雫石鉄也の
とつぜんブログ
ジュラシック・ワールド
監督 コリン・トレボロウ
出演 クリス・プラット、ブライス・ダグラス・ハワード、ニック・ロビンソン、タイ・シンプキンス
このシリーズも4作目。この「ジュラシック」シリーズはどういう映画かというと「恐竜が逃げ出して暴れてる。ワッ、えらいこっちゃ」という映画である。そういう観点で観れば、この4作目も22年前の1作目も同じ映画といっていい。ただ、1作目の監督スピルバーグは「ジョーズ」で発揮した怖がらせの芸が冴えて面白かったが、今回のトレボロウはスピルバーグほどの芸はない。それに1作目は、CGで表現した恐龍が非常にリアルに映像化されていて、その映像力に圧倒されたが、いまどき、こんなCGではびっくりしない。
それに1作目を観た時に思ったのだが、マイクル・クライトンの原作と映画では面白さのキモがまったく違う。映画は恐龍を、あたかも象やサイを見せるがごとく見せた映像の面白さであった。クライトンの原作はコハクの中に閉じ込められた虫が吸った恐竜の血からDNAを取り出し分析して、現実の動物の胚を利用して恐竜を再現するというアイデアが面白いのと、その手法を科学的に現実的に描写していく過程が興味深かった。
映画の1作目は、このクライトンの原作の面白さもある程度生かしてあった。ところが、今回の4作目はクライトンの原作はどっかへ行ってしまったのである。
こういう映画に不可欠なキャラ。ヒーロー、ヒロイン、危ない目にあってハラハラさせる役。殺され役。本作にもこれらの役はひととりそろっていた。殺され役は画面に登場した時から死亡フラグ立ちまくりで、その通り恐竜に食われるのだが、なぜか太った男が多い。
ヒロイン役はこのテーマパークの責任者だが、ハラハラさせ役の男の子二人の叔母でもある。ところがこのヒロイン、2万人の来場者の心配より、甥っ子二人の方が心配。異常事態の陣頭指揮そっちのけで、子供二人を探すので手いっぱい。このあたりの設定が不自然かつ不愉快。ハラハラさせ役の子供ふたりはいらんのじゃないか。
島という閉じられた空間。陸には最強最大のインドミナス・レックス、水中には巨大海生恐龍モササウルズ、空からはプテラノドンが襲いかかって来る。こういう状況で2万人の来場者をいかに犠牲者を少なく事態を収拾させるか。そこのところをしっかり見せてくれた方が良かった。
いずれにしても、もう「ジュラシック」は何度映画化しても同じだろう。「ジュラシック」はもういいから、こんどは「カンブリア」ではどうか。
「カンブリア・パーク」バーチェス頁岩の生き物が実際の見られる。オパビニア、ハルキゲニア、ピカイアが見られる。で、巨大なアノマノカリスが襲ってくる。ま、おんなじか。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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一番怖い相手は、実のところ同種同士で大量殺戮を繰り返す人類でしょうネ。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/a5b25605118a377ea3054927cbccd1cd
また、いままでで一番生々しく感じられた恐竜は次のブラック・ビューティでした。
http://blog.goo.ne.jp
・・・/iinna/e/5aadf6960bf59bcc14a08039f4a589dc
* 表示できないため2段に分けました。 m(_ _)m
責任者のクレアの設定は納得いきません。2万人の客よりも甥二人に方に気が行ってます。こんなアホでよくあんな危険なテーマパークの責任者やってますね。
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