チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

コンコルダンス

2007年12月18日 22時54分30秒 | Weblog
懐かしく、そして今でも現役の1冊。ネストレ版ギリシャ語新約聖書のコンコルダンス(語句索引)。Concordance だから「コンコーダンス」と発音するはずだけど、なぜかカタカナでは「コンコルダンス」と書くことが多いようです。

表紙をめくると、購入した日付と場所がかき込んでありましたーー1991.11.26 Bern (Deuerlich)。1991年と言えば、ベルンに留学した年。11月は、最初の学期が始まってひと月ほど経った頃です。自分を鼓舞するためだったのか、前々からの計画だったのか、留学して早々に、ドイツはゲッティンゲンの Deuerlich'sche Buchhandlung という本屋(以前からそこで洋書を買っていた)に注文して取り寄せたわけです。新約聖書の研究では、コンコルダンスをひくのが基本だと躾けられましたから、院生時代からずっと欲しいと思っていました。いちいち図書館に行って調べるのでは手間がかかって仕方ありません。

当時はもちろん、BibleWorks も Accordance もまだありませんから(スイスで初めてパソコンに触り、それで論文を書きました。まだMS-DOS の Word5 を使っていた、そんな時代の話です)、語句索引は、このようなコンコルダンスに頼るしかなかったのですが、何度も何度も使ったせいか、使い方が乱暴だったのか、背表紙の上の部分が破れてしまっています。

表紙の真ん中あたりにシミがあるのがわかるでしょうか。これは、留学中に生まれたムスコが垂らしたヨダレの跡です。このコンコルダンスを見ると、留学時代の思い出が一気に甦ってきます。

パソコンに頼ることが多くなった今でも、このコンコルダンスは自宅で活きています。ちょっと用例をチェックしたいとき、パソコンのキーを叩くよりも、コンコルダンスをさっと開いた方が早いし、前後関係から思わぬ発見をすることもあります(パソコンで検索すると、調べたい語しかチェックできませんから、そういう「発見」がほとんどありません)。

時代は変われど、いつでも手元に置いておきたい1冊です。出版元である Walter de Gruyter 社のホームページでは、定価が88ユーロまたは123ドル20セント。Amazon.com では114ドルになっていました。



ツニューニは至福の時

2007年12月10日 22時25分16秒 | Weblog
Znüni(ツニューニ)と言えば、午前中の間食(おやつ)を指すスイスドイツ語の単語です。「9時に(食べるもの)」という意味でしょう。9時より遅い時間に食べる場合でも、こう呼ぶようです。もっとも、スイス人には朝7時からオフィスで仕事、なんて人が珍しくないので、9時に空腹を覚えてもおかしくないです。

月曜に研究室でこの Znüni をする慣習が広島でつきました。月曜は、8時45分からの講義があるので、家を6時40分頃出ます。あまりに早いので、朝飯は抜き。大学に着いたら、準備もそこそこに講義に行くことになるので、授業前に食べる時間もなし。

(パンとコーヒーでさっと済ませてから自宅を出ることができないわけではないのです。ただ、途中の電車やバスでトイレに行きたくなったらコワいので。昔々、非常勤で食べていた頃、それで恐ろしい目に遭った経験があるものですから、早朝の出勤前には食べないようになりました。)

10時15分に講義が終わり、研究室に戻ってきたところでこの Znüni をするというわけ。大抵は、パンや果物に紅茶。時として、以前に書いたビスケットをひたすら食べることもあります。12時にはもう昼食なので、そんなにたくさん食べる必要はないのですが、この Znüni の時間が、月曜の至福のひとときでもあります。

午前中に食べる Znüni に対して、午後に食べるものは Zvieri(ツフィーリ)と呼ばれます。「4時に」ってことですね。日本の「おやつ」よりも1時間遅いのは、昼ご飯をたくさん食べるからじゃないかと思われます。

クリスマスを語る

2007年12月08日 12時03分33秒 | Weblog
広島女学院の教職員研修会ってことで、クリスマスについて一席ぶってきました。

女学院へ向かうタクシーの中で、話す内容のおさらいをしておこうと思ったら、いきなり運転手のおじさんが話し始めて大変。何でも、伝書鳩レースが趣味なんだそうで、200羽くらい飼ってるとか。レースの話をそれは楽しそうに延々と続けるものだから、予習どころではなくなりました。結局そのまま女学院へ到着。伝書鳩が頭の中で飛び回っていました。

夕方5時半から始まった研修会には、大学の教員・職員の方のみならず、付属幼稚園の先生方、さらには近隣教会の牧師さんも来て下さいました。皆さん、日中のお仕事でお疲れでしょうに。総勢20名ほどでしたか。

クリスマスをテーマにした話というのは、たいてい毎年どこかで引き受けているのですが、どんな切り口で喋るかが困るところです。今回は、「聖書の語るクリスマスと私たちのクリスマス」ということで、私たちのイメージしているクリスマス物語と、実際に聖書が語っている内容のどこが違うかという点を中心にして、1時間少し喋らせてもらいました。

聴いて下さる方々も、それぞれクリスマスを語る役目をどこかで引き受けておられるお仕事なので、そのお役に立つような内容にしたいと思って準備しましたが、さて、その意図は果たされたでしょうか。

会の後は、女学院のクリスチャン職員の方々と夕食。広島女学院の発展を願って熱く議論を交わしておられるその様子に大いに感銘を受けました。キリスト教主義学校は、こういう職員の方々の熱い思いが支えているのだということがよくわかりました。

もうすぐクリスマス

2007年12月05日 14時09分00秒 | Weblog
気がつけば今年も12月。例年は、クリスマス行事の打ち合わせに追われている時期ですが、今年は打って変わって静かなアドベントです。

クリスマスの仕事といえば、広島女学院でクリスマスをテーマにした講演を一つ、そしてクリスマスの夕礼拝で説教を一つ。それだけ。24日まではクリスマスの仕事に追われ、イブの燭火礼拝に出てホッとする、という今までのパターンが嘘のよう。かえって、クリスマスの実感が伴わないほどです。

2日からアドベントに入り、TSUJIGAKU家もクリスマスの飾りつけ(数日フライングしましたが)。

我が家のクリッペ(クレッシュと言う人も)です。玄関に飾っています。


静かに静かに、そーっとやって来るというのがクリスマスには本来ふさわしいのかもしれません。