前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

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日本・EU議員会議

2013年02月13日 | Weblog

  第34回日本・EU議員会議が、第一衆議院会館国際会議場で開催されました。EUからは、ファン・バーレン団長(オランダ)を始め13名のEU議会議員が参加しました。日本からは保利衆議院議員を団長とする30名を超える衆参の国会議員が参加しました。今日の午前のセッションでは、日本の政治情勢、欧州の政治情勢が議論され、午後のセッションでは日欧の関係強化、経済・財政・金融、エネルギー安全保障および少子高齢化等の社会問題が議論されました。

 私は、午後の経済・財政・金融の課題に関して、リードスピーカをつとめましたが、日本のバブル崩壊後の経済財政金融政策と政治的な問題を説明しました。金融システムへの公的資金の投入や拡張的財政政策、ゼロ金利政策とその後の財政赤字の拡大や為替の動向を説明しましたが、これらの問題は欧州がまさに直面している問題です。またアベノミクスに関しては、竹本衆議院議員が説明されたので、そのメリットとそれに伴う将来のリスクを説明しました。

 欧州の多くの国の代表が発言しましたが、南欧諸国とドイツ、オランダなどの国の間には、欧州危機に対する政策を巡って立場の違いが鮮明です。通貨ユーロの価値は、欧州経済の加重平均なので、ギリシャ、スペイン、イタリア等の影響力の分だけドイツの経済力に比べて安くなっています。そのためドイツの輸出産業は恩恵を受けて、輸出が伸び、雇用が増え、その結果税収が伸びています。その増収の一部を経済危機に瀕する南欧諸国や企業に補助金という形で提供すれば、問題の多くを解決できるはずです。しかしドイツ国民やドイツ政府にとり、納得ができない問題です。日本の場合、北海道拓殖銀行が破綻して、北海道経済、企業や自治体が財政的に厳しい状況に直面しましたが、中央政府(国)が北海道の自治体、中小企業、さらには金融セクターに税金を投入することに北海道以外の国民から強い異論がでることはありませんでした。

 EUの直面する問題は、通貨は共通であるが、財政は各国の政府と議会がコントロールしているところにあります。その中間にある欧州中央銀行の権限が強化され、金融監督も受け持つことが合意されましたが、最終的にスペインやイタリアの銀行の損失をEU内の他国の国民が負担することをいかに納得するかという問題につきると思います。このようなことを考えると欧州危機からの脱出には一筋縄にいかず、まだまだ時間がかかると思われます。日本もバブル崩壊して失われた10年が20年になっているように、バブル崩壊のコストは社会に大変な犠牲を強いることを認識すべきです。アベノミクスが、成長戦略なしの単なる円安と資産バブル形成の政策であるとすれば大きな犠牲を将来払うことになることを覚悟すべきです。その意味では、成長戦略や規制改革ができるかが成否の鍵です。


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