前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

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「成長神話の桎梏」

2007年02月16日 | Weblog
 民主党財務金融部門会議で一橋大学斉藤教授をお迎えして、政府与党の「上げ潮政策」を議論しました。斉藤教授は、京都大学経済学部出身で私の一年上の先輩ということで大変親近感がありました。最近「成長神話の桎梏」という本を出されました。「上げ潮政策」は、過剰資本蓄積過程、いわゆるバブル経済を作り出すもので、一時的には経済成長と税収増が達成されるものの、長期的にはバブル崩壊という形で大きな傷跡を日本経済に残すものであるという評価です。むしろ労働分配率を上げ、勤労者の所得を上昇させて、消費を増やして、自立的安定的な経済成長を選択すべきであるという主張です。また技術革新はマクロ経済政策によるものではなく、個別産業や労働改革などミクロの分野で行うべきであるとのことです。金融市場の活性化によるリスクマネーの取り込みとリスク分配機能強化策、ホワイトカラー・エクゼンプション制度による知価サービス産業における労働改革などは説得的でありました。
 この機会にホワイトカラー・エクゼンプションに対する私の意見を書きたいと思います。通常ホワイトカラーエクゼンプション制度は、残業代ゼロ制度になるおそれがあると批判されますが、そのように矮小化されて理解すべきものではないと私は考えます。日本において第三次産業の労働者が過半数になってきております。第三次産業、特に金融、流通、不動産、メディアなどの産業、企画、管理、営業などの特定の部門、弁護士・会計士などの専門性の高い職業などは必ずしもタイムカードで仕事を管理すべきではありません。年俸制やフレックス制の導入なども一般化しております。付加価値の高い商品やサービスを生み出すためにどのような労働形態が望ましく、またどのような評価が望ましいかといった知価産業とグローバル化の時代の働き方を模索するいい機会であります。残念ながら国会やマスコミの論調は、前時代(工業化社会)の発想を前提にしたようなものも少なくないような気がします。