前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

前参議院議員大久保勉の主張や活動を伝えるBLOGです。

憲法59条2項

2008年03月23日 | Weblog
 参議院財政金融委員会の定例日は、火曜日、木曜日ですので、3月の審議は事実上残り一週間になります。そこで国民生活を混乱させないために日切れ法案の対策が大きな課題です。
 日切れ法案とは、関税定率法と租税措置法が主なもので、3月末に法律が切れると4月以降税法の取扱いが変わり国民生活にも影響するものを指します。関税定率法は、今週中に委員会で審議、可決される可能性が高いので、問題は租税特別法関連です。具体的には、ガソリン等の道路関連暫定税率は、日切れになることにより、ガソリンが下がるなど減税になり、むしろ国民に歓迎されますが、オフショア預金にかかる利子課税等問題になりそうな7項目があります。
 このような状況は、2月中から予想されていたので、政府提出の税法(以下閣法)の内容を3分割し、A法(日切れ7項目)、B法(4月を超えても問題のない項目)、C法(道路特定財源関連)を議員立法として全く別に参議院に提出しました。私も法案の発議者の一人です。
 今週末から、新聞等でも報道され始めましたが、いわゆるA法の対応が現在与野党で大きな駆け引きの材料になっております。A法の7項目の暫定税率とは、①海外旅行者のたばこ持ち込み、②同ウイスキーの持ち込み、③土地の売買の際の登録免許税、④石化用のナフサの輸入、⑤交際費の損金参入、⑥オフショア市場の利子課税、⑦レポ取引の利子課税、です。細かい内容は、本日の日経新聞3面にあるので省略します。
 このA法案は、緊急避難のために是非与野党合意して、3月末までに国会を可決成立すべきと考えております。しかしここに来て、与党の間で憲法59条2項の規定を捻じ曲げて、参議院でA法案が可決されたら閣法の否決とみなして、衆議院で3分の2の多数で閣法を通してしまおうとの意見が出てきました。
 憲法59条2項の規定とは、「衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。」というものです。閣法とA法とは、法案提出者も法案内容も全く違うものです。しかし閣法が、100項目以上の内容を一括で盛り込んでいるために、その中の一部でも含まれている法案を否決ないし可決すれば、憲法59条2項を適応するということです。明らかに憲法違反であるという憲法学者もいますが、日本には憲法裁判所がなく、最終的には衆議院議運の判断になると思われます。
 そこで法案提出者としては、憲法59条2項の条項が適応されないということを与党に確認しなければ、参議院財政金融委員会で審議、可決ができないというのが実情です。7項目の国民生活への悪影響が分かっている以上、この部分は与野党早急に合意すべきと考えます。
 今日は、ちょっと専門的になりましたが、このような点を今週の財政金融委員会で質問し、また混乱回避のために議論し、また問題点を周知させて行きたいと思います。