チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

パラダイスの塔

2008年09月29日 21時04分12秒 | Weblog
家族でアクタス広島に家具を眺めに行った午後。アクタスは港のすぐ近くにあり、建物を南側に出ると、目の前はすぐ海です。

港を眺めながら座っていたのですが、ふと左手を見ると、波止場公園に高い塔が。写真がちょっと暗いのですが(曇っていたので)、公園に何気なく立っているにしては立派な塔です。

何かいわれがあるに違いないと思って、帰宅してから調べてみると、「パラダイスの塔」というそうです。元々はここでなく、西区の商工センター(今はアルパークがある)に立っていたとのこと。

この塔は、1989年7月から4カ月間にわたって開かれた(らしい)「海と島の博覧会」のメイン会場に建てられたモニュメントの一つだったそうです。終了後に波止場公園に移設されたという話。

高さは43.45m。大阪万博の「太陽の塔」と似た経歴ですが、こちらは、とても博覧会のモニュメントとはわからない、控え目な塔です。「パラダイス」の意味がもうひとつよくわかりませんでしたが。「広島がすべてを映す光輝く都市になるように」との願いが込められている名前だそうです。

殿堂にかけて生涯?

2008年09月16日 15時11分35秒 | Weblog
仕事柄、キリスト教関係の新刊書情報には気をつけています。新教出版社や日本キリスト教団出版局といった、キリスト教関係の出版社から出ている雑誌の広告欄を丁寧に見るほか、最近は、キリスト教書店が「まぐまぐ」を使って配信している【キリスト教書新刊近刊情報】をメールで受け取っています。

最近配信されてきたその【キリスト教書新刊近刊情報】を見ていて、ヘンに思ったのが下の情報です。(本当は転載禁止だと思うけど、一部だからいいでしょう。)

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◇使徒パウロ 殿堂にかけて生涯
◇佐竹明
◇2400
◇11月
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新教出版社から11月に出される予定というこの本、副題がどう考えてもヘンです。

新約聖書の勉強をある程度した人なら、この本が、かつてNHKブックスから出版された本の再版(改訂版?)だということはすぐにわかります。が、そうでなくても、副題がおかしいということはひと目で気づくはず。

「殿堂」は「伝道」の間違い。そして、「かけて」は「かけた」でしょう。つまり、「伝道にかけた生涯」。

この「情報」は、「日キ販ニュースNo.807号」からの転載だということなので、おそらく、この「情報」を作成した日キ販の担当者が打ち間違ったのだと思われます。それも問題です。が、

もっと問題だと思うのは、このニュースを転載して配信したキリスト教書店の人たち(複数の書店が配信をしていますが、いずれも誤ったまま配信していました)が、ニュースの中身をチェックしていないらしい、ということです。自分たちが売ろうとする商品の名前を丁寧に見ておらず、大間違いしたままでいるというのは、どうかと思われます。やっつけ仕事で右から左に流していると思われても仕方ない。もし私が著者なら、非常に不愉快です。

キリスト教書店の方々が多忙を極めていることはよく知っているので、一言一句間違わないようにせよとまでは申しませんが、これは一度目を通せばすぐに気づいたはずの誤りです。こういう明らかな間違いを放っておかれては、商品を大事にしていないような印象をどうしても受けてしまいます。日キ販からの情報をチェックしていないのなら論外だし、チェックしたけど見逃した、という場合でも、キリスト教書籍のプロとしてはどうでしょうか。

出版不況で、キリスト教書籍の売り上げも芳しくない昨今、書店の方々が頑張っていることは、ホームページやブログからよく伝わってくるのですが、商品の名前を間違わないというのは、商売の基本ではないでしょうか。こういうところにこそ細やかな心遣いをお願いしたいと思います。日キ販の方も、正確な情報伝達を心がけてほしいものです。

「殿堂」に生涯をかけさせられたパウロさんが気の毒に思えました。

ヘルシンキ教会見学(後)

2008年09月14日 22時08分43秒 | Weblog
中央駅から東へ向かって歩くと見えてくるのがヘルシンキ大聖堂(Tuomiokirkko)。西側からの姿はこのようです。


大聖堂は小高い場所に立っています。大聖堂前の元老院広場(Senaatintori)から階段を上ります。大聖堂側から見た元老院広場の様子。


大聖堂の内部は写真撮影可能でした。以下は、たくさんの観光客に混じって撮った写真の一部です。まずはパイプオルガン。


マルティン・ルター像。大聖堂は、ルター派教会の本山です。


こちらは、同じく宗教改革者のメランヒトン。


正面を見ると




大聖堂を元老院広場の側(=南)に出ると、右手前方に見えるのが、ヘルシンキ大学の建物です。


元老院広場に立っているのは、ロシア皇帝アレクサンドル2世(在位1855-81)の立像。フィンランドは当時、ロシアの支配下で自治公国となっていました。




元老院広場からさらに東へ行くと、すぐに港です。停泊している船がレストランになっていました。


港の様子。






港には市(いち)も立つようです。残念ながら出会えませんでしたが。

港近くの小高い丘にそびえ立っているのが、ウスペンスキー寺院(Uspenskin katedraali)。


1866年建立のロシア正教会です。

下から見上げると、こんな感じ。


ウスペンスキーの側から大聖堂も見えます。


赤レンガ造りの壁には、ロシア語で記された、教会の説明(でしょう)がありました。


大聖堂と違い、内部の写真撮影は一切禁止。テンペラ画をはじめとする、珍しい芸術品も多かったのですが。ロシア正教の教会堂に入ったのは初めてだったので、いつも見慣れているプロテスタントやローマ・カトリックの教会堂との雰囲気の違いに非常な感銘を受けました。より神秘的な宗教性を重んじていることがよくわかります。

ガイドブックには、平日および土曜の見学時間は16時までとありますが、もう少し遅くても入れます。絵葉書なども売っていましたが、後で整理しそこなうのが常なので、買うのはやめました。

今さらながら、ここはロシアが近いということを実感させてくれる教会堂です。

帰りは、ポホヨイスエスプラナーディ通り(Pohjoisesplanadi)という、舌をかみそうな名前の通りを西へ歩き、「アカデミア書店」(Akateeminen Kirjakauppa) という大きな本屋で、ムーミンの本を1冊買い求めてから、中央駅に戻り、フィンエアーのバスに乗り込んで空港へ向かいました。


(ポホヨイスエスプラナーディ通り)