先日、妻と映画『ラーゲリより愛を込めて』を観てきました。映画を見るのは、本当に久しぶりでしたが、感動し胸が熱くなりました。
映画『ラーゲリより愛を込めて』は、辺見じゅんのノンフィクション「収容所から来た遺書」を原作にしたドラマです。第2次世界大戦終結後、ソ連軍の捕虜として不当にシベリアの収容所に抑留された日本人・山本幡男氏の姿を描いています。第2次世界大戦が終結した1945年に、満州に攻め込んだソ連軍の捕虜となり、シベリアの強制収容所送りとなります。強制収容所では、わずかな食料しか与えられず、零下40度という過酷な状況下で重労働を強いられ、亡くなる日本兵が多く出ます。そんな中でも、山本は「生きる希望を捨ててはいけません。帰国の日は必ずやって来ます」と訴え続けます。山本の信念と仲間を思う行動に勇気づけられる捕虜たちは、人間としての生き方に再び目覚めていきます。一方、山本は喉頭がんのため余命3ヶ月と宣告されます。8年後、山本のもとへ妻からのはがきが届き、帰国の日は近いと感じる山本だったが、その体は病にむしばまれていました。ラストは、山本の遺書を託された仲間が、帰国後山本の家族のもとへ暗唱した遺書を届けます。
私の父は、満州で終戦を迎え、シベリアに2年半抑留されました。幸い、2年半ぶりに帰国することができました。ただ、多くの戦友がシベリアで飢えと寒さで無念の死を遂げたことをよく話していました。終戦記念日の8月15日の夜、地元の光福寺での遺族会の集いの場で、シベリア抑留の話とともに平和の尊さを村の人たちに話していました。
ロシア軍のウクライナ侵略により、戦争が身近なものと感じてきています。こんな時だからこそ、悲惨な戦争体験を持つ日本の果たすべき役割が問われていると思います。映画『ラーゲリより愛を込めて』は、反戦の映画ではありませんが、戦争の起こす悲惨さとともに、人として生きる上で大切にすべきことを訴えてくれているように思いました。
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