チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

5ラッペンの危機

2005年02月23日 05時31分51秒 | Weblog
学校から帰ってきた娘が、「5ラッペンってなくなるんだよね?」と言います。この話、初耳ではありませんでした。少し前の「20 Minuten」紙にもこの記事が載っていたからです。ただし、なくなることが決まったとは書かれてなかったのですが。

娘が言うには、5ラッペン硬貨1枚を造るのに6ラッペンかかっているとか。その割には流通が悪い(そういえば日本にも2000円札というものがあったけど、どうなったのか……)ことも、廃止検討の理由になっているそうです(これは新聞記事による)。

スイスの通貨はスイスフランですが、ドイツ語圏では「フランケン」、補助単位を「ラッペン」と呼んでいます(フランス語圏では「サンチーム」。1フラン=100ラッペン=100サンチーム)。硬貨は、高いほうから5フラン(フュフリバーと呼ばれているようです)、2フラン、1フラン、そして50ラッペン、20ラッペン、10ラッペン、5ラッペンとなっています。写真でおわかりいただけるように、5ラッペンは金色(?)をしており、その他の硬貨は銀色です。50ラッペンが、なぜか10ラッペン・20ラッペンよりも小さくてわかりにくいのも「特徴」の一つ。硬貨のデザインは1870年代から変更されていないそうです(ウィキペディアによる)。

現在スイスでは、1ラッペンや2ラッペンという硬貨は流通していません。昔はあったらしいのですが、いつ頃からか使われなくなりました。したがって、物の値段はすべて5ラッペン単位でつけられています。9フラン95ラッペン、といった具合です。(ご参考:最新レートでは1スイスフラン=89円83銭。ちなみに1ユーロは137円94銭。)

以前、まだドイツマルクが使われていた頃、スイスからドイツに行き、ドイツマルクを入手して買物に行ったとき、ペニヒ (Pfennig) 硬貨の種類の多さに閉口した記憶があります。ドイツのお金に慣れていなかったことがもちろん大きな理由でもあったわけですが、37ペニヒとか、43ペニヒといったときに、1ペニヒや2ペニヒ硬貨をどう混ぜて払えばいいのかがとっさにわからず、面倒臭くなってついつい紙幣で払い、あっという間に財布の中にペニヒ硬貨がたまっていったものです。同じようなことは最近ユーロ(セント)硬貨でも経験しました。以外に扱いにくい曲者は2セント硬貨です。

もし5ラッペン硬貨が廃止されたら、物の値段が10ラッペン単位でつけられることになるわけで、きっと切り上げになるでしょう。85ラッペンのものは90ラッペン、もしかしたら1フランに便乗値上げされるかも。それでも多くのスイス人は文句を言わないのではないかと想像したくなります。だって、5ラッペン硬貨を受け取るときの皆の嫌そうな顔。5ラッペンで幸せになるのは、ウチの息子くらいです。なぜか道によく落ちている5ラッペンを見つけては大喜び。う~ん。小市民。