チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

東広島運動公園

2009年07月30日 13時16分17秒 | Weblog
子供のクラブが東広島運動公園の体育館で試合をするというので、夫婦で応援に出かけてきました。

広島大学のすぐ近くにある、この施設、大学も入学式や卒業式で借りているはず。体育館のメインアリーナは、コートが3面取れる広さで、応援席もちゃんと備えられ、しかもエアコン付き。学校の体育館でやる試合とは違います。

それにしても広いこの運動公園。体育館に陸上競技場、野球場、テニスコートにスケートボード場、ゲートボール場なんてのもあります。加えて多目的広場。これだけの施設を1箇所に集めているなんて。交通の便は至極悪いのですが(だから駐車場もたっぷり)、そんなところにでもなければ作れなかったでしょう。

通称は「アクアパーク」だそうですが、水とどういう関係が? アクアパークって、プールみたいな響きですが。


体育館から北側を望む光景。


道もゆったりと作ってあります。

自然が豊かなので、車止めにも雀がたくさんとまっている、と思ったら、


よく見たら、なんと作り物でした。


この雀もどき、何の意味が? 腰掛けさせないための工夫? ただの飾り?


家の前は大洪水

2009年07月25日 11時46分16秒 | Weblog
テレビでも報道されていますように、このところの中国地方は大雨続き。とくに山口県では被害が大きくなっています。広島もかなり危険な状態で、JRは例によって不通区間が出ています。支線区間に不通が出るのは珍しくありませんが、今回は新幹線にまで影響が出ています。

これまで経験したことのない、短時間の集中豪雨、雷つき。パソコンの電源を切り、電源コードを抜くことの繰り返しです。いつ停電するかと怯えつつ過ごしています。

この集中豪雨でわかったのですが、広島市内にある我が家の前の道路は、冠水しやすい構造になっています。雨がどっと降ると、水が10センチから、ひどい時は20センチちかくまで溜まります。そこを車やトラックが通っていくのだから、たまったもんではありません。車の出入り用に歩道との段差部分に置いたスロープ(プラスチック製)が、すでに2度も流れて行方不明になりかけました。

昨夜もまた集中豪雨。せっかく(?)なので、写真を撮ってみました。暗いのでわかりにくいですが。


歩道部分にも水がかぶっているのがわかるでしょうか。この段差の部分にスロープを置いていたら、流れて行ったわけです。


左のレンガ部分が我が家の敷地。少し高くなっているので、そこまで水は上がって来なかったのですが、右側の歩道はほぼ完全に水没していました。


冠水している歩道。ちょっとわかりにくいですが。

大水は本当に怖い。もし、近くを流れている京橋川が氾濫したら、と考えると、ぞっとします。まして、鉄砲水が建物を直撃するなんて...。山口県の老人ホームで被害に遭われた方々のニュースを見ると、胸が痛みます。

大学の広告

2009年07月16日 10時14分56秒 | Weblog
通勤電車の中で、ふと目をあげて見ると、あちらにもこちらにも、大学の吊り広告があるのに気がつきました。

上の写真がそれです。左は広島修道大学、右は広島工業大学。他にも、広島国際大学の吊り広告が真向かいにぶら下がっていました。

皆、オープンキャンパスに来てください、という趣旨のようです。この時期はどこの大学でもやっているので、かえって新鮮味がないくらい、なんて言ってはいけませんが。広島大学でも8月7日(金)・8日(土)に行われます。

近頃では、テレビCMも珍しくありません。夜遅くに民放を見ているとしばしば出くわします。先日も、広島女学院大学のCMをやっていました。夜のこんな時間にやっているのは、CM単価の問題もあるでしょうが、高校生が見る時間帯、ということなんでしょうか。(深夜に高校生がテレビを見ているということ?)

狭い(?)広島にこれだけの大学があるというのも驚きですが(上に挙げた以外にもまだまだあります。広島国際大学と非常によく似た広島国際学院大学というのも。間違えないのだろうかと心配してしまいます。公立も、広島県立に広島市立あり)、皆が競って広告をしている、というところに時代を感じます。(あまり他人事ではないけど。)

追記(7/17)
昨日のゴールデンタイムに比治山大学、今朝6時台に広島経済大学のテレビCMをやっていました。そういう時間もやってるんですね。ゴールデンタイムはCM料が高そうですが。

巨星墜つ:マルティン・ヘンゲル教授

2009年07月07日 17時04分32秒 | Weblog
ドイツ新約聖書学界の重鎮、マルティン・ヘンゲル教授が亡くなりました。7月2日のことです。享年82歳。

ロイトリンゲンの繊維工場主の子供として生まれたヘンゲル氏は、家業を継いだ時期もありましたが、神学研究の道に入り、1959年に33歳で博士号(当時の神学者としては遅い部類ではないかと思います)、1967年に教授資格取得(40代ですから、これも遅い)。1968年にエアランゲン大学教授就任、1972年から92年までテュービンゲン大学の新約学および古代ユダヤ教学教授、同大学附属の古代ユダヤ教およびヘレニズム宗教史研究所所長も務めていました。

多作な人で、邦訳されたものも少なくありませんが、一番知られており、影響力も大きいのはやはり、『ユダヤ教とヘレニズム』(原著1973年。邦訳:日本基督教団出版局、1983年)でしょう。パレスチナのユダヤ教がいかに早くから、そして深くヘレニズムの影響を受けていたかを、個々の史料に丹念にあたりつつ論証したこの大著(邦訳で946頁!)は、それまでの(そして今でも時々見かける)「パレスチナ・ユダヤ教」と「ヘレニズム・ユダヤ教」という単純な区分が通用しないことを明らかにしました。(この本に邦訳があるということは驚異です。訳者の長窪専三氏には頭が下がります。そのご苦労を思えば、1万5000円の定価も決して高くないと思います。ちなみに原著は現在ペーパーバック版で44ユーロ。)

Martin Hengel, Judentum und Hellenismus. Studien zu ihrer Begegnung unter besonderer Berücksichtigung Palästinas bis zur Mitte des 2. Jahrhunderts vor Christus (WUNT 10; Tübingen: Mohr Siebeck, 3. Aufl. 1988).

文字通り博覧強記の人ですが、史料を駆使して歴史を組み立てる時には、首をかしげたくなるような仮説を出すこともままありました。僕がベルンで書いた博士論文の中で、ヘンゲル氏の説を批判したことがあったのですが、その博士論文を(ヘンゲル氏が編集者をしていた叢書から出版してもらおうと思って)ヘンゲル氏のもとに指導教授が送ったら、再批判と、自分のこの本も読め、という指示が帰ってきたことがありました。結局その叢書で出してくれることになったのでひと安心でしたが。

国際新約聖書学会にせっかく入ったので、一度はお目にかかってみたいと思っていたのですが、ついに果たされることなく終わりました。とても残念。

まさに新約聖書学界の巨星墜つです。ヘンゲル教授の魂の平安を祈ります。

Prof. Dr. Martin Hengel (1926-2009)

(写真はSitz im Leben というサイトから拝借しました。)

【紹介】聖書社会史辞典

2009年07月04日 09時01分33秒 | Weblog
以前に注文していた(らしい)『聖書社会史辞典』(Sozialgeshichtliches Wörterbuch zur Bibel) が届きました。(注文したことを忘れていました。)

聖書の記述を、当時の社会史的な背景を踏まえつつ読もうとするときには、この種の辞典(どちらかというと「事典」な感じもしますが)が役に立ちます。早速 A の項目からぱらぱらと見てみると、「宗教的税 Abgaben, religiöse」(初物の奉献や十分の一税など)、「農耕 Ackerbau」、「祭壇 Altar」、「年齢 Alter」 といった項目が並んでいます。「労働・賃金労働 Arbeit/Lohnarbeit」 や「貧困 Armut」という項目もありますし、「保証 Bürgschaft」や「漁業 Fischerei」といった項目も見られます。

一つ一つの項目は割合短いので、ドイツ語を読むのが辛い人でも使えると思います。でも、翻訳が出るともっといいかも(自分でやる勇気はないけど)。

Frank Crüsemann et al. (Hrsg.), Sozialgeschichtliches Wörterbuch zur Bibel, Gütersloh: Gütersloher Verlagshaus, 2009. XII+775頁。68ユーロ。Amazon.co.jpだと9894円。Wissenschaftlichee Buchgesellschaft(ドイツの書籍購入サークル。要入会)の Lizenzausgabe(出版許可取得版)だと49ユーロ。