及び銀行の顧客保護(第一には、預金者ですが、預金金利を産出す源泉ということから銀行ローンの借手、更には預金保険の範囲を超えるので議論になると思われますが中小企業者にとって深刻な問題になっているファイナンシャル・リースも検討が必要でしょう。)のために使われるべきです。
 今回の東日本大震災に関連した二重ローン問題は、様々な分野で対策が必要でしょう。予算措置も必要です。金融にだけ頼るべきではありませんが、上記の制度は預金保険法改正と金融機能強化法改正だけですみそうですし、既存の制度的枠組みから大きく逸脱するものではありません。今後政府与党で議論して行きたいと思います。

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