東野としひろ活動NEWS

東野としひろの活動報告やメッセージをお届けします。

映画『沈黙の50年』

2024-08-30 06:03:33 | 福祉・医療

 8月25日(日)の午後、大野隣保館で上映された映画『沈黙の50年』を観てきました。上映会は、西脇市聴覚障がい者協会が中心になって実行委員会を創ってくれました。

 映画『沈黙の50年』は、1948年に制定された「優生保護法」のもと、国に子どもを産む権利を奪われたろう者の皆さんを映し出されています。映画のモデルとなったのは、明石市在住の小林寶二さん・喜美子さん(故人)です。28歳の時結婚した二人は、妊娠が分かるも、喜美子さんは中絶・不妊手術を受けさせられます。寶二さんは聞こえないことで差別を受けながらも、家具・建具の製造事業所で65歳まで働かれます。明石ろうあ協会を創立し、長年会長としても頑張られました。86歳の時、中絶・不妊手術が旧優生保護法によるものだと知り、神戸地裁に提訴されます。そして、本年7月に最高裁判所が、旧優生保護法が憲法違反であることと国に賠償を命じる判決を下しました。その後、岸田首相が謝罪されたことは多くの方がよく知っておられると思います。映画の中で、私もよく知っている西脇市の方も登場されていました。

 感動的な映画で、様々なことを考えさせられました。優生保護法のことを、私はよく知っていませんでした。優生保護法は、「不良な子孫の出生を防止する」優生思想のもと、障がいや精神疾患のある人に中絶や不妊手術を強制的に受けさせることを認めていました。およそ25000人が障害などを理由に手術を受けさせられ、子どもを産み育てる権利が奪われました。1966年、兵庫県をはじめ全国で、「不幸な子どもの生まれない運動」が展開され、『障がいがある子どもは不幸である』という世論が形成されました。

 優生思想は、今でも根強く残っていると思います。映画『沈黙の50年』の上映を契機に、みんなが支え合う真の共生社会、インクルーシブな社会をつくっていく必要があると思います。

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