toty日記

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エル・システマを読んで

2009-01-15 08:30:05 | 
暮れにちょっと書いた「エル・システマ」
書いた時点では、この本はまだ流通していなかったのですが
しばらくして届き、一気に読みました。

k-takさんにお貸ししたのですが、
先程、コメントを頂いたので、思い出して書きます。


この本、詰まっている内容がぎっしり。
「エル・システマ」=「The System」

結局、このシステムを作り上げる人の思考の柔軟性と熱意が
功を奏していると思いました。

エル・システマで検索すると
そこここで、政治家がこの動きに反応して
取り入れたらと、言っているようですが

そこまでの熱意と、考え方の柔軟性、
そして多方面にわたる人を動かす力
すべてを了解して言っているのか、ちょっと疑問です。

このシステムを日本に持ち込むには、
さまざまなアレンジも必要でしょう。

クラシックに関しては、殆ど無に近かったベネズエラならではの
広まり方もあると思います。

何より、これをすれば青少年の犯罪が減る的な安易な考えは
箱物を作って、運営をおざなりにするそんな考え方に通じるような気もします。

30年余りかかって作り上げたシステムには、
その間の作り続けた人の熱意が継続しているので、
その同等の熱意が望まれるでしょう。

これだけ豊に何でも手に入る日本におきかえると
無からはじめるほうが、きっと効果大と思われて
かえって、既存のシステムが、邪魔をするかもと、思われます。



本では、ベネズエラの社会状況がかなり詳しく述べられています。

貧困層の救いのなさ→
 希望がもてない世界に希望が持てるシステムが作られた

学校は午前だけ→
 子供の安全な午後の過ごし方が模索されていた

オーケストラ内での、お互いが高めあう指導体制

外国の音楽家の支援を得て、国際的評価を得ていく
 →外国でも通用する力を身につけ、それが自信にかわる

ソルフェージ→合唱と、音楽の楽しさをまず味わう

最後には、刑務所内にもオーケストラが作られる

国家の指導者が、このシステムを全面的に支援する体制に変わっていく
 現在のチャベス大統領の日本での報道は、かなりエキセントリックであり、
 貧困層に対する地道な活動はほとんど報道されていない。
 反米が強調されているなか、他の面を見られたと思った。
 石油という武器を使って、国際政治のなかで重要な位置になるかもしれない。


この山田真一さんという著者、
昨年、「歌舞伎座で第九」で知り合った「やくぺん先生」のブログにも
登場する方だった。
アウトリーチ等の話題で登場する。

そしてこの著者はベネズエラを訪ねて
沢山のインタビューをこなし、
現地の雰囲気をしっかりつかんでの記述。

「渾身のドキュメンタリー」といううたい文句通りだった。
お奨めします。


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画像は、以前行ったスイスの風景。たぶん、ザースフェー

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