チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

ポリバーン

2005年02月21日 04時41分39秒 | Weblog
チューリヒ中央駅から東側、橋を一つ渡ったところに、Central という停留所がありますが、そこに、小さなケーブルカーの駅があります。その名は Polybahn。

このポリバーンは、Central と、ETH(連邦工科大学) の近くとを結んでおり、所要時間はものの数分です。トラムだと、6番や10番に乗って、道を大回りするのですが、ポリバーンに乗れば、高台にある ETH や大学まで短時間でまっすぐ行くことができます。

Polybahn という名称はおそらく、ETH すなわち POLYtechnikum (工業専門学校)に向かうためのケーブルカーというところから来ているのでしょう。1889年に営業を始めたときは、Zuerichbergbahn(チューリヒ山電車)と称していたそうです。今では電気を使った無人電車なのですが、1897年までは水力で動いていたという話です。(Polybahn について説明したページによる。)

大学に向かう人たちのために設けられているケーブルカーらしく、運行は、月~金曜日が朝6時45分から夜7時15分まで、2~5分間隔。土曜日は朝7時半から午後2時までで、日曜・祝日は運休。電車がETH 近くの駅に止まるたびに、たくさんの大学関係者が吐き出されてきます。年間利用者は200万人にものぼるとか。

スイスは、坂の多い国らしく、こういった短い距離を走るケーブルカーがあちらこちらで見られます。チューリヒ市の中にもまだありますし(例、Seilbahn Rigiblick。これは、トラム9番、10番、バス33番の同名の停留所から、チューリヒ山の上のほう、すなわち大金持ちが住んでいる地区へと上がっていくものですが、ちょうど終着駅の近くに学生寮があるためでしょうか、金持ちっぽくない人、若い人がたくさん乗っています。金持ちは自家用車やタクシー利用でしょうから)、ベルンの連邦議事堂 (Bundeshaus) の裏手や、フリブールの旧市街へ向かうもの(これはいまだに水力)など、坂の多い町を住みやすくするための工夫として短距離ケーブルカーが利用されています。

坂の上にある ETH やチューリヒ大学に行く用事なんてそうそうないかもしれませんが、チューリヒに来られたら、土産話の種に乗ってみるのもいいかもしれません。ただし、ケーブルカー自体にはそれほどの感動はありません。乗って上まで来たら、ETH 本館前のテラスから市街を眺めるといいと思います。記念写真には格好の情景です。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする