元黒田庄町議会議員・久下弘さんを悼む

　2月28日未明、元黒田庄町議会議員の久下弘さんが亡くなられました。まだ72歳という若さで、残念でたまりません。
　久下さんとは、久下さんの次女を黒田庄中学校で担任した時から、懇意にしていただいていました。長男も中学3年生の時に担任しました。さらに、私が教師を辞め、黒田庄町長選挙に出馬する際にも、大きな力を貸してくれました。「久下さん、久下さん」と、私も心安く接していました。
　久下さんは、地域のスーパーとして頼りにされていた「久下マート」をご両親や奥さんと長年経営されていました。また、移動販売車を運転し、買い物に行きにくい町内の高齢者の方々に、新鮮な食材を届けておられ、頼りにされていました。私の母も、よく利用していたようで、喜んでいました。特に、魚の調理が得意で、市場で仕入れてきた魚を三枚におろしたり、刺身にしたりしていました。人懐っこい性格で、町民の皆さんに親しまれていました。



　また、写真撮影が上手で、写真展も開催されていました。久下さんが撮影される人物は、その人の性格が現れているように見えてきます。私の最後の教え子達の卒業式の時に取っていただいた写真、成人式の時の写真を、私はとても気に入っています。
　平成8年の町議会議員選挙に、日本共産党公認で立候補され、見事当選されました。その後、黒田庄町が西脇市と合併する平成17年9月30日まで約10年間町議会議員として、町民のために頑張られました。最後の期には、副議長も務められました。
　私が黒田庄町長時代、厳しい意見もたくさんいただき、是々非々で臨まれていました。でも、一旦町政を離れると、気さくな性格で仲良くしていただきました。久下さん宅の隣の蛭子神社の「えべっさん」の日には、毎年鍋料理をよばれていました。
　久下さんが体調を崩されているという話を聞き、時々自宅を訪問しましたが、伺うたびに以前の元気さがありませんでした。
　次男の章君から亡くなられたとの連絡をもらい、お悔やみに自宅を訪れました。小さくなった久下さんの顔を見ると、涙が止まりませんでした。大きな声で『町長、頑張りよ。』と言われ、よく背中をたたかれたことが思い出されました。　
　久下弘さん、大変お世話になりました。久下さんの黒田庄への熱い想いを継いで頑張っていきますので、空の上から見ていてください。久下さん、安らかにお休みください。ありがとうございました。