サルとすし職人 「文化と動物の行動学」 フランシス・ドゥ・ヴァール

この本はいつもの図書館で長いこと気になってはいたけど　読まなかった本。
気を取り直して（？）読んでみたら　面白かったのです。

なんで読まなかったかというと　本のタイトルが気にいらなかったからです。
「すし職人」ってなによ。（原題はスシマスター）
日本人は「すし職人」なんて言わないし、サルと並べてるのは日本のサルの研究の世界的レベルとかけてとは思ったのだけど、なんか馬鹿にされてるような気もした。

で、中身は　時間があって　サルが好きな方はぜひ　　であります。

私的には　長いことくすぶっていた　ローレンツとナチスドイツの関係が
まあ、はっきり書かれていて　よくも悪くもすっきりした。
併せて　今西錦司氏のことも。　彼のことは日本人ははっきり書かないので
偉大ではあるが困った人のどこがどうなの　ってのも　他国の方に書いてもらったほうが
すっきりするかなあ　というのが感想です。

この本のテーマでないところで感心してもしょうがないのですが、、。
そうです。テーマは文化と行動学です。

　山川草木悉皆成仏や八百万の神の世界に生きている日本人は
　おサルといっしょ（遺伝子の９９．６％）といわれても　じぇんじぇん腹も立たないけど、人は神様から特別な地位をもらったと思っている西洋人には　許しがたいこと
らしいです。
　で、おサルも人も同じように、文化があることを認めたくなくて認めたくなくて
　フロイトやらユングやら　なんでんかんでん持ち出して　ぎうぎうらしいです。

で、お口直しに読んだ

これは　ステキな本でした。
屋久島のサルたちの調査結果とほかの場所に住んでいるサルの群れの対比なんかも面白かったです。　高崎山は特別なので対比は出来ないけど　高崎山のおサルたちを
思い浮かべて楽しく読めました。
どこのおサルも　「クー」と鳴いて（クーコール）それに方言があるなんて楽しです。

そして屋久島の自然を守るために　自然観察会や保護活動もしている様子が
書かれ（エコミュージアムとしての屋久島）すごいなあ　いいなあと思いました。

調査して　みんなで体験して（自然観察会）　保全・保護活動する
この３点セットが　大事です。　
自然観察会をしてそれが目的になったらイカンと　いつも御大が言われてました。

で、調査したものを保存して　いつでも見れる・学習できる　博物館欲しいねえ。
う～～ん、いつもの話になりました。　大分に博物館を作ろう！　です。