チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

おもちゃの切符

2005年02月27日 06時17分58秒 | Weblog
スイス鉄道(SBB)は、子供連れに寛大です。子ども連れの家族が利用しやすいような工夫をいろいろとしています。

なかでも一番驚かされるのが、Junior Card というサービスで、6歳から16歳までの子ども(16歳を果たして「子ども」と言っていいかどうかはともかく)は、そもそも通常料金の半額ですが、このカードを親が買っていれば(年間20フラン)、親と一緒に乗る場合はいつでもタダというものです。(ホームページには Junior Card という名前で出てきますが、Juniorkarte と呼んだり、Familienkarte と言ったりもしています。どれでも通じますが。)これは結構太っ腹なサービスです。

そのほか、Familienwagen (家族車両)というものも一部の列車(主としてインターシティ)に連結されており、この車両には、小さな子どもが退屈しないための遊具などが設置されています。子どももいないのにうっかりこの車両に座ったりしたら大変。うるさくてやりきれません。

最近、SBBは2階建て車両を多用していますが、2階はこの家族車両、1階は通常車両というものがあり、先日この1階に座ったら、天井がどんどんと鳴り響いて、そのうち抜けるのではないかと思うほどでした。うちのガキどもは、もう家族車両に行きたがる年齢でもなく、おとなしく座っています(親の躾の成果!)。

冒頭の写真は、子ども用のおもちゃ切符 (Spielbillet) です。列車に乗ると、車掌さんが検札に回ってきますが、子どもがいるとこの切符をくれることがあります(くれない時は頼めばOK)。写真のものは、うちのガキどもが集めた切符。車掌さんはちゃんと検札の鋏も入れてくれます。こうやって列車の旅を楽しませようという小さな工夫でしょうが、ガキどもが楽しみにしているところを見ると、少なからぬ効果があるようです。

子どもには寛大な SBB。しかしそれも、大人から結構な料金を取っているからこそでしょう。切符代は決して安くありません。だから、よく利用する人はたいてい何らかのパスを持っています。検札の様子を見ていると、1年有効の全区間有効パス(Generalabonnement) を持っている人が結構います。1年で2990フラン(約27万円)もするのですが、そのモトが取れてしまうということに違いありません。(ちなみに、16歳から25歳までだと2200フラン=20万円弱、定年退職者は2250フラン=20万3000円。)

SBB には半額パス (Halbtaxabo) というのもあって、1年有効150フラン(約1万3500円)を購入すれば、ほぼ全ての切符が半額で買えるのですが、それよりも Generalabo を買ったほうがトクだというくらい列車に良く乗り、SBB の収入に貢献しているスイス人は多いようです。それくらい Generalabo を持ったスイス人をよく見かけます。しかし、九州くらいの大きさしかないこの国で、1年に27万円以上切符代に使うとは。ひと月に2万2500円以上使わないとモトが取れないというのに。SBB が子供連れをターゲットにしているのは、戦略として正しいのかも。