チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

神田神社の氏神祭

2021年10月17日 10時31分42秒 | Weblog
散歩でよく通りかかる、宇品の神田神社。少し前から幟が通りに立っていたのは、この週末に行われる氏神祭のためでした。神社のお祭りもコロナウィルスの影響大ですが、今年は催し物を限定して開催するようです。賑わいは嬉しいような、心配なような。



正面から見ると、屋台が建ち並んでいます(朝早く撮ったので、まだお店は閉まっています)。


早朝からお参りしている人がいました。


ルター『九月聖書』限定復刻版

2021年10月16日 22時17分20秒 | Weblog
マルティン・ルターが新約聖書のドイツ語訳を初めて出したのは、1522年9月。これを一般に Septembertestament と称します(直訳すれば「九月契約書」ですが、それだとわからないので『九月聖書』と訳されることが一般的です。ドイツ語でも Septemberbibel と言うこともあるようです)。

来年で『九月聖書』出版から500年になるのを記念して、ドイツ聖書協会が500部限定で記念復刻版を出しました。偶然それを知ったので、早速注文。

届いたのは、立派なハードカバー、箱入りの大判聖書で、最終頁と箱の底部に通番が入っています。これは64番。64/500ですから、かなり早い方です。



これは使徒行伝の最初の頁。標題が「聖ルカの福音の第2部、使徒の歴史に関して」(Das ander teyll des Euangelii Sanct Lucas von der Apo∫tel ge∫chicht)となっています(現代の綴りとはだいぶ異なっています。∫ は「長いs」)。



こちらはヨハネ黙示録の最初の頁。標題は「神学者聖ヨハネの黙示」(Die offinbarung Sancti Johannis des Theologen)。黙示録だけは、 Lucas Cranach d. Ä. による挿絵 (全部で 21 枚) が入っている関係で、枚数番号(Blattzahlen)が入っていません。

『九月聖書』は約40部が現存しているのだが、それらを相互に比較すると、本文の一致しない箇所があることがわかっています。今回復刻されたのは、ハレ(ザーレ)大学・州立図書館(Universitäts- und Landesbibliothek Halle/Saale)所蔵のもの。ヴァイマル版ルター全集(WA. DB 6)に収められている、ベルリン州立図書館所蔵のもの(Berliner Staatsbibliothek Biblia Sacra Fol. 50)とはいくつかの箇所で微妙な差異があります。

詳しくは、拙稿「ルター『九月聖書』の書誌学的考察――第1刷の本文をめぐって――」、日本新約学会編『イエスから初期キリスト教へ:新約思想とその展開(青野太潮先生献呈論文集)』、リトン社、2019年9月、389-402頁、をご覧いただければ幸いです。

この復刻版は貴重なので(通番も入っていますし)、大学図書館に登録せず、私蔵しようと思います。