前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

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新銀行東京へ400億追加出資

2008年03月29日 | Weblog
 昨日の都議会で賛成多数で、新銀行東京への追加出資が決定されました。非常に残念な気持ちです。上場企業の取締役会であれば、同銀行の追加出資の合理性や透明性が不足しすぎて株主代表訴訟の恐れがあるとして、却下されることでしょう。都議会に限らず、国会、他市町村議会においてガバナンスが企業より劣っているので仕方がないと言われそうな案件です。
 民主党では、都議会議員と協議を重ね、追加出資に反対します。400億円追加出資しても、再生に足るしっかりしたビジネスプランではないことが理由です。私は、そもそも創設段階で、中小企業融資を行いかつ十分な利益出すことができるビジネスモデルになっていたか疑問です。貸渋り対策と言いつつ、設立時には既にオーバー・バンキングで優良中小企業への貸出金利切下げ競争が発生していたことも事実です。融資のノウハウや顧客基盤がない新規参入銀行が、90年代後半の金融環境を前提にして高金利(腹切り)預金で資産を急拡大し、運用難で逆ザヤに陥ったのが本当の姿ではないかと思います。雇用やGDP拡大に結びつく真に必要な中小企業融資がどの程度行われたか検証すべきです。東京都にとって非常に高い授業料であったと片付けていいのでしょうか。
 新銀行設立において金融庁も関与しております。しかしながら金融行政が、事前チックから事後チェックに政策転換を行ったので、設立を認めたことを咎めるのは少し酷な気がします。むしろ事後チェックをしたのか検証して行く必要があります。また市場実勢よりきわめて高い金利で預金を預けた大口預金者(特に機関投資家)を救済するのに都の公金が使われるとするならばモラルハザードが発生するような気がします。
 しかし最大のモラルハザードは、経営破たんになれば自分の政治生命が絶たれるという理由で、抜本的な解決を先延ばしする石原都知事でしょう。晩節を汚す事件にならないことを望みます。
 写真は、先週民主党財政金融部門で行った民主党都議会議員と金融庁へのヒアリング風景です。