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マネーボール


監督 ベネット・ミラー
出演 ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル、フィリップ・シーモア・ホフマン

 オークランド・アスレチックスはFAで3人の主力選手が抜けた。補強したいが金がない。アスレチックスはヤンキースのような金満球団ではないのだ。アスレチックスのGMビリー・ビーンは頭を悩ます。ビリーはインデアンズの球団職員ピーターを知る。イェール大学経済学部出身のピーターは数字で選手を見て独特の分析を行う。ピーターの能力を見込んだビリーはピーターを引き抜きアスレチックスの職員にする。
 ピーターを参謀にビリーは、金をかけずに勝てるチーム作りに着手する。最初は負けが込んだが、だんだん勝つようになる。そして奇跡の20連勝を果たす。
 主役のピットが好演。短気で強引、即断即決。チームが負けると机をひっくり返すはモノを投げつけるは、と大荒れ。星一徹の代名詞のようにいわれている「ちゃぶ台返し」はアニメのオープニングでやっているが、原作ではやってない。ところがビリー・ビーンは一徹以上に荒れる。
 ビリーはアスレチックスの独裁者である。オーナーをいいくるめ、監督の言葉に耳を貸さず、選手をコマのように扱う。これぐらいの独裁者でないと、組織の建て直しはできないのだろう。ある意味大阪の橋下閣下とよく似ている。ビリーの参謀ピーターのキャラが面白い。肥満体でとても野球経験者ではなさそう。数字だけ見て選手にクビをいいわたす。こんなのでは絶対選手の反発を買うと思うのだが。それに監督。よくこんなGMで監督ができるな。選手の起用法にまで口をさしはさむ。これは監督の仕事だと、突っぱねられないのかな。
 しかし、アメリカのプロ野球界のドライさに驚く。思いついたらすぐ電話。「オレんとこの○○いらんか。替わりにお前んとこの△△をくれ。5分待つ」5分後に電話。「よしOKトレード成立だ」即選手に面談「荷物をまとめろ」監督がやってくる「今夜の1累は○○だ」「○○はもういない」
 マリナーズ戦でちらっとイチローが出てくる。ピーターがビリーにいった言葉「選手を買うのではない。勝利を買うのだ」名言である。阪神タイガースのフロントにも聞かせてやりたいが、ビリー・ビーンが阪神のGMになったらチームがガタガタになるやろな。星野さんが2002年に阪神監督に就任した時は似たようなことをやったけれど、星野さんはビリーほど強引でドライではなかっただろう。
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